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夏立ちぬ

この曲を聴いて、幼い頃の風景をいろいろ思い出した。


れんげ畑でひとり花を摘み遊んだ時間。

10円玉を握りしめ入った駄菓子屋。

虫が止まっていてどうしても鍵を開けられなかった家の扉。

高校野球とアニメばかり観ていた夏休み。


決して〝幸せ〟とは言えなかった幼少期。

〝不幸〟とも思っていなかった子供心。

孤独だった日々。

どこかバラバラだった家族…。


あっという間に半世紀が過ぎた。

昭和から平成となり、そして令和へ。

4人いた家族も、気付けば母ひとりだけになってしまった。



人生は不思議。

おばあちゃんを知らない私は、4人の孫のおばあちゃんになった。

ずっと孤独だった私が、今は孫や子供たちに囲まれながら生きている。

甘えることを知らなかった私が、今はかわいい孫たちを甘やかしている。


本気で「幸せだ」と思ったことなんか一度もなかった幼少期。


父は怖いひとで、母はかわいそうなひと。

自由気ままで身勝手な兄。

そんな家がイヤで、まだ10代という早さで結婚という道を選んだ姉。


それぞれの人生は、それぞれの想いで成り立っている。

そんなこと、幼い私にはわかるはずもなかった。



今は心の底から「幸せだ」と思える瞬間がある。

この手で、この腕で、あたたかくて柔らかくて、小さくて愛おしいその命をギュッと抱きしめると、私の心もギュッと幸せに包まれるのだ。


ふとよみがえる。

君は今も元気ですか?

今も僕は元気ですか?


君は僕で、僕は君。


孤独な私。

幸せな私。


今も私は元気ですか…?



最後までお読みいただき有難うございました♪

ではまた。        Tomoka (❛ ∇ ❛✿)


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