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Sourceの3つの病理とは?〜読書記録3『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles』を読む〜


はじめに

世界で初めて出版されたソースプリンシプルの書籍が、2020年9月に出版された『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles』(ステファン・メルケルバッハ著)です。

私は、『実務でつかむ! ティール組織 "成果も人も大切にする"次世代型組織へのアプローチ』著者、『[新訳]HOLACRACY(ホラクラシー)――人と組織の創造性がめぐりだすチームデザイン』監修者の吉原史郎さんが発起人のJUNKANだいこんというイニシアチブの中で、数名のJUNKANだいこんメンバーと共に、読み始めることにしました。

JUNKANだいこん(社団法人考案中)とは
発起人・ソース:吉原史郎

日々の暮らしでの 「じゅんかん(循環/いのちの流れ)」を土壌として、 「オーガナイジング(Organizing)・経営」、「マネー&テクノロジー」について実践探究をしている団体です。主な探究テーマとしては、ピーター・カーニックの「ソースプリンシプル(ソース原理)とマネーワーク」、また、JUNKANと親和性のある哲学(西田幾多郎、ヘラクレイトス等)があります。

『NEWS】
トムの本の和訳をされた青野英明さんがステファンの本を翻訳中とのこと!(史郎さんも翻訳原稿の最終確認をされるそうです)とても楽しみです♪

これまでの内容は文末にリンクを貼りますね。

また、今回の内容ですが、書籍の中にこんな一文が出てきます。

「ソースパーソンがプロジェクトの最も強力な推進力となるように、プロジェクトの主な障害となるのも、ソースパーソンなのです。」

このソースパーソンがプロジェクトの障害となるケースのことを文中では病理として紹介されているのですが、今回はこの病理について書いていきます。

どんな本なのか?

内容に入る前に、Amazonの書籍販売ページにある紹介文をGoogle翻訳にかけたものを紹介しますね。こちらを読むとソースとは?について少し知ってもらえるかと思います。(DeepL翻訳もいいですが、場合によってはGoogle翻訳の方が精度が高いと感じるのは私だけでしょうか)

初めて書籍の形で発表されたソースプリンシプルは、あらゆるプロジェクトの開発にエネルギー、明確さ、創造性を吹き込みます。

ソースパーソンとは、アイデアを思いつき、それを実現するために率先してリスクを冒す人です。 ソースパーソンの主な仕事は、プロジェクト開発の次のステップがどうあるべきかを明確にすることです。 サポートが必要なときは、他の人に参加を呼びかけます。 その人たちは、プロジェクトの特定の部分のソースになります。 これが私たちのすべての集団が生まれる方法です。

人生において、人々はいくつかのソースの役割を引き受けます。マネージャーはチームのソースになるように招待され、従業員は自分のタスクのソースになるように招待され、ミュージシャンはパフォーマンスのソースになるように招待され、スポーツ選手は彼女のソースになるように招待されます。 良好な状態。 プロジェクトがあるところには必ずソースがあります。 ソースプリンシプルは、私たちが独自の取り組みに取り組む方法に光を当てます。 それらが提供する明快さは、私たちの献身と、周囲の人たちに独自のソースの旅程に乗り出すよう奨励する能力を高めます。 ソースプリンシプルは、よりインスピレーションに満ちた管理スタイルを実践するよう私たちを誘い、私たちの創造的な関与を刺激し、私たちの職業的および個人的な提携に新しい意味を与えます。

amazonの書籍紹介文をgoogle翻訳にかけたもの

病理その1「ソース否定派」

文中ではこのように書かれています。

ソースとしての自分の役割を無視する。性質と程度を認識しない。

これは、ビジネス、組織、といったあらゆる種類のイニシアチブを荒廃させる。

そして、こうなった理由についてもいくつか書いています。

最初のイニシアチブは熱意を持っていたかもしれませんが、理解できる理由によってその情熱の一部を失っている

自分がイニシチアチブの継続的な責任を負うことを想像できない。

自分がそれをリードする能力がないと思っていたり、最初のアイデアが自分が本当に忙しくなるような展開になるとは思っていなかったりする。

この病理を乗り越えるには、「何がその人をブロックしているのか」根本的な作業をしなければならない、そうです。

そして、その中では投影を取り戻す(リクレーミングワーク)必要があることもあります。

病理その2「暴君」

文中ではこの病理の特徴として以下のように書かれています。

・ソースパーソンの役割を過剰にこなすこと。

・エゴをソースと間違える(誤った思い込み)。それにより、ソース役としての特権が責任ではなく、エゴを煽るものとなってしまっている。

・自分がイニシアチブとその影響の保管者ではなく、所有者であると信じている。
(補足:著者のステファンは、「ソースとはアイデアの所有者ではなく、保管者だ」と表現しています。)

・自分のプロジェクトに奉仕(ソースパーソンに求められている
姿勢)するのではなく、自分のプロジェクトを個人的な欲望に奉仕させ、自分の課題のために共同利用する。

・ソースである微妙なインスピレーションよりもエゴの騒々しい提案を好むようになる。

また、この病理は「さらに、ソースとなった人が自分のイニシアチブの法的所有者であったり、主要な資金源だったりするとさらに大きなダメージを与える」とのこと。

他にも、

ピーターカーニックは、ソースパーソンとは文字通り独裁者になるべきで、次のステップが明らかになるとすぐにそれを指示するものである、とまで言っていますが、それは他人に威張ったり、暴君のように相手を傷つけたり壊したりすることで行うのではありません。

といった内容も紹介されています。

これらのことから、「暴君」の症状が出ている状態のイメージが少しは掴めるのではないでしょうか。

また、この暴君の横暴な態度には自分のソースとその自然な権威(トムニクソンの書籍でいうクリエイティブヒエラルキー)に対する信頼の欠如が隠されている、そうです。

こちらの病理から抜け出すには病理その1と同様、内的なテーマへの真剣な取り組みが必要になるとのこと。

病理その3「怠けもの」

文中ではこのように書かれています。

自分自身をソースであると認識しているが、それに基づいて行動を起こさない。

ソースとしての主要なタスク(直感に耳を傾け、主導権とリスクをとり、次のステップを明確にし、イニシアチブの価値観とビジョンの安全性を守こと)を無視する。

怠け者であることによってこんなことが起こると書かれています。

ソースパーソンとしてのイニシアチブやプロジェクトがその可能性を最大限に発揮することができなくなります。

熱心な貢献者、つまり最初に原動力を提供していた人たちが、より魅力的な挑戦を求めて脱落し始めます。

プロジェクトを残したままにしておくと、時間は長くも短くもなりますが、ソースパーソンが時間内にこの麻痺するほどの無気力から逃れられない限り、最終的には確実にイニシアチブの消滅に終わります。

どうすればいいのか?

どのソースパーソンでも、その「ソースキャリア」のどの時点でも、怠けもの病の犠牲になる可能性があります。誰でもエンジンが空回りしたり、モチベーションが低下したりする時期に遭遇する可能性がありますが、タイムリーに対応すれば、その弱さは確実に長続きしません。

対策として書かれているのは暴君の箇所と同じく、内的なテーマに取り組むこととされています。

また、それよりもライトに取り組めることとして以下が紹介されていました。

・ソースパーソンとして行動することを決意する

・定期的に一人でもグループでもソースとして考えることに十分に時間を費やす

さいごに

原書ではもっと詳しく書かれているので内容が気になる方はぜひ和訳本の発売をお待ちください(まだ出版日は決定していないようです)


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