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檸檬読書日記 吾輩は猫を決め、本に打ちのめされ、文豪たちの友情が終わる。 8月5日-5月11日

8月5日(月)

2週間ぶりくらいに買い物に行った。
食料品を2週間も買わなかったのなんて初めてかもしれぬ。でも意外と大丈夫なもんだなあ。
まあ食べるものはいっぱいあるから。それでもびっくり。

久しぶりにスーパーに行って驚いた、米がない。
米の棚がガラガラで、こんなにもないのかと衝撃を受けた。なさすぎるのか、100%米ではない雑穀とかの混ざり物を売っていたりして、危ない状況なんだなあというのがヒシヒシ。
備蓄は本当に大事でござる。改めて思ったよ。






8月6日(火)


「焼き菓子工房 kijima」の有機抹茶クッキー。ホワイトチョコとマカダミアナッツが入っている。それがザクザクっとして面白い。
お供は紅茶。
凄いボリューム。野球のボールをペチャっと潰したくらいの大きさ。
流石に食べきれなかったから、半分は後日。



『MONKEY』vol.31を読む。
「読書」特集。

トム・ゴールド『図書館員たちの逆襲』という漫画が特に良かった。


グレーゴル・ザムザはある朝目覚めると巨大な虫に変身していたが、ロックダウンのため生活はほぼそのまま進んでいった。


この本は静かな傑作で日常生活の穏やかなリズムを微妙かつ精緻に捉えているか、まるっきり退屈か、とっちかだわ。


図書館が閉鎖され、こうなるのは時間の問題だった……

酒密売人ならぬ本密売人の犯罪組織が、禁制の図書館本を酒樽に隠して持ち出す。
地下図書館、もしくはもぐり酒場ならぬもぐり読場から本がこっそり配付される

9780008196530

読者は何のしるしもないドアの小さな穴に向かってISBNをささやき、茶色い紙袋に入った違法の本を受け取る。

ボスからの伝言だ--
『鏡と光』を明日までに読み終えなけりゃ命はないぞ!

返却期限が過ぎた際の対応は迅速で無慈悲である。


本好きならばクスリと出来る内容で、どれも面白かった。

他の作品はうっすら「読書」感はあったけれど、読書テーマとしてでなく普通の短編と読む方がほぉという感じになるような。正直頭の弱い自分にはちょっこし難しかった。



厳正な審査の結果、夏目漱石『吾輩は猫である』は、集英社文庫版を買うことにした。

最近ずっと『吾輩は猫である』のことばかり考えていた。でも色んな出版社から出ていて、何処ぞの吾輩を買うか悩んでいた。
だからドキドキしながらBlueskyで呟いたら、自分も気になっていた集英社文庫版がどうやら良さそうで。表紙を夏目漱石ゆかりの画家・津田青楓という方が手がけているのだとか。フォント、行間も良いというのも、ポイントが高い。
集英社文庫版の夏目漱石シリーズ、どの装丁も素敵だから、揃えたら凄く良さそう。

後、同時にポプラの方の『吾輩は猫である』も買うことにした。子ども向けで読みやすいということで。
なので2匹お迎えする予定。猫はきっと2匹いても良い。






8月7日(水)

少し気力が戻ってきたかも。ようやく。

なので『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』を観る。

ようやくですよ、最新作。
今まで映画館で観ていたけれど、これだけあの騒動で観に行けなかった…。だからテレビ放送を待って録画しておいたけれど、せっかくだからと1から観ていたら大分時間が経ってしまった。

いやぁ、今回も良かった。ドキドキあり笑いあり暗躍ありで、見応え抜群。特に終わり方がいいものだったから一安心。
悪役の人、役者があの有名な…パイレーツ・オブ・カリビアンの人…(名前が出てこない)ではなくなったらしいけど、あまり違和感がなかった。最初聞いた時、変わったのかぁ…とショックだったけれど、良かった良かった。

魔法ってやはりワクワクする。バトル感もたまらない。
なのに同じ世界の『ハリー・ポッター』は映画も小説も1、2くらいしか観たことないけど…。個人的には『ファンタスティック・ビースト』の方が好きかも。

まだまだ続きそうで、早く先が観たいなあ。どうなっていくのだろう。ワクワク。






8月8日(木)

米原万里『打ちのめされるようなすごい本』を読み終わる。

確かに打ちのめされた。色んな意味で。

自分があまり手を出さない部類の本が殆どだったけれど、だからこそ興味深かった。
著者の紹介や抜粋具合が上手く、読んでいないのに読んだような感覚になった。入ってくる情報量が程よい。
適度なチクチク具合もたまらなく、読んでいてスカッとする。
本エッセイの中でも、かなり上質な一冊。
この方の本、やはり集めたい。

そういえばこの本の解説、井上ひさしさんだった。確かにこの2人、気が合いそう。



この頃軽めのものばかりを読んでいた反動か、小難しいものが読みたくなってきた。
ずっと読めていなかったから…。でも今ならいける、気が。



三島由紀夫『文章読本』を読み始める。


(略)昔の人は小説を味わうと言えば、まず文章を味わったのであります。今日、小説の読者は、ちょうど自動車で郊外を散歩するようなもので、目的地が大切なのであって、まわりの景色や道端の草花やちょっとした小川の橋の上で釣をしている子どもの姿も、そういうものは目にとめずに、目をとめたにしても一瞬のうちに見過ごしてしまいます。しかし昔の人は本のなかをじっくり自分の足で歩いていたのです。(略)
あるけば歩くなりにいろいろなものが目を惹きます。歩くこと自体は退屈ですから、目に映るもの一つ一つを楽しみ味わうことが、歩くことの喜びを豊富にします。私はこの「文章読本」でまず声を大にして、皆さんに、文学作品のなかをゆっくり歩いてほしいと申します。もちろん駆ければ十冊の本が読めるところが、歩けば一冊の本しか読めないかもしれません。しかし歩くことによって、十冊の本では得られないものが、一冊の本から得られるのであります。


ふむ。
焦らずゆっくり読んでいこう。






8月9日(金)

『僕のヒーローアカデミア』完結したのかあ。まだまだ続きそうな感じあったけれど、終わりはあるよなあ…。

ヒロアカは読みたいなあと思いつつ、毎回漫画もアニメも1、2話見て続かない…。絵は好きなんだけどなあ。内容も結構好みな系統なんだけれど…。
やはり推しかなあ。
せっかく終わって読めるから、もう一度挑戦してみようかな。

調べたら、おそらく全42巻らしい。わぉ。
あつ、める?
新刊で買うと約2万とちょっと。おぉ…。
落ち着いたら、10巻くらいまで古書で買って、ハマったら後は新刊で買おうかな。んー、でも…迷う。
余裕があったら迷わず新刊で大人買いなんだけど…。欲しい本多いからなあ。
お金持ちになりたい。
降ってこないかなあ、本が。



なんと!『本好きの下剋上』も完結していたのか。いつの間に。
こちらは全33巻か。小説で33巻はすごいな…。しかも単行本。約4万4千円…(お金のことばかりだな)

いやはや、自分は8巻までしか読めてないから、先はまだまだ長い。最後どうなるんだろう。



『カフカ短編集』を読む。
「火夫」を読み終わる。

カフカの作品は、本当に何処もままならない。

船に乗ってアメリカに向かう16歳の少年・カールロスマンは、船の中で迷い、迷った先で火夫と出会う。
火夫は上司に良くない扱いを受けているようで、カールは彼を救うべく船長にそのことを訴える。しかしいろいろなハプニングから思うようにはいかず…。

これまたどう受け止めていいのか分からなかったけれど、なんともカフカらしい作品だなと思った。
不安から、何か助けを求めている。けれど光の方に歩けど歩けど一向に抜け出せない。そして不安を残したまま、突然に終わってしまう。

カフカの作品は、カフカそのものな感じがする。そのものなのは当たり前なのだけれど、カフカは他の作家よりも近く感じる。流石良く顔を出してくるだけある。

『火夫』は、先週読んだ『判決』の次に書かれ、その後に『変身』と続くようで、『判決』『火夫』『変身』には、何処が密やかな繋がりのようなものがあるらしい。
そう言われると確かに繋がりがあるような気もしないでもない。不安と、そして父親という繋がりとかが。






8月10日(土)


最近キュウリがよく採れる。有難い。ここにはないけど、この倍ミニキュウリもよく採れる。
ジャガイモも全然掘れていないけど、これだけ雨の影響か顔が出てしまっていたから慌てて収穫。

キュウリもトマトも今年はよく採れるから、毎日キュウリとトマト三昧。
これが美味しいこと美味しいこと。
キュウリは想像していたのよりボツボツ系だったけれど、かなりパリッとして味噌マヨで食べると最高。ミニキュウリは、瑞々しいから漬物にすると無限に食べれてしまう。
トマトもカッペリーニが食べ放題だし、ケチャップも作れた。
いやぁ、有難い。



伊藤悠『シュトヘル』(1~3巻)を読む。漫画。

蒙古軍に復讐するため、「悪霊(シュトヘル)」は生まれた。
蒙古軍は、西夏国の文字を滅ぼすべく全てを焼きつくそうとする。だが蒙古軍の皇子・ユルールは、文字に惹かれ守ろうとする。
悪霊と皇子、2人が出会う時物語は動き出す。


文字は生き物みたいだ。
記した人の思い ねがいを伝えようとする。
その人が死んでも 文字は、
託された 願いを抱きしめているようで…
生き物みたいだ。
焼かれると、つらい。


文字は、人を憶えておくために生まれた。
遠くにあっても、時を越えても、人と人とが交わした心を伝え続ける……
だから、心底美しい。


殺すとか壊すじゃなくて、
伝えるとかつなぐとか、
そういう生き方だってあるはずだ。


んー、この漫画なんでそんなに話題になっていないのだろう。後半に何かあるのかなぁ。
結構な特殊設定なのと、残酷非道さがあれなのかな。でもこの時代の話は基本的に冷酷だよなあ。
現代人の男子高校生が、女戦士「悪霊」に転生(?)するというのは、確かに今のところ…だけどこれからいい方向に向かいそうな予感もプンプン。
『三国志』系が好きなら好きそうだけどなあ。内容はモンゴルだけど。

そういえば『三国志』に凄くハマった時期があったなあ。懐かしい。横山光輝の漫画とか、ドラマとかいろいろ見てたなあ。なのにあまり覚えていないけど…。残念な脳みそ。

ハマりすぎてあの周辺読みまくってたな。始皇帝とか、横山光輝漫画『史記』とか『項羽と劉邦』とか。同時に『チンギス・ハーン』も読んだはずなんだけど…。妻を攫われて戻ってきたら子どもが出来ていて、一体どっちの子だ?となった、くらいしか憶えていない…。
でも振り替えると本当横山光輝さん様様だな。歴史を知る上でかかせないお方だ。ありがたやー。

『シュトヘル』でモンゴル系が気になるから、何か読みたいなあ。良い歴史書ないかな。

と思って探したけれど…探せば探すほどありすぎて…。ぱたり。






8月11日(日)


初トウモロコシ!
未熟だけれど他全部動物にやられたため、早めの収穫。これだけが生き延びた奇跡の1本。干してポップコーンにする。ポップコーンの種からやっているから、きっと大丈夫だろうと見込んで。


ヒゲは干してお茶にする。
コーン茶。



石井千湖『文豪たちの友情』を読み終わる。
「江戸川乱歩と仲間たち」編を読み終わる。

この中で気になったのは、江戸川乱歩の随筆なのか自伝なのかの本。

『探偵小説四十年』

萩原朔太郎と遊園地で遊んだことも書かれているのだとか。気になる。
ただ文庫は、光文社文庫の全集のみ。
全集かあ。
でも見つけたら買いたいな。

『文豪たちの友情』、知ってる情報もあったけれど再確認出来たり、面白情報もあったりと満足できる一冊だった。
最後の著者が参考にした「おすすめブックガイド」も良い。結構参考になる。
読みたい本がまた増えてしまった。

ちまちま読んできて、ようやく読み終わってしまったけれど、次はどうしよう。
文豪情報系でいくと…何かあったかな。






ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
皆様に良い恵みがありますよう、願っております。
ではでは。


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