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くるまを水害から守る

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「くるまを水害から守る」をテーマにしたコラムをまとめています。
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#災害復旧生活

カバーを装着する時の注意点

カバーを装着する時の注意点

前回は「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方について2回にわたってまとめました。今回はくるまの水没を防ぐためのカバーを装着する時の注意点について考えてみます。以下に3つ注意点をまとめました。

できるだけ平らで石や砂のない床面で装着する

カバーを装着する前に、カバーの床面はできるだけ石や砂のないようにしておきましょう。タイヤの摺り切りでカバーの床面にピンホールや穴ができると、そこから浸水する

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「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方(その2)

「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方(その2)

前回に続き、今回も「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方について考えたいと思います。

装着のための所要時間

カバーを装着する時間は水没を防ぐためには重要な要素です。災害時には時間が限られ、風雨が強い場合もあるため、簡単に取り付けられかつ雨風の影響を受けにくいカバーが望ましいです。一般的に軽量で柔軟性がある素材や、ファスナーや紐などのが付属しているカバーが取り付けやすく手軽に装着できます。逆

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「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方(その1)

「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方(その1)

前回は「くるま」を高台に避難させる場合の注意点前回はについてまとめました。今回は2回にわたって「くるま」を包むタイプの防水カバーの選び方について考えたいと思います。

「くるま」を包むタイプの防水カバーを選ぶ際のポイントを以下に8つまとめました。

防水性能:

カバーは防水性が高いものを選ぶことが大切です。良いカバーは、水が浸み込むことなく、くるまをしっかりと保護します。ただし完全に水を防ぐカバ

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「くるま」を高台に避難させる場合の注意点

「くるま」を高台に避難させる場合の注意点

前回はくるまの水没を防ぐための方法についてまとめましたが、今回は「くるま」を高台に避難させる場合の注意点について考えてみます。

くるまを高台に避難させる場合には、以下の点に注意する必要があります。特に避難させる高台の選定は十分に検討する必要があります。

適切な高台を選ぶ

高台の選定には、地図を確認し、洪水や津波などのリスクが低い場所を選ぶことが重要です。また道路の状態も確認し、適切なアクセス

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「くるま」の水没を防ぐための方法について

「くるま」の水没を防ぐための方法について

前回まではV2H についてまとめましたが、今回はくるまの水没を防ぐための方法について考えてみたいと思います。以下に3つの方法を列挙しました。いずれの対策も安全を確保するため、豪雨や台風などの接近前の段階で行っておくことが必要です。

冠水リスクの少ない駐車場を選ぶ

駐車場を選ぶ場合は、ハザードマップを確認するなどしてできるだけ冠水リスクの少ないエリアにある駐車場を選ぶようにしましょう。立体駐車場

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V2H(Vehicle-to-Home)について

V2H(Vehicle-to-Home)について

前回はEV車を水害から守ることの大切さについてまとめました。今回は「V2H」について考えてみたいと思います。

V2Hとその特長

V2H(Vehicle-to-Home)とは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの電気自動車と家庭用電源との間で双方向の電力供給ができる仕組みのことです。V2Hの最大の利点は、災害時における非常用電源としてEVを利用できることです。例えば停電

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EVを水害から守ることの大切さ

EVを水害から守ることの大切さ

前回は公用車と避難指示についてまとめました。今回はEV(電気自動車)を水害から守ることの大切さについて考えてみたいと思います。

「くるまを水害から守る」プロジェクトのテーマの1つとしてEVを水没から守ることがあります。そこで水害復旧段階でのEVの活用方法についてまとめてみました。

・避難支援のための移動手段として活用する

水害で被災した地域では、道路や橋梁などの交通インフラが損壊することがあ

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水害時「くるま」で避難する危険性について考える

水害時「くるま」で避難する危険性について考える

前回は豪雨災害での「内水氾濫」による「くるま」への具体的な影響と避難渋滞の危険性についてご紹介しました。今回は水害時に「くるま」で避難する危険性について考えてみたいと思います。

水害時に「くるま」で避難する危険性

水害時にくるまで避難することは、決して珍しいことではありません。家族全員が一度に避難することの利便性や荷物を積んで目的地まで最短距離で移動できる機動性を考えると選択肢の一つでもあるよ

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水の侵入によって発生する「くるま」の水害被害

水の侵入によって発生する「くるま」の水害被害

前回は豪雨水害に伴い「内水氾濫」が発生した2つの事例で「くるま」にも影響を与えた事例をご紹介いたしました。今回は「くるま」への具体的な影響について考えていきたいと思います。

くるまが冠水することで発生する水害被害

内水氾濫などである一定の水位まで冠水すると、くるまは水没してしまいます。一般的には水位が50センチメートル以上になると動かなくなることが多いといわれています。まずエンジンや電気系統に

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豪雨水害でも備えがあれば防げることがある(内水氾濫のケース)

豪雨水害でも備えがあれば防げることがある(内水氾濫のケース)

前回まで全5回にわたって自然災害件数と世界や日本で影響の大きかった水害事例についてご紹介してきました。今回は豪雨水害に伴い「内水氾濫」が発生した2つの事例をあげ、「くるま」への影響について考えていきたいと思います。

内水氾濫とは、河川や湖沼などの「内水」が氾濫し周辺地域が水没する現象で、主に排水機能が低下しているために起こる被害です。排水機能が低下する原因は土地利用の変化や建築物の増加による水の

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日本での豪雨水害事例(その2)

日本での豪雨水害事例(その2)

前回に続いて、3つめの事例をご紹介いたします。

事例3:2021年7月西日本豪雨

2021年7月の西日本を中心とした豪雨により、広島、愛媛、香川、岡山、福岡、佐賀、長崎などの地域で甚大な被害が発生しました。福岡県では道路が冠水し車両が立ち往生するなどの被害が発生し約1,000台の車両が水没したといわれています。被害面積は広範囲にわたり広島県と岡山県を中心に約1万ヘクタール以上が水没、多数の住宅

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日本での豪雨水害事例(その1)

日本での豪雨水害事例(その1)

前回まで、水害被害の影響が大きかった世界での事例を紹介をいたしました。今回は水害被害の影響が大きかった日本での事例をご紹介いたします。

事例1:2012年7月九州北部豪雨(熊本広域大水害)

2012年7月、九州を中心に豪雨が発生し、佐賀県、福岡県、大分県、熊本県などで道路の冠水、多数の住宅・店舗や農地の浸水、土砂崩れによる道路や橋の寸断など大規模な被害が発生しました。この水害による避難者数は最

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世界での洪水被害事例(その2)

世界での洪水被害事例(その2)

前回に続いて、近年「水害」被害が大きかった事例をご紹介いたします。

事例3:2021年に中国を中心とした豪雨災害

2021年7月に中国を中心とした豪雨が発生し、広範囲にわたる浸水が発生しました。特に河南省では約300人以上が死亡し多数の住宅や店舗、数千台以上の車両が被害を受けたとされています。

河南省では、記録的な豪雨により多くの地域で洪水や地滑りが発生しました。省都郑州市では地下鉄の駅が浸

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世界での豪雨水害事例(その1)

世界での豪雨水害事例(その1)

前回は地球規模での自然災害の発生件数についてまとめましたが、自然災害は「身近な現実のこと」として備えておくことが必要だということを再認識しました。今回はその自然災害の中でも近年水害被害が大きかった事例の紹介を2回にわたっていたします。

事例1:2011年タイを中心に発生した豪雨災害

2011年7月にタイを中心に発生した豪雨では約800人が死亡、被害総額は40億ドルに達しました。特にバンコク市内

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