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檸檬読書日記 足を負傷したが、本屋は行きます。 5月8日-5月14日

5月8日(月)

突然祖父のことで電話があり、歳が歳なだけにドキッとした。
ただよくよく聞いてみたら、自転車の際につけるヘルメットの話だった。

どうやらどこかで自転車の時はヘルメットが必要と知ったらしく、ヘルメットを捜したらしい。
けれども見つからなくて(そもそもないから)、それならと昔乗っていたバイクのヘルメットをどこからか引っ張り出して「これで大丈夫だな」と言っているのだとか。
いやいや、全然大丈夫ではない。バイク用でその上昔のものだから凄く重いし、視界もより悪くなって危ない。
だから必死に止めたのだとか。正解ですね。そして大したことなくてなによりです。
正直本当は、自転車も危ないから乗ってほしくはないのだけれど…。止めても聞かないからなぁ…。

それにしても、自転車にバイクのヘルメットって…。厳ついバイクのヘルメットを被って自転車に乗る祖父を想像したら、なんだか可笑しくて笑ってしまった。


安野光雅『絵のある自伝』を読む。

(略)わたしたちは、この旗のもとに戦ったのだ。そのおなじ旗がオリンピックの旗になってもふしぎではないが、兵士を駅頭に送り、敵の城頭にうちたて、占領した町には、地図の上に次々と日の丸を記したことをおもい出さずにはいられない。日の丸が憎いのではない、戦前の日の丸を見て、わたしたち自身の過去をおもい出す。過剰反応だと若い人はわらうかも知れないが「戦争を知らない子供たち」にまた、鉄の雨が降るようなことのないことを願って、あわれな杞憂にとらわれるのである。

忘れてはいけないよなあ。
上は『はだしのゲン』などを排除して、消したいみたいだけれど、やはり覚えていなくてはいけないよなあ。


noteで、自分が信じているものを広げるために自分自身で実行し、万人に伝えるために専門用語を使わずに解説することを心がけている、という方がいた。

突飛すると、どうしても誇示したり専門用語を使いがちになる。
けれど自分ではなく人のために、自分のもつ知識を広めようとしている。その姿に、凄く感銘を受けた。自分も頑張らなくてはなと思った。(自分は専門用語を使えるほど、頭はよろしくないのだけど…)

やはり、分かる人にだけ分かればいいでは駄目なんだろうなあ。
老若男女、自分は頭がよい人が凄く好きで、すぐ近づくのだけれど、大概言っていることがよく分からない。
まあ、1番は不勉強で理解できない自分が悪いのだけれど、もう少し歩み寄ってくれないかなあと思ってしまう。

けれどもこれって、頭の良い人に限らず、何かに特化した人や、若い人にも当てはまる気がする。
頭の良い人は専門用語を多様し、若い人は自分たちで作った言葉を多様する。(勿論全員ではないけど)
それってつまりは、自分たちと同じフィールドの者にしか用はない、入ってはいけない、入りたいなら同じとこころまで来てから、と言われているようで、なんだか少し悲しくなる。

勿論、自分の方もある程度は歩み寄らなくてはいけないのだけれど、お互いに少しずつ近づいて分かり合えたらいいのになあ。
そんな世界であれたなら、きっと豊かで居心地のよい、争いのないものになるのかもしれないなあ。なんて、思ったり。



5月9日(火)


おやつー。
カヌレonクリームチーズ。


最近、クリームチーズはこれが好き。癖が少なく、食べやすい。(ただ塩分はしっかりめ)乳化剤も入っていないのも最高。


大山誠一郎『記憶の中の誘拐 赤い博物館』を読む。

前作『赤い博物館』の続編。
警視庁付属の犯罪資料館に配属になった寺田が、犯罪資料館の館長の緋色の指示の元、未解決事件として処理された事件を再検討して解決していく話。ミステリー。

前作を読んだのが随分昔で、ただ面白かったなという記憶しかなかったが、読んでいるうちにああそうだったと思い出した。
やはり良い。
前作は探偵役である緋色は、館内にこもって外に出なかったようだが、今回は外に出て助手役である寺田と共に解決していくから、なんだかパワーアップした感じ。

未解決となり、何十年も前に起きた事件ながらも、資料や少しの質問で解決へと導いていく。その華麗たるや…痺れる。
どれも予想外の方向で解決するから、わくわくさせられた。
ただ少し、胸に残るものはあるけれど…。
海外ドラマ『コールドケース』を観ていた時も思っていたけれど、未解決事件の解決はなんでこう切ないのだろうか。うーん、何が違うのだろう。

大山誠一郎さんといえば『アリバイ崩し承ります』の方が有名で、同じように面白いけれど、個人的には『赤い博物館』の方が好みかもしれない。
是非とも3巻出してくれないかなあ。


フェリシタ・サラ『ライラックどおりのおひるごはん:みんなでたべたい せかいのレシピ』を読む。絵本。

「ライラックどおり 10ばんちの たてものから、きょうも いい においが ただよってくる。だれが なにを つくっているのかな?」

から始まり、建物内に住む様々な国籍の住人のつくる料理を覗くというもの。絵本ながら、きちんとレシピも載っているのが面白い。なかなかないような絵本だなと思った。

ただ特殊なだけに、読み聞かせというよりも、料理好きな子や、料理に興味がある子が見るような感じ。
ちなみに日本料理も載っている。日本人からすると、何か材料が足りないような…という感じもするが、それもまた面白い。

個人的にイチオシは絵。ポストカードのようで可愛い。
後、最後も良い。バラバラの国籍の人達が集まって仲良く食べる場面が、なんとも素敵。



5月10日(水)

糸井重里『金の言いまつがい』を読む。

昨日、友達の子供(4歳の男の子)と遊んでいたら、急にくるぶしを指差して「ここ、なんていうか知ってる?」と言うので「何?」と聞くと、ニコニコしながら
まるむし!
かわいいっ。

可愛いっ。
心臓撃ち抜かれました。癒された。



5月11日(木)

中澤晶子『ワタシゴト』を読む。

修学旅行生で広島の広島平和記念資料館に行くことになった中学生たちが、それぞれに思い、感じ、考えることを描いた作品。児童書。

「弁当箱」「ワンピース」「くつ」「いし」「ごめんなさい」という5つの物や言葉から、中学生たちが広島で起きた原爆について考えていく。
1つ1つ、視点が違っていて、広島についてあまり興味を持っていない子だったり、興味を持っている子だったり、どう捉えていいか分かっていない子だったりと、それぞれで、それがまた色んな視点から見えて興味深い。
実際は、興味なかったり、実感がなくてよくわからなかったりする人がおそらく多数で、だからこそこの本はいいなと思った。共感もできて読みやすい。より、考えさせられた。

物語の中では、「弁当箱」や「ワンピース」や「くつ」や「いし」、当時使われ発見された物を中心に展開されていて、1つ1つの物から深く考えるのは、とてもいいことだなと感じた。
ふわっと広島に原爆が落ちた、だけだと、遠すぎて実感が湧きにくい。だけど「弁当箱」だとか、身近なものと比較することで、近くに感じられる気がする。

この本は、広島原爆について知るための第1歩としてとても良い本だと思うし、児童書ながら大人にも手に取ってもらいたい本でもあった。

実際に広島平和記念資料館へ修学旅行へ行く学校があるらしく、素晴らしいことだと思うし、続いてほしいなと思った。
おそらく中学生くらいだと、興味がない子がほとんどで、何でだよと不満になるかもしれないけれど、(おそらく自分でも、えーと思ってただろうな…)片隅にでも記憶に残しておくことは、大事なことな気がする。
大きくなった時、ふとした時にきっと思い出すときがくるだろうから。



5月12日(金)

夜、しょうもない理由で足を負傷した。
テレビを見ていて、CMのうちにトイレとか色々済ませなくては!と焦って走った結果、角につま先を強打。驚くほど痛い。呆れるほどしょうもない。

あまりに痛くて、歩けない。足を地面につくだけで激痛。なので家の中でずっとけんけんで過ごす羽目に…。凄く体力を消費する。
だけどおそらく骨折はしていないだろうという自己判断の元、病院はいいやと自然回復を待つことにした。

骨折したら、あまり痛くないらしい。痛い場合は、打撲かヒビ。
自分は貧弱だけれど骨だけは丈夫で、人よりぶつけるし転ぶし捻りまくっているが、折れたことがないのが唯一の自慢だったりする。(しょうもない自慢)
ただ、これまたしょうもない理由で、手の小指にヒビが入ったことはあるのだが…。
その時は治療してもらったが、よろよろのおじいちゃん先生に電気流されるだけで、後は固定して治るのを待つだけだったから、今回行っても同じだろうなと思い、自分でなんとかすることに。

温めると駄目らしいから、湯船にはつからずシャワーで流すだけにして、足をぐるぐる固定し、冷す。下におろすよりも上げておく方がいいらしく、ソファの背もたれに足をのせる。傍から見ると、なんとも生意気な格好。
だがこれでおそらく完璧。

明日には治っておきたい理由があるから、どうしても治したい。
どうしても明日本屋に行きたいのだ。予約していた本が届いたと電話があったから…!
(そもそも予約の本だから、無理して明日行かなくてもいいのだけど…)
さあ、自分は明日、行けるの、か!?



5月13日(土)

朝、未だに激痛。
ただ地面に足がつけれるようになったから、けんけんでなくて、片足引きずって歩けるようになった。うーん、行けるような行けないような。

昼、少し痛みが和らいできた。足を見たら、変な色をしていた。やはり打撲だな。
なんだか行ける気がしてきた。(よく分からない自信)
そこまで近くはないけれど、駄目そうなら引き返そうと思い、外へ。

足を引きずって、いつもより倍以上時間がかかってしまったけれど、なんとか到着!無事に手に入れることができた。にまにま。
足を引きずって、片足に全体重がかかったからか、支えてる足が異様に重い。明日は筋肉痛だなと遠い目をしつつ、帰宅。


足を引き摺るあほうな事をしてまで手に入れた本たち。むふふ。

『北城民雄全集』は、最初彼の「いのちの初夜」が気になって、角川で出ている文庫を買おうとしていた。
けれど調べたら全集、しかも文庫で出ていた、その上2冊という丁度いい長さ。どちらにしようかなと悩んでいたところ、なんとなんと全集には川端康成と交わした手紙が収録されているとあった。
これはもう全集一択だな!と思い購入。文庫にしては少しお高めだが、手紙だけでなく、あらゆるところに川端康成が登場しているようだから、損はなさそう。
日記もあったりと、バラエティ豊かで読むのが楽しみだ。(といって、まだまだ読めてない本があるから、読めるのは先だろうけど)

それにしても最近川端さんずいているな。まだ1冊しか読んでいないのに。
なんだかもう全作品読みましたかのような勢いだな…。


安野光雅『絵のある自伝』を読む。

あのとき飛行機が下りるときの視点で、一度にたくさんのものを見た。西洋と日本では、ことばや文化や食べ物など、何もかもちがうことばかりで珍しいとおもったが、ドイツの教会で結婚式を見て、泣いている人はお母さんに違いないと悟ったことがある。わたしたちは西洋と東洋のちがいにばかり目が行くが、よく考えてみると、違うところよりも同じことのほうが多い。(略)
みんな同じ地球の上に住んでいる。そして国それぞれ人それぞれに、ちがった毎日をおくっているのだと感じた。

根本的には、西洋も東洋も、きっと違いなんてないんだろうなあ。
人を想う気持ちも、家族を大事にする気持ちも、笑えば楽しくて、亡くなったり誰かが傷つけば悲しいと思う気持ちも。違いなどなくて、きっと同じなんだと思う。
けれど少しの差異を気にして、全く違うものだと思ってしまう。敵だと思ってしまう。同じ地球に住む、同じ人なのに。
せっかく同じ地球に生まれたのだから、仲良くできないものかなあと思わずにはいられない。
困難や大変なことがあるのは、生きている以上仕方の無いことだけれど、わざわざ傷つけなくてもいいんじゃないかなあ。

TIMEの表紙、言い得て妙だなあ。
バレちゃってますね。


5月14日(日)

今日は母の日である。
プレゼントはまだ無い。(夏目漱石『吾輩は猫である』風に)
完全に忘れていた。というか来週だと勘違いしていた。母親に「今日は何の日?」と言われて気づいた。まずい。
でも「何がほしいの?」と聞いたら「考えておくね」と上機嫌で言っていたから、おそらく大丈夫そう。一安心。
5、6千円くらいのお菓子か食べ物と考えていたけれど、こうなったらマリメッコでも何でも買います。

忘れてしまっていたけれど、感謝しています。してもし切れない。お陰様でどうにかこうにか生きていけています。
いつもありがとうございます。


何かの記事で、日本人は癌になりやすく、その原因となっている食べ物が5つ紹介されていた。

1、おにぎり(コンビニの)
2、菓子パン
3、ウインナー、ハム
4、カット野菜
5、梅干し

驚いた。上3つは分かるとして、野菜もまあ、カットしても新鮮さを保つために何かやっているからだろうなとは分かる。けど、梅干し?驚きだ。
体にいいとされている梅干しが…。

けれど本来梅干しは、塩とシソと梅だけで作られていた。だが今は裏を見ると、何やら入ってるは入ってるは…。なるほどなと納得。
日持ちさせるためには塩が必要で、けれど食べやすさと塩分を控えた結果なのかな。

本当に、何が健康によいのかわからない。
よいとされる、ペットボトルのお茶も然りだし…。
結局のところ、昔からの製法でつくられた、自然のものであるからこそ、本来の効果が発揮されるのかもしれないなあ。

そういえば、母方の実家に、祖母が昔昔、おそらく何十年も前に作った梅干しを発見したと、この前言ってたな…。けれど昔ながらの塩たっぷりで作られているから、今もきちんと食べられるのだとか。凄い。(すこぶるしょっぱいらしいけど)
やはり昔ながらかあ。
今年は塩分たっぷりで梅干し作ってみようかなあ。


ああ、文字数が凄い。
毎回毎回、短くするどころか長さを更新している気がする。そろそろ鬼のような天使も、呆れて何も言わなくなってきた。まずい。
さてさて、次週はどうなるのだろうか。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
ではでは。

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