並行世界を行き来できる主人公に、待っているものとは『多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉』感想
並行世界。
つまりは、パラレルワールドのこと。
並行世界について調べてみると、以下のようなことが出てきました。
中々に小難しい話になってきますが。
言ってしまえば。
「もしあのときに別の選択をしたら、どうなっていたのか」
という、もしもが。
今の自分の世界とまったく同じ「世界」に。
存在することを指します。
……なんだか難しくなってきたので。
ここまでにしておきます。
さて。
というわけでもあるのですが。
本日、ご紹介するライトノベルは、眞田天佑先生の『多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉』(2023年11月刊行)です。
皆様も、これまでの人生の中で。
大事な選択を沢山してきたかと思いますが。
今回は、そんな「選択していなかった世界」についてのお話です。
あらすじです
今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。
というわけで。
本日のテーマは、「統合される並行世界」となっております。
これはSFテイストの恋愛劇です
さて、この作品。
主人公で、高校生の湯上秀渡が。
事故で、頭を強く打った事がキッカケによって。
様々な並行世界にいる「自分」とリンクし。
乗り移っていくことの出来る能力を持ったところから。
物語はスタートします。
憧れの幼なじみでもあり、トップアイドルである友永朝美と、付き合っている世界の自分。
可愛い義妹と住んでいる世界の自分。
果ては、ミステリアスな先輩との生徒会活動にいそしむ世界の自分といったように。
自身の能力によって。
自分の都合の良い世界を渡り歩き。
その能力を存分に振るいつつ。
主人子は、楽しんでいきます。
しかし、ある時。
今までバラバラだった並行世界が、突然、一つにまとまるという現象が起き。
世界が混乱することになります。
例えて言うのなら。
テレビ会見で。
突然、総理大臣が五人現れ。
自分こそは「総理大臣」だと宣言する。
といったものになってきます。
そうした中で。
未来の並行世界に存在する、幼馴染みから。
修復するカギは、主人公の能力にあって――。
というのが、話の大筋となっております。
この話の面白い所
なんといっても、SFテイストな作風が味わえることですね。
若干、SFとしては粗が目立つところもあったりしますが。
そこは、ライトノベル。
そして、どちからというと話の主軸は、「恋愛劇」であること。
さらに、SF(少し、不思議)と定義すれば。
私は、気になりませんでしたね。
ともかく。
主人公の成長と。
並行世界の中での恋愛劇。
どちらとも堪能できる作品となっております。
この話の欠点について
話自体は、壮大なのですが。
お話の着地点は、あんがい小さいことです。
まあ、主人公の成長物語としては、アリなのでしょうが。
なんだか、あっさりとまとまってしまった感じがあって。
私としては、残念なように感じました。
あと、物語の長所でも書きましたが。
本格的なSFとしては、粗があると思いますので。
そこは気をつけておくべきかと思います。
最後に
とはいうものの。
並行世界での設定で。
これだけ楽しませてくれる物語は。
中々に無いと思いますので。
是非とも薦めてみる所存であったりもします。
さて。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。
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