北原夕零 kitahara yu-rei

現代詩 詩 ドローイング エッセイ 散文詩 日記 ただいま記事整理中ですが穏やかに更…

北原夕零 kitahara yu-rei

現代詩 詩 ドローイング エッセイ 散文詩 日記 ただいま記事整理中ですが穏やかに更新していきたいと思います。

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かたはね  Ⅰ

この世界は平面であった。 かぎりなく、宇宙空間とその間に至るまでの全てがただの輪郭でできており、私はそこを滑走しているにすぎなかった。 この日私は大きな発見をした。 この輪郭はりんごと同じであることを。 りんごの外側、つまり輪郭をなぞって延々と繰り返し滑走しているだけにすぎなかった。 りんごの中身は闇である。 闇のまま育ち、もぎ取られて切られるか地面に落ちて中身が見えると私たちはりんごは白かったのだと知ることができる。りんご自体は影を内包したままであるが、その輪郭は外部

    • 無事に出産して3ヶ月経とうとしている。出産の時の記憶はまだ濃く、徐々に薄れてきてはいる。 産後の授乳の痛みで気が遠くなりそうだった日々もようやく軌道に乗り始めたのか、最近は痛みは忘れてしまっている。

      • フリーペーパー

        2022年 夏−冬に制作した フリーペーパー「土土」Vol.2 昨年末配布しておりました、本当に勝って気ままに作っている 詩とイラストフリーペーパー、webで見れるようにしていこうと思います。

        • 2023

          久しく放置してしまいましたがポツポツ更新していこうかと思います。 2022年は東京ポエケットへ、ブース出展されている方のお手伝いへ行かせていただき、私のフリーペーパーも配布させていただくことができてとてもありがたく、楽しみました。 自分なりに2020年からいろいろ文章も手当たり次第まず書いてみる。ということと。詩を投稿してみるということも続けてみた。 年末から新しい人生の運びがあり、創作することから離れ自分と向き合うことができたと思う。その流れで命を授かることができ本当にあり

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        • 今日が水平線に落ちる頃
          42本

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          かたはね Ⅷ

          光の中 氷河脱出  ここでは行動記録は取れなかったし、15歳ほどの水晶のような存在は間違いなく存在しながらも実態がつかめないまま言葉を話さずに意識だけで動いているようだった。 その意識に誘われて僕は光の穴へ落ちていった。 同時に僕は僕であることと重なっていった。私は私であり僕であった。 あるいは目の前に感じる光は僕の影かもしれなかった。 「ルル る る」 相変わらず穴へ落ちていく途中でも言葉にならない言語は語られている。 その意味はわからないままでよかった。ただ堕ちてい

          かたはね Ⅶ

          逢うもの 彼は いや彼女は年頃15歳ほどであり水晶のような立ち姿で局所的に降る雨を従えて私の目に映っていた。 本当のことを言うと人物であるかもわからなかった。ただ懐かしい気持ちを覚えたのととても愛らしいことだけを思った。 彼は何も言わない。ゆるい逆光の中で私を見ていることだけだった。 私、彼女は何も話さない。しかし向かう目的地はお互い一緒なのだということはわかっていた。 透けるような存在であった彼は霊的であり時たま油膜のように七色に光った。 視線をそらすと消えてしまい

          かたはね Ⅵ

          やがて物語は閉てゆく不安のように 闇の中には静寂で、そこには物語があった。 私はすぐにそれを探したいと思った。 あの日蝶を埋めたことが未だ胸に焼き付いている。 夕闇が迫って私も私の影も夜という影に覆われて闇になる。このことは光でもある。焼きつく想いもまた影となって光をまとう そうだ そうなのだ。あの日埋めたのは、実は自分だったのではないかと思った。どうしても蝶が死んだということを、もう一度確認しないと信じられない。きっと、もう片翅のままどこかへ飛んで消えてしまったに

          かたはね Ⅴ

          感じるもの 温室へ向かった私はそのドーム状の空間に教会を覚えた。中は蝶を放しておけるよう適温になっておりいたるところに植物や花の蜜が吸えるように花がたくさん咲いている。吸水できるようにと糖分が取れるようにゼリー入りの小皿が至る箇所に設置されている。オオゴマダラやイシガキチョウなど国内の蝶が舞う中私は呆然と立っていた。 黒アゲハは見当たらなかったが似た色ですごく大きな黒い蝶が優雅に舞っている。人は相変わらずいなかった。 ここには人間と蝶と植物以外いないのだった。なぜかそのこ

          かたはね Ⅳ

          犯人を探せ ここにリンゴがあった。 このリンゴは輪郭にすぎないが言語によって繰り返された信号を発してもいた。 そしてやはり自分もそのようにして存在しているのだなと、丸くツヤのあるリンゴを持ちながらある実験をやってみることにした。 実験とは、つまり蝶を埋めた犯人が自分であったかどうか、疑似体験的なことをしない限り私の中で始まらないのであった。それは蝶を掘り起こすことにある。あの公園の片隅の蝶の食草と書かれたプラカードとロープの中の。。少し寂しい夕暮れとともに。 犯人は自分

          かたはね Ⅲ

          追うもの しっとりとした朝だった。 いつもと変わらず太陽が昇っている。奇跡的なことだというのにあまり感動はしない。枕元に自分の手の影を映して生きていることを確認する。何かが崩壊してしまった後のような空虚さがまた滲み湧いてくる。そして必ず公園に埋めた蝶のことを思い出すのだ。 あれは確かに蝶だったはずだ。育てて羽化不全として死んだ蝶だ。しかし本当に蝶だったのだろうかと時たま思う。まごう事なき、本物の蝶であったが、そこにこの出来事の輪郭を探している自分を見ている気がした。

          かたはね II

          視点転換 ここは富士の八合目あたりだろうか。鉄錆の映える柵が雲になるガスにまかれて垣間見えるその景色は個人的にとても好きだった。         湿気がまとわりつき幼虫が蛹を作る前の繭の糸をくくっている視界を想像できるからだ。滲んだ白とグレーが延々と広がるその景色は私を迎えてくれている気がした。遠近感もバグっている。多分ものすごく遠いところにある景色が近く感じ、時間は止まっているかすごくゆっくり動いている気がする。足元を雲が走ってゆくのを見とれてしまう。非現実に来たという感

          「土土」DODO

          長らくお休みしていた詩の活動を再開します。詩のフリーペーパー「土土」 しばらく世界も社会も不安定で未だなお不安定です。 社会と世界ってどう違うのだろうと考えながら、詩のフリペーパーを作りました。設置していただいたお店さんのご紹介を後にさせていただきます。 まだ決まっていませんが大型イベントに向けて冊子も作ろうかなと思っています。投稿もしていたり、離職したりとここ二年が透明になってしまっていました。でもそれは、よく見えたことなのかもしれない。よく眼に映ったのかもしれない。直

          5月16日 文学フリマ東京 ありがとう。そしてお疲れ様でした。

          おそくなってしまいましたが、文フリ東京に無事出展し、その後も体調は良くまた、新たに制作にうつる日々です。 今回は緊張の会そしてご辞退された方も勇気尊敬をしております。やむを得ず行けなかった方もいらっしゃる中、安心し出展させていただけたことに感謝いたします。また、他県都市での文フリも、開催への思いを知り得ました。わたしは本当に文フリ赤ちゃんですが、となりあい、各ブース出店者さま、来てくださる方に育てられる想いです。 今回1人での滞在になったためあまりブース様まわれず、フォロー

          5月16日 文学フリマ東京 ありがとう。そしてお疲れ様でした。

          文学フリマ東京 5月16日 シ–33「麦」

          北原夕零で居ります。当日はフリーペーパーの配布と新しく本を作りました。「シーン・ギュラリティ」18P A5 当日は気を抜かずに感染対策をして、体調は良いですが過信せず距離を保って行動いたします。無理しない。直前まで悩まれた方も大勢いらっしゃいます。止むを得ず出れなかった方もいらっしゃいます。その方々を思い尊敬しています。だからこそ無事に皆さんが楽しめるよう少量の物販と配布ですがどうぞよろしくお願いいたします。また、郵送でもご興味ある方はメッセージください。ではでは! #文

          文学フリマ東京 5月16日 シ–33「麦」

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          文学フリマ東京用 フリーペーパー夏号!果たして配れるのか、、

          文学フリマ東京用 フリーペーパー夏号!果たして配れるのか、、