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むなしさと悲しみと涙のうた

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涙と語った悲しみの日々

悲しみの日々を涙と語り

小雨の中を歩いていた

語る言葉が出尽くした時は

足も小雨も止んでいた

しかし涙は語り続けて

この時を深く刻み込んでいた

むなしさを語るそよ風の声

そよ風の吹くひとときは

私のからだに心地よくも

私の胸を締めつけた

私のからだに心地よいほど

私の胸は痛くなった

むなしさを語るそよ風の声は

私の心に吹きつけるように

むなしさを強く覚えさせた

さようならも言えなくなって

さようならも言えなくなって

― 命を絶とうとしていた頃 ―

あなたは大切な存在だなどと
力いっぱいに言われたとしても
むなしさを知った心には
ただむなしくこだまするだけ
こだまがむなしさを煽るだけ
さようならも言えなくなって
独り土に横たわる

果てしなく流れる涙

果てしなく流れる涙を

地の深みまで沈めたくて

はるか高い天にまで

届くようにと願うことをせず

地の底にまで届くように

ずっと落としていたかった

切ない調べ

はるか遠くから聞こえてくる

切ない調べに涙を委ね

その調べだけを慕い続けた

涙が悲哀の旋律を奏で

切ない調べと調和するまで

かすかな音でも聞いていたかった

涙が切ない旋律を流し

悲しみをすべて流しきるまで

最後の音を聞きたくなかった

涙の数をむなしく数え

涙の数をむなしく数え

昨日の自分と比べる日々は

涙の数をむなしく増して

心衰える身を愁えるだけ

命なくただ出てくる涙は

ことばのない化石のようで

何も語ることができず

むなしく流れ去っていた

仲間とはぐれた小鳥のように

仲間とはぐれた小鳥のように

― 命を絶とうとしていた頃 ―

仲間とはぐれた小鳥のように
屋根の上でたたずんでいた

私は空を飛べないけれど
あなたも一緒に飛んでくれるかな

私は仲間になれないけれど
一緒に飛んでもらえないかな

あなたは仲間を見つけるまで
命ある限り飛んで行ってね

私に寄り添うむなしさと雨

私に寄り添うむなしさと雨

X JAPAN「THE LAST SONG」 を聴きながら・・・

夜明けが私を追い詰める
夜明けの空が私を見下ろし
私の心の空しさを歌う

心はあっても
その中には何もない
私は虚無に愛されているから

虚無が私を愛しても
私は虚無を愛せない
しかし私は虚無に服して
どうすることもできなかった

潤いを求めても
ただみじめに濡れるだけ

私が終わりを迎えるまで
もう二度と止まなくていい
きっと私

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物悲しいカラスの鳴き声

物悲しいカラスの鳴き声が

心の夕空に響き渡る

日没の空を眺めながら

心寂しさを顧みて

姿の見えないカラスの声に

哀愁のうたを乗せていた

花の涙

心の涙を拭いたくて

花の涙を飲み込んだ

花の涙は心をつたい

儚さの中に消えていった

心という悲しみの世界

悲しみは人の心から出で

人はその世界にいる

悲しみから抜け出したくても

心を抜き出すことはできない

人の心は悲しみの世界

どこまで行っても悲しみと出会う

人はその心の世界を

渡り歩いて生きていく

むなしさの中の孤独な自分と

― むなしかった10代の頃を思う ―

儚いからこそ貴重なのだと

思っていたこともある

儚さと切なさに

酔いしれたいと思いもした

無理に笑って苦しむよりも

むなしい自分と歩ける気がして