記事一覧
GA38『シュタイナー書簡集』より(3)
3.ルドルフ・ロンスペルガー(※1)宛の手紙
ウィーン近郊のオーバーラー(※2)
1881年7月27日
親愛なる友よ!
今朝、君の愛すべき手紙を受け取ったよ。君に『最後の騎士』(※3)をずっと前から返していないのは、ひとえにここ数日の苦痛に満ちた出来事のせいなんだ。試験は避けて通れないものだし、特に最後の二つの試験には、僕は今年、予想以上に時間がかかってしまったよ。君に請け負うけど、決まり
GA38『シュタイナー書簡集』より(2)
2.ヨーゼフ・ケック宛の手紙
ウィーン、1881年7月
親愛なる友よ!
君が何をしでかしたのかって?もし君が何かやらかしていたんだったら、君自身がそれを分かっているはずだ。でも、そもそも尋ねてきているってことは、おそらく何も分かってないんだね。で、とどのつまりはどうなの?僕が書かない理由は、そこにはまったく関係ないんだ。むしろ、僕がそういったことには首を突っ込めないってことなんだよ。いつか
GA38『シュタイナー書簡集』より(1)
1.ヨーゼフ・ケック宛(※1)の手紙
1881年1月13日
深夜12時
親愛なる、誠実な友よ!
1月10日から11日にかけての夜、僕は全然眠れなかった。深夜の12時半までいくつかの哲学的な問題について考えに考え抜いて、やっとのことでベッドに倒れ込んだよ。去年、僕はシェリングが言ったことが本当なのかどうか探ろうとしていたんだ。「私たち全員に内在する、神秘的で、驚異的な力、つまり、変転する時
口語訳版『信条-個人と宇宙-』(ルドルフシュタイナー全集40巻„Wahrspruchworte“より)
理念の世界は、あらゆる存在の源であり、原理だ。その中には無限の調和と至福の静けさがある。理念の光に照らされない存在は、本質なき死せるものであり、宇宙全体の生命には与れない。理念から現存在を引き出すものだけが、万物の創造の木において意味を持つのだ。理念とは、自分自身の中で明晰であり、自分自身の中にあって、自分自身と一つになっている精神のことだ。個人は精神を内に持たなければ、枯れ葉のようにその木から落
もっとみる文語訳版『信条-個人と宇宙-』(ルドルフシュタイナー全集40巻„Wahrspruchworte“より)
理念の世界は、一切の存在の根源にして原理なり。その中に無限の調和と至福の静寂あり。理念の光に照らされざる存在は、本質なき死せるものにして、宇宙的生命に与ることなし。唯、理念より現存在を引き出すものこそ、万有の創造の樹上にて意義を有するものなり。理念とは、自ら明瞭にして、それ自身の内に在り、それ自身で自足せる精神なり。個人は精神を内に宿さずんば、枯葉の如くその樹より落ちて、その存在虚しかるべし。
自由よ!-ルドルフ・シュタイナー『自由の哲学』9章より-
改めて、次の箇所のドイツ語を見ますと、シュタイナーの書き方が最初から最後までカントと同じ言葉を使いつつ、きれいにカントの書き方をトレースしながら反論を書いていることが分かりました。これができるだけ伝わるように訳してみたつもりです。
原文出典:http://bdn-steiner.ru/cat/ga/004.pdf
ミュンヒハウゼン男爵とキリスト①-『自由の哲学』より-
今より後われ汝らと多く語らじ、この世の君きたる故なり。彼は我に對して何の權もなし、 されど斯くなるは、我の、父を愛し、父の命じ給ふところに遵ひて行ふことを、世の知らん爲なり。起きよ、いざ此處を去るべし。(ヨハネ福音書14章30-31節)
『自由の哲学』の九章に次のような一文があります。
Aber mitten aus der Zwangsordnung heraus erheben sich
ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第六講
1919年11月30日 ドルナッハ
■Ⅵ-1 ここ数日素描してきたことからもお分かりいただけますように、人間存在(本性)を完全に理解するのに必要不可欠なのは、人間の分節化を取り上げ、なによりもまず、人間の頭部有機体と呼ぶことのできるものと、頭部以外の有機体と呼ぶことのできるものとの間にどのような大きな違いがあるのかをはっきりさせることであります。もちろん私たちは、この人間の頭部以外の有機体もまた
ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第五講
1919年11月29日 ドルナッハ
■Ⅴ-1 人間は、少なくとも人類の進化発展の最も重要かつ最も本質的な法則を受け容れることによってのみ、自分の魂の支えとなる真実の意識を得ることができます。私たちは、人類の進化発展のプロセスの中で生じたことを認識し、私たちの魂の営みの中に取り込まなければなりません。それが現代の人間の課題なのです。さて、この数日間中に既に述べたことですが、人類の進化発展そのもの
ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第四講
1919年11月28日 ドルナッハ
■Ⅳ-1 先週の講義で、ここで取り上げてきた様々な観点を踏まえて、今日はちょうど、明日、明後日には更に拡充させる手筈となっている事柄を幾らか述べたいと思います。皆さんは、これまでに行われてきたこととは異なる仕方で、既に触れた私たちのテーマを更に追求していくのに必要となることの多くの事柄を思い出すことになるということです。
■Ⅳ-2 地球の進化発展がどのよう
ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第三講
本講義をお読みになる前に、同講義の第一講・第二講をお読みいただければ幸いです。
1919年11月23日 ドルナッハ
■Ⅲ-1 一昨日ここで行った第一講で、私は、私たちが人類の一員として、差し当たり今は私たちの第四進化発展期の天体領域と呼ぶことができる領域の中で生きているということについてお話ししました。ご存じのように、現在の地球の進化発展は、土星の進化発展から次第に具現化してきました。土星の
ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第二講
本講をお読みになる前に第一講からお読みいただくことをお勧めいたします。
1919年11月22日 ドルナッハ
■Ⅱ-1 昨日は、近現代の精神生活に染み込んでしまい、実際には今日でもわずかな人にしか正しい仕方では気づかれていない、あの誤謬についてお話ししました。この誤謬を指摘することで、私たちが既に霊学的な考察のとても重要な点に立っていることを、この議論から感じとっていただけたかと思います。人類の
GA194『大天使ミカエル』補遺より-第六講の結びの言葉(1919年11月30日)
親愛なる皆さん、この点(どんな小さな衝動でも真剣かつ大きく受け止めること)において、私たちは日常の出来事をも例示しなければなりません。日常の出来事を例示することなしには、何事につけても徹底することができません。日常の出来事に光を当てないと、物事を軽く捉えてしまうでしょう。過去数週間のうちに、次のように言われた覚書がどれほどの頻度で現われたかを、一度でも考えてみてください。「人智学的指向の新しい世
もっとみるGA194『大天使ミカエル』補遺より-第四講のイントロダクション(1919年11月28日)
講義の前に、簡単なイントロダクションをしなければなりません。特に現時点で起きている様々な出来事について、とにかくある程度皆さんにお知らせしなければならないからです。私たちの友人であるシュタイン博士が書いた記事を少し読んでみたいと思います。彼は、『社会有機体の三分節』の最新号で、『新しい親和性』と題した小さな記事を書きました。
「去る11月11日、シュトゥットガルトのジーグルハウスで、司教座聖堂
シュタイナー『バガヴァッド・ギーターの隠れたる基盤』第6講の読解試案
シュタイナーの『バガヴァッド・ギーターの隠れたる基盤』原文と『ギーター』本文(私はサンスクリット語を読めないので、東方出版から出ている藤田晃氏の原典訳を参照しました)を照らし合わせていたところ、シュタイナーの第六講について注釈が必要に思われたので書いておきたいと思います。
まずは9-4・9-5にてクリシュナがアルジュナに向かって話しかけているところを取り上げます。
9-4:形態が非顕現である私