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雨雲とずきずき

空の様相が変わり始めてきた

今しも雨が降り出しそうなどんよりとした厚い雲

風がビョービョーと吹き抜ける音が恐ろしい

あぁはじめはちくりちくりとした違和感を

こめかみに感じる程度だったのに

だんだんと耐え難くなってきた痛みの塊

今やとげとげとした痛みがずきずきと

頭蓋骨を突き破らんとする様な痛みに

あぁと頭を抱えてうずくまるその姿は辛みの極み

そろそろ雨が降り始めるのか

痛みに唸り辛さを噛み締め

ついには身体を丸めて

球体的になったかと思うと

転がり始めるのはいつもの事

うずくまったまま眠りに落ちていけたら

どれほど楽だろうか

それは叶わない夢物語

夢を見るのもままならない

代わりに身体全体で表現する痛みの形

低気圧下において僕以上に痛みを

感情的に身体全体で表現する人もいないだろうに

ポツポツと雨滴の花が窓に咲く

雨雲から滴る水滴がその数を増やして

僕の家を取り囲んでいく

ゴロゴロ転がる低気圧

コロコロ転がる雨の粒

雨が降る日

僕もまた球体状に姿を変えて転がり始める

唸り声は窓を叩く雨音がかき消してくれる

せめて頭の痛みもかき消してほしいが

それはそれとして置いておかれて

洗い流されずに無慈悲に溜まる感覚

頭蓋骨の片隅

痛みの水溜り

僕は球体状に身体を丸めて転がりながら

低気圧が過ぎ去るのを待っている

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