見出し画像

国を戦争以外で救うお話『女王陛下に婿入りしたカラス』感想

一般的なライトノベルらしからず。

経済にまつわるお話でしたので。

非常に勉強になりましたね!


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、逆巻蝸牛先生の『女王陛下に婿入りしたカラス』(2024年9月刊行)です。

では本日も、行ってみましょう!



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 女王陛下の求婚から始まる戦争をしないための戦い

「君、私の婿になる気はないか?」
 国や領地をも家と見なし管理・経営する『家政学』専攻の学生ウィルは、略奪・戦争国家と批判していた隣国オノグルの女王イロナから初対面にもかかわらず突然、求婚される。
「この国を、戦争以外の方法で飢餓から救いたいのだ」
 イロナの真意を知り、ウィルはオノグルで半年間過ごすことになるのだが、王宮の使用人たちにすら敵国の人間として扱われ味方は一人もいない状況で……。
 家族を殺し、殺され、他国を憎み、憎まれる負の連鎖を断ち切ることはできるのか。
 婚約式から靴や貨幣作りまで、剣を持たない少年の戦争回避術!

女王陛下に婿入りしたカラス - ライトノベル(ラノベ) 逆巻 蝸牛/いちかわはる(富士見ファンタジア文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER - (bookwalker.jp)


というわけで。

本日のテーマは、「戦わない国家経営」となっております。



戦う以外の方法で、国民を飢餓から救う話

さて、このお話の解説を行っていく訳ですが。

まず、一言で書いておきますと。

「戦争や略奪でしか、国民を食べさせる事が出来ない国家が。

戦い以外での方法で、国を変えていく」という。

そんな物語となっております。


そのためか。

経済を始めとして。

外貨、為替、そして工芸品といったものが登場し。

まるで、国家を経営していく手腕が読めるような物語となっております。


あらすじとしては、以下のようになります。

領主の財政管理を主として。

経済や兵法などを学ぶ学問、「家政学」がありました。

大学でその学問を専攻していた、黒髪の青年ウィルは。

隣国オノグルの女王、イロナから、突然求婚されます。

驚くウィルでしたが。

彼女が言うには。

彼の論文が、興味を引いたと言います。

「オノグルは騎馬戦術は得意だが、経済面は貧弱であり、食用自給率も低く、そこを攻めれば、勝てる」

そのような文章を読んだ彼女は。

彼をお金と引き換えに、自国へ婿として連れ帰ります。

「私は、戦争以外の方法で、この国を救いたいのだ」

イロナからの真摯の言葉に、ウィルは納得し。

半年間という条件の中で、彼は、国を変えるべく奔走することを決意します。

果たして、前代未聞の国家経営はどうなっていくのか――。

というのが、話のあらましとなっております。



この話の面白い所について

やはり、経済面のシーンでしょうね。

この作品は。

外貨を得ることだったり。

通貨の「信用」の話だったり。

為替の話だったりと。

戦争以外で、国を立て直していくというお話の都合上。

経済学で出てくるテーマがしきりに登場し。

それが非常に分かりやすく描写されております。

私自身としては。

あまりそういった部門には疎いのですが。

結構、勉強になりましたね!


また、国が様々な困難に陥っても。

「ウィルはこの状況をどういった工夫で乗り越えていくのか」

という思いから。

私自身。

次から次へとページをめくっていきました。

それくらい、面白かったですね。


またキャラクターも魅力的に描かれており。

最初はお互いにギクシャクしていた。

主人公と女王でしたが。

それが段々と近づき、結ばれていくというのが。

良かったです。



この話の残念な所について

最初に出会う、主人公が女王と出会うシーンについてですが。

ちょっと強引なような気がしました。

いくら自国の弱点が書かれている論文とはいえ。

女王が、いっぱしの学生に出会いに行くのかなぁ……。

といった疑問点がありました。


そして、ラスト付近での問題解決シーンなのですが。

かなり一発屋的な解決方法となっております。

伏線は、あったにはあったのですが。

もう少し、良い解決方法はなかったのかなぁと。

そう思いました。



最後に

とはいうものの。

戦争以外の方法で、国を経営していくというお話は。

珍しいかなと思いましたので。

ここで薦めてみる所存であったりもします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?