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#世界史が好き
拝啓 ストックホルムより
日本在住の知人からちらほらと、こちらの日常を案ずる連絡を戴き始めた。朝方の四時に携帯メッセージで起こされたこともある。時刻はともかく心配して下さる思慮は有難い。
「食料に関しては現在のところそれほど心配することはない」、とある政治家が発表されていた。
「買置きは推奨しますが、買占めは止めましょう」、などの呼びかけがあちらこちらのメディアで見掛けられるようになった。買置きと買占めの違い
巨万の富を得たご令嬢 壺に嵌まる
思いがけなく勤務先から休暇を戴いたので、あるご夫婦のお屋敷を訪ねてみることにした。
彼らのお屋敷はストックホルムの中心に位置している。彼らがその屋敷を購入した当時は日本円にして3千万円程度(当時としては巨額)であったらしいが、現在この物件(建物)を購入をすることが可能であるとすれば、おそらく30億円は下らないのであろうか。人気物件は、大抵の場合は、競売になるのであろうから価格はさらに吊り上げ
ある館のミステリー マリアの貢献
ストックホルムの南の島、ある一角を歩いていると多少違和感を覚えさせる館が視界に入る。館の背後からは泥酔した人々の雄叫びが響いて来る。
美しい装飾が施された1670年築のこの建物だけは、ホームレス人救済センター等の在るこの一角から端麗に取り残されている。
冷たい空気の中、この館を撮影していると、通りすがりの人達から訝りの視線を受ける。通行人の多くは、この館でかつて起きた事故のことをおそらく