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【スイス留学】101km 自分探しの自転車旅

なーんか毎日頑張り続けるのに疲れたけど、何もしない1日はやだ。

そんな時にたまたま出会った、いっぽさんのヨーロッパ自転車旅の記事。

「あ。これおもろそう。」

天気予報を確認。

「よし、明後日は快晴だ。行こう。」

やること山積みやからって、なーんも予定入れずにおいてた今週末。
このためだったのかも。とかなんとか自分に言い聞かせて、即準備。

文字だけじゃ伝わらない空気があるからYoutubeに動画載せたよ。

ちなみに、私はYoutuberじゃなくて自称Noter
文字の補足材料として動画がある、と主張し続けている。(誰に)

1. 背景

前提として、私のスイスでの自転車経験はスーパーの買い出しで往復する12kmが最大くらい。

自転車は、留学来て1ヶ月目に格安でゲットした子供用マウンテンバイク🚵‍♀️
ランニング中に、たまたまフリマみたいなん見つけて、その場で買って乗って帰った😂

売り手の人と仲良なって日本円で1万くらいにしてもらった😎

購入してからここ半年は、家↔︎スーパーは全力で漕いでるし、帰りはリュック前と後ろに背負って、かなりの重さで全力で漕いできた。(トレーニング)

Berealに捉えられてた、いつものスタイル。

日本でも、チャリは移動手段としてしか使ってへんかってんけど、通学も部活もバイトも全部チャリやったから、サイクリング未経験のくせに謎の自信はあった😗

先ほど紹介させていただいた、いっぽさんの記事を参考に、アプリ入れて地図ダウンロードして大まかな計画を立てた。

2. 計画

やることは、いたってシンプル。

日の出から日の入りまで、行けるとこまで行ったろ作戦🌅

自分の限界を知ることがこの旅の目的。
丸一日使って、自分の限界が先に来るか(lose)、チャリの限界が先に来るか(draw)、日の入りが先に来るか(win)試してみる。

とは言っても、1時間以上漕いだことない私、変速ギア片方ぶっ壊れてるチャリ。
何かあっては困るので、何があっても生きて帰れるよう計画は綿密に。。

ルート

Euroveloってゆうサイクリングロードが、ヨーロッパ全土にあるらしい。
そこでスイスを通ってる15番 Rhein Routeをひたすら進むことに。

Cyclingeurope.orgより引用
(https://cyclingeurope.org/european-routes/eurovelo-15/)

スイスの上底をひたすら進む!🚴‍♀️

オフラインマップ

もう漕げん…ってなっても詰まんように、ルート付近のバス・電車の駅があることを確認。Googleマップでピン立てまくった。

走行中は、充電なくなったら終わりなので(フラグ)Komootというアプリのオフラインマップをダウンロード🗺️
(これもいっぽさんの先ほどの記事で紹介されています!本当にありがたい!!)

トイレ

丸1日サイクリングとなると、トイレも心配なところ。
ルートにちょこちょこ街があるから、そこで行っとくのと、Flushってトイレ探すアプリ(イタリア旅行で友達が教えてくれた)で確認。

これはサイクリングに限らずヨーロッパ旅行全般におすすめ🧻

食料

サイクリング経験は皆無だけど(もう認める)トレイルランとか、ハーフマラソンならしたことあったからハンガーノックの恐ろしさは痛いほどわかってる(軽度の経験済み)

ハンガーノック:長時間の激しい運動によって引き起こされる低血糖状態。
エネルギー切れで突如体の動きが停止する。(トレランの練習中、山でこれに近いのになって死ぬかと思った)

容量を抑えつつ、糖質からカロリーを摂れるように、おにぎり・焼き芋・日本からのお土産の羊羹・ソイジョイ・アミノバイタル(これも日本から大量に持参)・ナッツ・ドライフルーツ等を準備。

圧倒的米派🍚

ドライフルーツ・ナッツ抜き(メインのエネルギー源)で1030kcal
+ドライフルーツ・ナッツで2000kcalちょい🐿️

そもそも、自分が何時間チャリ耐えれるかわからんかったのと、自転車用水筒ホルダー持ってなくて、リュック重いの嫌やったからこんくらいで。

このサイトで計算した限り、2000kcal持っとけば大丈夫かなーと。
あと途中で補給食買い足せるルートではあったので。

水は500ml✖️2本
スイスの道端の水は飲めるから、これも道中で補充する前提。

3. 実行

8:00 スタート

朝からご飯1合炊いて、半分朝ご飯🍚半分お昼ご飯として🍙詰めてきた!

よし、せっかくだからYoutube撮ろう。

朝日が気持ち良い☀️

夏休み明け1週目で、ドイツ語すっかり抜けちゃったけど、1本目のYoutube動画で「ドイツ語記録だ」とか宣言しちゃったしドイツ語で喋ってみるか。
…いや、ちょっと厳しいな。

朝の気温は11度。ウインドブレーカーに裏起毛ジャージでも寒い。
公園で準備体操してさっさと出発ー💨

ライン川、目を疑う光景

スタート早々、川でめっちゃ泳いでる人を発見🏊

さすがスイス人、寒さに強いなーとか思ってたら、今日はトライアスロンだったみたい。自主的寒中水泳ではなかった。

有料道路の標識。
スイスは公用語が4つあるよ。

9:00 イヤホンの充電が切れる

Bluetoothイヤホン充電するの、すっかり忘れてた。
オフラインマップの音声ナビ繋げてたんやけど、仕方なくスピーカーでナビ流し始める。

ここは天国か?

この時までは、音楽も聴いてた。
モバ充満タンにしてきたからねー(フラグ2)

10:00 上り坂で栄養補給

予想に反して、音楽聴くのやめてからの方があっという間に時間が過ぎる。

出発前は、「日の入りまで1人で無音でただただ漕ぐのは気狂いそう」と思ってたけど、音楽ある時の方が脳死で漕いでたことに気がつく

「ながら」音楽は、気紛らわすための手段であって、気紛らわしてる時点でこの旅の本来の目的から外れてるやん、ってことにも気がづく。

自然を五感で楽しみながら、徒然なるままに思考を走らせてたら、いつの間にか考えてもどうしようもない悩みたちは風と共に吹き飛んだ。

ここで第一の関門(?)短いけど超絶急な上り坂。
そんな時は潔く諦めて、歩く。省エネ🌱

愛おしき食料たち

昨日焼いた芋、ラップに包んで持ってきたのに、蜜で全てがベタベタになってた。
ソイジョイ🍏と焼き芋🍠食べた。

11:00 小さな街のパン屋さん

ここでまた、小さな街に入る。
すでに1リットルほぼ飲み切ったから1リットルチャージ🚰

さっき食べたばっかだけど、無料のトイレが見当たらなかったから「1ユーロ払ってトイレ行くくらいなら1.5ユーロのパン食べてトイレ借りよう」ってことでパン屋さんに。

🥨プレッツェル🥨

カーボと塩分、同時に取れて良いね。

14:00 無人田舎で歌いまくる

さっきの街を通り過ぎたら、ほとんど人がいないエリアに突入。
車道と離れて自転車道が整備されてたから、本当に無音。

空が広い

だーれもいないし、大声でアカペラ大会。
超気持ちいい。

好きな日本食はソイジョイ
こんなに輝く梅おにぎり初めて見た

ちょこちょこベンチ見つけるたびに、一旦自転車から降りて食べてた。
これは自分と太陽の耐久レースやから、ペース配分大切。

16:00 一旦絶望

音声ナビ+動画撮影で普通に使いまくってたスマホ、気づいたら充電20%なってた。

よーし充電しよかー

ん?

コードが無い。。。。。。

モバ充の本体だけ持ってきて、コード入れんの忘れてた!!!

運悪く、マジで何も無い畑のど真ん中でそれに気づく。
航空機モードで充電消費せんようにして全力で漕いだとしても、近い駅まで10キロはあった。いや、ここでリタイアはしたくないー!!

てことで、頭フル回転でちょっと道外れるけど近くのドイツのデカ目のスーパーに駆け込む。
(こんな危機的状況でも、無駄遣いを極力避けるため物価の安いドイツへ)

ケーブル、650円くらいやった。思ったより安くてラッキー。

ついでにエナジーバーとジェルとスポドリも買い足す。
トイレも無料で使えてさらにラッキー🍀

ここでまたプチ問題(?)発生。
そのスーパーからスイスに戻る国境越えが、今までとちょっとちゃうくて自転車路が無く、車道の関門みたいなとこ通らなあかんっぽい。

ようわからんかったから、近くにいたサイクリングご夫婦に尋ねたところ、同じ方向へ向かうとのこと。私はよくわからんまんま付いてって🫡

最初の広い道はチャリ押しながらゆるーく喋ってたけど、サイクリングロードに乗るやいなや、会話の途中やったのに「Tschüs!」って光の如く消えてった。

あれ、夢だったのか…?

18:00 自然に還る

ひょんなことからドイツに行って、人と喋って、栄養補給して、スマホの充電と共に私の心も身体も再びチャージ。頭がすごく冴えてる。

無限に続くヒマワリ地獄絵図

ヒマワリが、みんな下向いて鬱みたいだった。

私たちの目に映るヒマワリは、いつも上向いてキラキラ元気に輝いてる。
だけど、生きている以上もちろん枯れるし、死ぬ。

インスタ、夏のヒマワリ畑、映えるよねー。
だけど夏しか行かないよねー。

人生初めて、視界全部が死にかけヒマワリ。
いつも上向いてキラキラ元気な(部分だけ見えてる)人だって、枯れるときは来るし、もちろん死ぬんだなーとか思った。なんか、“生命”って儚い。

あんまりキラキラ注目されない、山奥の静かな木、とかの方が、メンタル安定してひっそり長生きしてるんだろだなー。とか思ったり。

牛たちを見て、久しぶりの友だちに会ったみたいに安心した

また、アルペンエコロジー🏔️の授業で、教授が「バイオマス(地球上の生物量)の約80%は植物。その次が細菌類。人間の総数は、0.01%にすぎないのに、人類の誕生から今までで地球の総生物量は半減した」って言ってたの思い出した。

人間は、自分自身で「我々は地球界のトップに君臨した!」とか長年勘違いしてるけど、遠くの他の星の住人から見たら「植物がこの星を支配したとこにちょこっと乗っかってる有機物たち」くらいなんだろうなーとか考えたり。

普段人間界で生きてると、当たり前のように「我々の地球」かのような錯覚に陥るけど、長い歴史で見ても、遠くから地球を眺めても、かなり自己中心的で傲慢な考えだよね。

19:00 滝でこの旅を締めくくる

先に言うとくけど、滝行はしてない。さすがに寒過ぎる。

計画のとこでも書いたように、この度の目標は、日の入りまでに行ける最遠の駅まで漕いで帰ってくること。

途中でリタイアしたら、私の負け。太陽の勝ち。

滝ー!!

おめでとうございます私🎉

太陽に勝ったぞー!!

18時前にここまで1時間で到達するぞって決めてから、ちょっとギア上げてがんばった。
たぶん、はたから見たら全然速くなかったと思うけど。
一人で最後まで頑張り切れた気持ちが素晴らしい💮

疲れすぎてとにかく早く椅子に座りたかったので、テキトーに写真と動画撮ってそそくさと電車の駅へ向かう。

初めての自転車持ち込み

スイスの電車は基本チャリ置き場がある。
1日チャリ乗せ放題チケット15CHF(2500円くらい)

あと私は、夜19時以降スイス国内どの交通機関も乗り放題の年間パス(Night GAっての。結構安いから調べてみて)持ってる。
だから移動自体は、どこから乗ろうが無料だった。

ほんまいくらでも食べれる

帰りにお腹空きすぎて駅のスーパーで野菜サンドを買った。
たまには贅沢してもいいよね。

4. 総評

結局、総走行距離101キロだった。

奇跡的に100越えてた。嬉しい。

途中でパン屋さんでゆっくりしたり、ベンチで休憩したり、歩いたりしたのも合わせてだから、かなり時間はかかってるけど、途中で諦めず最後まで漕ぎ切れたことが本当に嬉しい。

最初の1、2時間は、「え?まだこんだけしか進んでへんの?」って地図15分ごとに見て毎回ガーン😱だった。

だけど途中から、「もはや地図見ても速くなるわけでも良い道見つかるわけでもないんやから、気にするのやーめよ😗」って思った。

頑張りから期待される結果と現実の乖離を考えずに淡々と漕ぎ始めてから、心に楽しむ余裕ができた。

そしていつの間にか頑張ってもなかった。だけど進んでた。

前回の記事で「別に頑張らなくてもいい」って自分で書いときながら、何かモヤモヤしてたのは、「頑張らない=進まない」って等式が無意識に頭にあったからだと思う。

だけど「頑張らなくてもいい」の本意は、「やるか・やらないか」の「やらない」を選ぶ、サボるって意味じゃなくて、悩んでも解決しないとこにエネルギー費やして何かと比べてしんどくなるより、やること決めたらそっからは淡々とこなして気楽に生きようぜってこと。

このひょんなきっかけから挑戦した自転車旅(というか耐久レース)人間のちっちゃさを再認識すると共に、もっと単純に楽しく生きようって心が軽くなった。

私が思ってるよりも私は息抜きを必要としてた。

現代に生きるほとんどの人がそうだと思うな。

明日か明後日、いや、次の晴れの日。
どっかちょっとでも自然に参加してみるの、おすすめする。

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