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ファッションスタイリストに必要なこと

ファッションスタイリストという職業をこの歳までしてきて何が必要で何が要らないかを考えることがある。

結論から言うと不要なものはない。と言うのが私の持論だ。

サービス精神も気配りもとっさの場の状況判断、どれもあればそれは一つの武器になる。そしてこれらはどの職業においてもあれば、おそらく役に立つと思います。
ただ、ファッション スタイリストにおいて、どうしてもなくてはならないものがある。
それは何よりもセンスです。そしてこれは人によって千差万別。

育った環境、見てきたもの、体験したことなどでかなり違いが出ます。そしてこのセンスというものは、自分のセンスが正しいと思うことができればそれで良いわけなのです。スタイリストの中には倒れそうになるほどセンスが悪い人もいる(あくまで私から見ての話です、なので別の人からすれば私のセンスがないと思う人もいるかもしれないです)。そしてセンスは、人それぞれで受け入れる人がいれば成立する。

要は私と違うセンスで生きているということだ。
そして思うに、ファッションスタイリストとは、自分の中にあるセンスにプラスして「今」という時代を積み上げていくことが大事な気がします。
例えば、今だとワイドXワイドのシルエット、つまりゆるゆるのファッションが流行っている。そんな現代(いま)に己のセンスを積み上げてコーディネートしていく人もいれば、タイトXタイトのシルエット、ざっくり言えばシャキシャキのスタイルに現代を乗せていく人もいる。
要は進化をすること、学ぶことを決してやめてはいけない。
仕事の依頼が来て、それぞれのキャラクターを私のセンスで作っていく作業。これが何より面白い。
例えばロックミュージシャンを作る、どんな人にしようか?私の好きなロックミュージシャンは私のセンスで「良い!」と思う人物像を作り上げていく。

自分の知識と経験でスタイリストのセンスは決まる。
資料を読み漁っても自分がかっこいいと思えないものは頭に入らない。
私にとってデヴィッド・ボウイはかっこいいがピンクフロイドはよくわからない(もちろんピンク・フロイドにはピンクフロイドの良さがあります)。
そして私が思うロックミュージシャンが出来上がり、演者さんが身を入れる。
監督が演技をつける。カメラが回る。照明があたる。音が鳴る。
全てが融合されて作り上げる世界は、各分野になったつもりでまた楽しむ。
私が監督だったら、私がカメラマンだったら、私が照明部だったらと現場は飽きることがない。
あれ?私が女優だったらと思ったことがない。不思議です。

バイビー

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