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今日が水平線に落ちる頃

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散文、詩、ドローイングなど
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#散文

それが、わたしを。

それが、わたしを。

詩を書きました。
詩作品にはなっていないかもしれません。それに、詩のことはよくわかってるつもりはないのですが、詩について書かれている本を幾つか読ませていただくことがあり、それぞれ共感する部分がありました。それは詩についてにとどまらず、誰かの残してくれた詩集や本から、人が教えてくださったもので、一言では言い表せませんが、私はそのたび「そうだよな」と思いました。過ぎていく日は刻々、それに触りたくて、言

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反転する世界に落ちているもの

反転する世界に落ちているもの

日常が飽和していってしまう。

全て何かに飲み込まれて何か大きな一つの混沌になる。

そのために私はキータイプをして散漫な文章を書き発信している。モールス信号を送るようにネットの世界に発信をしているんだ。

ここはもう磁気が意識を持って支配されている。こんなことを書いている自分でさえ意識が奪われて混沌の一部になっていってしまう。

ここ というのは、自分の座っている何の変哲もない部屋の、散らかった

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知らない先

知らない先

未来を見る力なんて無い。今しか感触は無い。

大変な時代になってしまったと人はいつも思うのかもしれない。いつも主語は曖昧で飽和している気分でいる。集合意識というものがあるのなら、どこまでが自分でいられるのかと思う。

今の社会の動きの中、過去という織物に織り込まれていくようで気持ちが圧迫されていく。知らない時代の糸を受け入れている今は、生きることに対して陽を感じることが本当に必要だろうか。

少な

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空が遠ざかるのは、きっと鳥のはばたきに余白を残して

空が遠ざかるのは、きっと鳥のはばたきに余白を残して

もうそろそろ夜明けは、少しまるくなった温かい風が運んでくる。

何年も先の日記のページを暗示するような明るさの雲の層は、数々の鳥の目覚めを飲み込んでいる。遠くに頬の高揚に似た、桃色がしみてくる

聞き慣れた音階に似た声の鳥に集中すると、聞き取れる音域が広がってきて音楽が組み立てられていく。

小さな鳥 大きな鳥、それを何セットか繰り返したのを合図にセミがだんだんと鳴き重ねていく。風が少し吹く、シャ

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窓をたたく女

窓をたたく女

夏になると決まって不思議な出来事の番組や、盆近くになれば何か普段とは違う空気が流れていた。なかなか、今夏休みなんて意識しなくなってしまったけれど、あの雰囲気を皮膚の下に潜んでいる忘れた神経痛のようにピリピリと感じる時がある。

免許を取り仕事も始めたばかり、私は運転を練習しながら一人のその時間を楽しんでいたし月給もわずかだが実家だったため車のメンテナンスには十分でドライブのみで随分遊べた。その始め

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