フツウの主婦が狩猟を始めたワケ
ハンターになって「なんで狩猟をやろうと思ったの?」と、何度聞かれたことか。
住宅地に住む主婦の私が「狩猟」をはじめたキッカケ、なんだと思いますか?
それは、おいしい「シカ肉」を食べて、ジビエに感銘をうけたから。
なんだけど……
「おいしかったからって、フツウは狩猟をやろうとは思わないでしょ」って言われる。
そりゃ、そうだ。
5~6年前、私の仕事の関係で、ジビエのお店に行く機会があって。
そこで、はじめてシカ肉を食べて衝撃を受けた。
スーパーのお肉とは食感がまるで違う。かたくもなく、やわらかくもない、動物らしい弾力。
それに、血の濃さを感じさせる色合いと風味。
お肉は動物なんだと実感した。
動物がかわいそうで、お肉を食べるのをやめたいと思ってしまった。
おいしいからこそ悲しくて。
だけど、私には育ちざかりの子どもが3人いる。
家に帰れば「お母さん、お腹すいた~!きょうの夕飯なに?お肉が食べたい!」と。
そうだよね。母親が「動物がかわいそう」なんて言ってたら子育てできません……。お肉は必要なんだ!
その頃、私は40歳を目前にして、子どもの手が少しずつはなれ、人生後半の生き方を模索してた。
半自給自足的な生活も素敵だな~と考えてたときだった。
ジビエを食べ、お肉について深く考えるようになった私は、狩猟に運命を感じた。
そもそも私の夫は、結婚する前から採集が趣味だった。
大学でも構内でギンナンをひろって食べてたし。
変わった食べものも好きで、クリスマスデートのディナーが浅草の「駒形どぜう(どじょう料理店)」だったことも(笑)
釣りも行くし、「いつか狩猟もやってみたい」と、夫は以前から言ってたのだ。
気がつくと、私は狩猟免許について調べてた。
とにかく試験を受けて、猟友会に入ろう。ひとりじゃ怖いから……夫を誘おう。
仕事じゃないんだし、無理だったらやめればいい。
私たち夫婦は、軽い気持ちで狩猟免許を取得したのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?