マガジンのカバー画像

ショートショート

113
400~600文字程度の奴です
運営しているクリエイター

2023年5月の記事一覧

ショートショート ファイアーキャッチボール

草むらで、
ファイアーキャッチボールをしていたら、
辺りが炎上して大変なことになった。

逃げよう。

いやー、やってしまった。
まさか、こんなことになるとは。
想像がつかなかった。
反省、反省。
てか、捕まらないよな。
捕まるのとか普通に嫌なんだけど。
やめてよマジ。
うわ、なんかそわそわしてきた。
心が落ち着かない。
あーもうホント嫌。
最悪。
こんなことなら、
ファイアーキャッチボールなんて

もっとみる

ショートショート 春の衝撃

あくび交じりに猿を息絶えるまで眺めた僕は、それを眺め終えると、
「お疲れ」
と言って、その場を後にした。

今日ほど、イカ焼きそばを食べたい日はねぇ。
今日のお昼は、イカ焼きそばで決まりだ。
あ~それにしても春爛漫だなぁ。
こう春爛漫だと、救急車を呼びたくなる。
あのサイレン音が最高なんだよな。
テンション上がる。
って言っても、なんかないと呼べねぇ。
残念。

まーしかし、それにしてもを続けるけ

もっとみる

ショートショート 未熟ズ

そりゃ君が余裕をぶっこいていたのに完敗を喫したのは、君の関係者として、
とても悲しいけど、泣けはしないよね。
やっぱり、カッコ悪いなというか、
なんというか、目を合わせられないよ。
こっちとしては、
早く帰ってゲームしたい気分。
いや、そりゃ当然悔しいけどさぁ、
今君に奮起を促す言葉だとかは出てこないよ。
むしろもう、辞めたら?
って感じ。

だって、そうとしか思えない結果でしょ? 
重たい現実だ

もっとみる

ショートショート 憂鬱話

すぐ泣く私だけど、
栗を拾う君を見たら、
すぐ泣き止む。
だから、君が栗を拾う動画は持っている。
というのがまぁ、
私が出せる私の情報ですね。
この情報以外は、
好きな色などの情報でさえ出せません。
なので、私は失礼します。

えっ、ちょっと待って!?
いや、どうぞ先行って、どんどん先へ行って、私を置いてきぼりにして。
って言った側から、心が苦しい。
私を置いていかないで……。
見捨てる気?
心が

もっとみる

ぐちゃまぜスパゲッティミートソースクライシス

それを知っていながら、
「それは知りませんでした!」
な言い訳をする醜い僕は、
今更その醜さを捨てるなんてことは
できないのである。

僕はよく嘘を発信するし、
悪意ある嘘を信用する。
弱い者は嫌いだし、強い者は好きだ。

じゃあ、
ダンゴムシが嫌いでカブトムシが好きなのか
っていうと、それは違う。
そういうことではない。
虫は全部嫌いだ。
だって気持ち悪いだろ。

誰が考えたんだ、あんな奴ら。

もっとみる

ショートショート 精神ドロップ

辛辣な意見を言うようで悪いけど、
あなたの案は鼻クソよ。あり得ない。
ノーノーノー! ノーを叩きつけるわ。
おまけに鼻クソも叩きつけ……ないわ。
それはない。
それは、あなたが可哀想。
それは、あなたの親に悪い。
だから、それはないわ。
と言うか、
そもそもそんな汚いことしないわ。
するわけがない。
私はそういうような人間ではありません。

にしても、
酷い案を持ってきてくれたわね。
こ、殺すわよ

もっとみる

アメ舐め女とガムくちゃ男

かれこれ、一週間は
青い空が広がっていない灰色の空の下、
無邪気な子供が無邪気にトカゲを川へと投げ捨てた。
どう見てもそれは元気な男の子で、
平和な日常の一コマだった。
あっ、トカゲはどうでもいいです。

どこもかしこも歌唄いだらけの街中では、
歌がぶつかり合っていて、
側を歩く名前も分からない愛しき人の声が聞こえない。
みんなの友達はみんなどこへ行ったのか、
どこかへ行っちゃったし、寂しい日々だ

もっとみる

ショートショート カラス

「出来るだけのことはやりました」
と、そんな真っ直ぐな目で見つめられても、
それを言われた僕は、
全てを疎かにしてきたから、
出来るだけのことをやったとは言えない人間だ。

だから反応に困る。
困りに困る。
とは言え、
何か反応はしなくちゃいけないから、
「あ、うん、オッケー」
と反応した。

近頃は、
素晴らしい人間と接することが多くて嫌になる。
前は、
カラスに石を投げるのが趣味の小野くんとか

もっとみる

ショートショート ポイ

人々の悲しみを背負って、
あの丘を越えた私は、
一旦、爆竹で遊ぶ。

さあ!
思うがままにその力を発揮しろ!
爆竹たち!
大暴れの時間だ!

そういう訳で、
爆竹たちがバクバクチクチクと
その力を遠慮なく発揮する。
最高だ!
最高に楽しい!
今日一番楽しい!

だけどもしかし、
人々の悲しみが重い。
あの娘の、
うさぎを買ってもらえなかった悲しみや、
あのおばさんの、
ケチャップが飛び散っちゃった

もっとみる