西ゆり子

コンテンポラリー コーポレーションのファッションスタイリスト。累計で150以上のドラマ…

西ゆり子

コンテンポラリー コーポレーションのファッションスタイリスト。累計で150以上のドラマのスタイリング、ディレクションを行う。企業などのファッションセミナーや講師としてコーディネートのアドバイスなども行う。またスタイリストとして初の個展を開催。ドラマスタイリストの本も出版。

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最近の記事

トレンドの細分化

トレンドというのは目まぐるしく移り変わる。ファッションのトレンドはその最たるものだ。 ファッション誌を見たり街行く人を見ているとそれはよくわかる。 例えば5年ぐらい前からジャストウエストが流行り出している。そして今ではジーンズまでジャストウエストではくのが主流です(一昔前はジーンズはヒップハングではくのが主流でした)。 その間にハイウエストも台頭したが、それほどの勢力はなかったように感じます。これは私の見解ですが、おそらく着心地の問題かなと思います。 クロップドのトップス

    • ファッションスタイリストに必要なこと

      ファッションスタイリストという職業をこの歳までしてきて何が必要で何が要らないかを考えることがある。 結論から言うと不要なものはない。と言うのが私の持論だ。 サービス精神も気配りもとっさの場の状況判断、どれもあればそれは一つの武器になる。そしてこれらはどの職業においてもあれば、おそらく役に立つと思います。 ただ、ファッション スタイリストにおいて、どうしてもなくてはならないものがある。 それは何よりもセンスです。そしてこれは人によって千差万別。 育った環境、見てきたもの、

      • DIOR展

        美術館に行くのにインターネットで予約をしないといけない現代。 気分で生きている私にはなかなか馴染めないが、今を生きよう。 年齢がいった分計画的にが快適になり、去年予約したこの展覧会が楽しみだった。 清澄白河に行くのも久しぶり、高速は早いなあ、あったあった美術館にPが。 上野より便利かも、気持ちいい。 人には快適な広さが必要です。 一つひとつ丁寧に観たいが体力が続かない。 好きなものだけに特化して観る。 ディオールも素晴らしいがやはりガリアーノはすごい。 フォルムが夢のよ

        • 二冊目の出版『服を変えれば、人生が変わる』

          実は、少し前に二冊目の本を出版しました。何十年という長い期間、ドラマ、映画、バラエティ、ライブ、など本当に多種多様な作品に関わらせていただいたファッションスタイリストのキャリアです。 その経験がこうして一冊だけでなく二冊目の出版へと繋がり大変嬉しく思っております。 タイトルの通り、服は大きなパワーや自信を与えてくれますし、相手に与える印象も変わります。 私自身、今までファッションを通して多くの経験と自信を与えてもらいました。 なので、この本が少しでも誰かの背中を押すことに

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        • ファッションスタイリスト
          2本

        記事

          若いときのファッションライフ

          ファッションは幅広く様々な格好、スタイルがあります。またファッションは自分の気分や年齢とともに変化して好みも変わっていきます。そんな中で若いとき(ざっくり大体10代から-20代全部)のファッションは重要な要素の一つになると思ってます。 若いときはなんでも挑戦 私自身が思うのは若い時のファッションは良いなと思ったものは、あらゆるものを経験しておくこと。 流行りを楽しむのも良し、ファストファッション、古着、ハイブランド、コンサバ、ガーリー、クール系、ロリ系、自分が良いと思った

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          マフラーの掟

          マフラーの掟なんて言うと少し仰々しいかもしれないですが、なんのことはありません。そんなに重く受け止めず、むしろ豆知識程度に。 寒気が日本を覆い、本格的に冬の到来を感じるこの頃です。 冬の優秀な小物と言ったら手袋、マフラーですが、そのマフラーのちょっとしたポイントとして。 巻き方がどうとか言うわけでもありません。 冬の到来と書き、そしてマフラーというアイテム、防寒の流れになりそうですが… 防寒としてのマフラーではなく、もう一つ別のポイントを。 シンプルなポイントマフラーと一口

          マフラーの掟

          ドラマ リーガルハイ

          訴訟で負け知らずの弁護士、古美門研介(堺雅人さん)とその相棒役の新米弁護士である黛真知子(新垣結衣さん)が織り成すポップな法廷ドラマ。スペシャル版もあり、シリーズ2も放映された人気のドラマです。このドラマでは黛真知子のスタイリングをさせていただきましたのでそのコンセプトを少し。 コーディネートコンセプトコーディネートのコンセプトは『ニュートラルでかわいいゆるさ』です。黛真知子は正義感が強く曲がったことが嫌いな正直者です。しかしとても優しさに溢れていて色々な人の意見や思いを受

          ドラマ リーガルハイ

          スタイリストの仕事:現場

          以前の記事に続きスタイリストの仕事を。今回は現場編(こちらも想定はバラエティ)。以前の記事では服のリースをしてくるとこまで。そしてその後です。 収録の前日収録の前日は全てのコーディネートを決めます。 リースした服にアクセサリーやストッキング、インナー、シューズなど小物まで全てを合わせてコーディネートを決める。ここでは細部までこだわり決めていきます。これは時と場合によりますが、大体3ポーズ(パターン)ぐらい決めます。それが決まったらスタイリストバッグに入れて収録当日を迎えます

          スタイリストの仕事:現場

          パジャマを『語る』

          パジャマは一生懸命仕事をしている。私たちが寝ている間に。 汗を吸い取ったり、寝返りを打ったときによれないようにしたり、体温調節をしている。 一般的に人間は寝ている間に350- 500mlの汗をかいてると言われています。 この水分をコントロールすることが快適な睡眠を促す上でもパジャマは大事。 パジャマにおいてオススメの生地シルク、コットンが個人的にはおすすめです。 肌に優しいことにプラスして吸湿性が高いからです。特にシルクは個人的にも良いなと思っています。掛け布団とシーツの間

          パジャマを『語る』

          スタイリストの仕事:貸し出し(リース)

          ドラマや映画、バラエティなどでタレントさん達が着ている洋服のコーディネートをしているのがファッションスタイリストです。 そしてその服はどこから来ているのか。買っているの?借りてるの?場所は?お店は?ブランドは?などなど疑問はあるかと思います。 結論から伝えると借りるときも買うときありケースバイケースです。 ですが基本的には借りることが多いです。ファッションスタイリスト業界では『貸し出し』、『リース』に行くという風に言います。 スタイリストの中でも重要な仕事の一つそしてリース

          スタイリストの仕事:貸し出し(リース)

          とあるチラシのコーディネート

          最初にお伝えしておくと私はサントリーの回し者でもなければ、セサミンをお勧めしているわけでもありません 笑 ふと目にとまったチラシ、コーディネートが気になったまでです。 何気なく目にとまっただけほとんどの人がそうだと思いますが、家のポストにはチラシが入っている。必要不要問わず入っている。見ることもないチラシから、興味深いチラシ、何の気なしにたまに眺めたり、気分によって色々です。ある日、その中でふと目にとまったチラシでした。キャッチも商品も気にもとめずにふと目に入ったコーディネ

          とあるチラシのコーディネート

          ドラマ・映画 のだめカンタービレ

          大人気漫画を原作としたドラマの『のだめカンタービレ』。2006年に最初のドラマが放映され、その後映画にもなったりと漫画だけでなくドラマ版、映画版共に大好評の作品です。すごい簡単な説明をすると『のだめカンタービレ』とはクラシック音楽を題材にした漫画がオリジナルです。ドラマ、映画ともにスタイリングをやらせていただきました。 のだめ役を務めた主演の上野樹里さんのスタイリングのコンセプトはシンプルですがドラマ(実写版)ならではのポイントもあります。 キャラクターのスタイリング 原作

          ドラマ・映画 のだめカンタービレ

          下着と素材

          下着は大事(忘れがちな靴下も含む!)。 体のラインを作るのも下着。 (香水じゃなければ)一番最初に身につけるものだから肌に優しいものがいい。 肌はタンパク質でできているのでシルクかコットンの天然繊維は肌に優しくおすすめです。 肌に優しいとどんなメリットがあるのか コットン、シルクの天然繊維は通気性と吸湿性があり皮膚が呼吸をできるようになります。皮膚呼吸ができると肌荒れやシミの原因を予防できるようになります。 反対にポルエステル繊維などの化学繊維は通気性がなく、吸湿性も高く

          下着と素材

          香水を『着る』

          一番最初に身につけるものさあ、洋服を着よう、となったときに 一番最初に身につけるものは香水というこじゃれた話を若い時に聞いたことがある(下着や靴下でもないところがポイントだなと思って印象的でした)。 昔は(なんとか時代の頃)日本では香水が一般的ではなかった。 日本の香りの文化はお香だったので、お香を焚いて匂いをカバーしていた。 海外は香水をかけて匂いをカバーした。 ただ、現代の日本は食生活もライフスタイルも欧米化してきて香水も 当たり前のものになっている。 香水をつけ

          香水を『着る』

          素材を知ることの重要性

          仕事における素材の重要性ファッションスタイリストという仕事は写真や動画で伝えることが多いため、パッと見では素材というものはわかりづらいかもしれません。 雑誌やドラマを観ている人もそれがどんな素材かまでを気にしていることはあまりないかと思います。 ただ、プロのスタイリストが素材を知らなくていいわけではありません。 むしろ素材を知ることはとても重要なことだと私自身は思います。 プロのスタイリストとして長いキャリアを歩む気であれば素材の基本的なことは知っておくべきです。 それにファ

          素材を知ることの重要性

          些細な違いでバランスは変わる

          いつもと違う違和感息子がジーンズにシャツを合わせて出てきた。 シンプルな格好だ、よく見る格好だ。 ただいつもと違う違和感があった。 何度も見てきた格好だがどうもしっくり来ない。 いつもと違くないかと聞くと、いつもと変わらないと答える息子。 テーパードの効いたやや細身のジーンズ(綿100%を履いているのは小さい頃から私に言われていたからなのか)を定番として履いているのだが全体のスタイルがいつもと違う印象に見える。 トップスのシャツが貧弱に見えた。 さらに息子に聞いた、前とジ

          些細な違いでバランスは変わる