外国人従業員の退職・離職と注意点
外国人の雇用状況
近年、日本は労働者不足の課題に直面しています。打開策として政府が外国人受け入れを推進し始めました。
その結果、平成30年10月末現在、雇用状況届出した外国人労働者は146万人に達しました。国別人数、増加率、産業別など具体的には、
■労働者全体の状況
外国人労働者数は 1,460,463 人。
前年同期比で 181,793 人(14.2%)増加し、過去最高を更新した。
■国籍別の状況
・労働者数が多い上位3か国
・中国 389,117 人 (全体の 26.6%) [前年同期比 4.5%増]
・ベトナム 316,840 人 (同 21.7%) [前年同期比 31.9%増]
・フィリピン 164,006 人 (同 11.2%) [前年同期比 11.7%増]
■増加率が高い上位3か国
・ベトナム 316,840 人 [前年同期比 31.9%(76,581 人)増]
・インドネシア 41,586 人 [前年同期比 21.7%(7,427 人)増]
・ネパール 81,562 人 [前年同期比 18.0%(12,451 人)増]
■産業別の状況
・外国人労働者、外国人労働者を雇用する事業所ともに、「製造業」が最も多い。
・「製造業」は、外国人労働者数全体の 29.7%、外国人を雇用する事業所全体 の 21.4%を占める。
・「建設業」や「宿泊業、飲食サービス業」の構成比は外国人労働者、外国人労 働者を雇用する事業所ともに増加。 (出典:厚生労働省)
外国人労働者数は過去最多を更新していますが、介護などの分野では人手不足が依然存在します。これを改善するために政府は今年4月に新たに「特定技能」という在留資格を新設しました。介護、外食、建設、農業、造船など14の分野に限って「特定技能試験」に合格した外国人の在留資格を認めます。第一回の外食分野の試験では応募が殺到し、即日受験枠をオーバーするような事態が起こりこれから外国人労働者はますます増えることが予測可能でしょう。
退職・離職時の注意点
しかし、外国人労働者は会社に対する愛着が薄く同じ職場に定着する慣習がなく、さらに労働条件、労働環境、在留期限に起因する退職・離職も考えられます。外国人従業員が退職・離職の際、いくつか注意すべきことがあります。
その都度、退職・離職する外国人の氏名、在留資格等を確認し、ハローワークに届け出なければなりません。(雇用対策法第28条)
雇用保険被保険者の場合は、「雇用保険被保険者資格喪失届」、「離職証明書」と併せて届出し、雇用保険被保険者資格を有さない者の場合は離職日の属する月の翌月の末日までに所定の様式によって届出します。
また、退職・離職の際、在籍中に得た開発情報、技術情報または顧客情報など企業にとって大事な機密情報を持ち出し企業に損失を与えてしまう可能性があります。リスク・損害を最小限に抑えるため、退職・離職時の秘密保持契約の締結をお勧めいたします。
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