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並行世界を行き来できる主人公に、待っているものとは『多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉』感想

並行世界。

つまりは、パラレルワールドのこと。

並行世界について調べてみると、以下のようなことが出てきました。


※(並行世界・パラレルワールドとは)
簡単に説明すれば、現在の世界(時空)と並行して存在する世界の事を言う。
または、そういった世界があるという考え方。「多世界解釈」とも呼ばれ、創作作品においてはSFのみならず幅広く浸透している題材となっている。

フィクション作品におけるパラレルワールドでは所謂「歴史のif」とでも言うか、史実とは違う架空戦記を取り扱った作品が有名と思われる。日本史を例にしてみても、「もしも本能寺の変で織田信長が生き残っていたら?」「もしも19世紀、浦賀湾に黒船が来なかったら?」「もしもミッドウェー海戦で別の戦術が取れたら?」と考えるだけでも、現在のこの世界がまったく違うものとなっていたであろう事は想像に難くないはず。そして、そのような世界が並行して存在しているとすれはそれこそが、我々の住むこの世界とは違う「パラレルワールド」なのであり、逆にその世界からすれば我々が存在しているこの世界こそがパラレルワールドとなる。

パラレルワールドとは [単語記事] - ニコニコ大百科 (nicovideo.jp)


中々に小難しい話になってきますが。

言ってしまえば。

「もしあのときに別の選択をしたら、どうなっていたのか」

という、もしもが。

今の自分の世界とまったく同じ「世界」に。

存在することを指します。


……なんだか難しくなってきたので。

ここまでにしておきます。



さて。

というわけでもあるのですが。

本日、ご紹介するライトノベルは、眞田天佑先生の『多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉』(2023年11月刊行)です。


皆様も、これまでの人生の中で。

大事な選択を沢山してきたかと思いますが。

今回は、そんな「選択していなかった世界」についてのお話です。



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 並行世界を渡って、理想の青春を。

 普通の高校生・湯上秀渡は事故をきっかけに『並行世界を行き来する力』を手に入れ、それ以来"理想的な青春"が存在する並行世界を数多く渡り歩いていた。憧れの幼なじみ・友永朝美との交際、ミステリアスな先輩との生徒会、思春期な義妹との生活など──面白い世界を見つけて好きに選べるなんて最高!
 ……しかし、突然『全ての並行世界が1つに統合される』現象が起き世界が急変。各世界のヒロイン達全員が同じ世界に現れてしまう!
 さらに、友永朝美に乗り移った"未知の並行世界の朝美"から「世界の統合は秀渡君が修復できる」といきなり告げられ……? 
 新世代がエモーショナルに描く、カオスSF青春劇開幕。

多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉 - ライトノベル(ラノベ) 眞田 天佑/東西(MF文庫J):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER - (bookwalker.jp)


というわけで。

本日のテーマは、「統合される並行世界」となっております。



これはSFテイストの恋愛劇です

さて、この作品。

主人公で、高校生の湯上秀渡が。

事故で、頭を強く打った事がキッカケによって。

様々な並行世界にいる「自分」とリンクし。

乗り移っていくことの出来る能力を持ったところから。

物語はスタートします。


憧れの幼なじみでもあり、トップアイドルである友永朝美と、付き合っている世界の自分。

可愛い義妹と住んでいる世界の自分。

果ては、ミステリアスな先輩との生徒会活動にいそしむ世界の自分といったように。

自身の能力によって。

自分の都合の良い世界を渡り歩き。

その能力を存分に振るいつつ。

主人子は、楽しんでいきます。


しかし、ある時。

今までバラバラだった並行世界が、突然、一つにまとまるという現象が起き。

世界が混乱することになります。

例えて言うのなら。

テレビ会見で。

突然、総理大臣が五人現れ。

自分こそは「総理大臣」だと宣言する。

といったものになってきます。

そうした中で。

未来の並行世界に存在する、幼馴染みから。

修復するカギは、主人公の能力にあって――。

というのが、話の大筋となっております。



この話の面白い所

なんといっても、SFテイストな作風が味わえることですね。

若干、SFとしては粗が目立つところもあったりしますが。

そこは、ライトノベル。

そして、どちからというと話の主軸は、「恋愛劇」であること。

さらに、SF(少し、不思議)と定義すれば。

私は、気になりませんでしたね。

ともかく。

主人公の成長と。

並行世界の中での恋愛劇。

どちらとも堪能できる作品となっております。



この話の欠点について

話自体は、壮大なのですが。

お話の着地点は、あんがい小さいことです。

まあ、主人公の成長物語としては、アリなのでしょうが。

なんだか、あっさりとまとまってしまった感じがあって。

私としては、残念なように感じました。

あと、物語の長所でも書きましたが。

本格的なSFとしては、粗があると思いますので。

そこは気をつけておくべきかと思います。



最後に

とはいうものの。

並行世界での設定で。

これだけ楽しませてくれる物語は。

中々に無いと思いますので。

是非とも薦めてみる所存であったりもします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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