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大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-

ルドルフ・シュタイナーGA194:Die Sendung Michaelsの私訳と読み方を投稿しました。ご支援いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

GA194『大天使ミカエル』補遺より-第六講の結びの言葉(1919年11月30日)

 親愛なる皆さん、この点(どんな小さな衝動でも真剣かつ大きく受け止めること)において、私たちは日常の出来事をも例示しなければなりません。日常の出来事を例示することなしには、何事につけても徹底することができません。日常の出来事に光を当てないと、物事を軽く捉えてしまうでしょう。過去数週間のうちに、次のように言われた覚書がどれほどの頻度で現われたかを、一度でも考えてみてください。「人智学的指向の新しい世界観にあるものを真剣に理解したい人に必要なのは、日常生活の中でも真実の表現に真剣

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GA194『大天使ミカエル』補遺より-第四講のイントロダクション(1919年11月28日)

 講義の前に、簡単なイントロダクションをしなければなりません。特に現時点で起きている様々な出来事について、とにかくある程度皆さんにお知らせしなければならないからです。私たちの友人であるシュタイン博士が書いた記事を少し読んでみたいと思います。彼は、『社会有機体の三分節』の最新号で、『新しい親和性』と題した小さな記事を書きました。 「去る11月11日、シュトゥットガルトのジーグルハウスで、司教座聖堂参事会員のラウン氏が「神智学とキリスト教」というテーマで全く取るに足りない講演を

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ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第六講

1919年11月30日 ドルナッハ ■Ⅵ-1 ここ数日素描してきたことからもお分かりいただけますように、人間存在(本性)を完全に理解するのに必要不可欠なのは、人間の分節化を取り上げ、なによりもまず、人間の頭部有機体と呼ぶことのできるものと、頭部以外の有機体と呼ぶことのできるものとの間にどのような大きな違いがあるのかをはっきりさせることであります。もちろん私たちは、この人間の頭部以外の有機体もまた分節化していますので、人間の有機体の全体としては三分節化していることはご存じでし

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ルドルフ・シュタイナー『大天使ミカエル-人間存在の本来の秘密を啓示する者-』第五講

1919年11月29日 ドルナッハ  ■Ⅴ-1 人間は、少なくとも人類の進化発展の最も重要かつ最も本質的な法則を受け容れることによってのみ、自分の魂の支えとなる真実の意識を得ることができます。私たちは、人類の進化発展のプロセスの中で生じたことを認識し、私たちの魂の営みの中に取り込まなければなりません。それが現代の人間の課題なのです。さて、この数日間中に既に述べたことですが、人類の進化発展そのものが一種の生き生きとした存在の進化発展なのだということを完全に真剣に受け止めること

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装甲騎兵ボトムズ考察-闇の只中で輝く光-

装甲騎兵ボトムズの考察です。順次追加していく予定です。

装甲騎兵ボトムズ-序論-

(追記:序論において記した方法論について、「もう少し詳しく書いて欲しい」との希望がありましたので、大幅に増補することにいたしました。オズヴァルド・シュペングラー、ハンス・ヨナス、マルティン・ハイデガーに関して増補していますが、実際のところ私が記したかったことは、既にあの短い序論で示唆的に示していたことと何ら変化はありません。無料で全文公開いたします。(2016/1/10)) 0.序論  この記事は、アニメ『装甲騎兵ボトムズ』の考察を行うにあたって、どのような方法を用いるかを

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『装甲騎兵ボトムズ』考察1

(今まで有料限定の記述がありましたが、序論を増補したため、こちらを無料で全文公開することにしました) 1.他所ものとしてのキリコ  人間はただ一人、大地を踏みしめ、耐え難く、絶望……自殺という考えを取り除けない非常に実存主義的な絶望……それと背中合わせで存在していることに変わりはございません。(開高健『輝ける闇』p.193)  「生まれながらのPS」、「異能者」、「触れえざる者」、「赫奕たる異端」などと呼ばれることになる『装甲騎兵ボトムズ』の主人公:キリコ・キュービィー。

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装甲騎兵ボトムズ考察2-間奏-

(この考察は『装甲騎兵ボトムズ-闇の只中で輝く光Ⅰ』の続編ですので、未読の方はそちらからお読みいただけると幸いです。全文無料で読める設定にしてあります) 2.あの世とこの世、二つの神の思弁とグノーシスの衝動-  ヨーロッパの哲学的伝統を一番無難に総体的に特徴づければ、それはプラトンにつけられた一連の脚注であるということだ。(アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド)  かくも賞讃されるプラトンよ。汝は我々に、つくり話だけしてくれ、詭弁のみを弄したと思う。プラトンよ、あなたは知

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装甲騎兵ボトムズ考察3:ワイズマンがキリコに課した暴力的な宿命(さだめ)-グノーシス的なニヒリズムと被投性-

(この考察は『装甲騎兵ボトムズ-闇の只中で輝く光Ⅰ』の続編ですので、未読の方はそちらからお読みいただけると幸いです。全文無料で読める設定にしてあります。) 3.ワイズマンがキリコに課した暴力的な宿命(さだめ)-グノーシス的なニヒリズムと被投性-  私たちの宇宙から出発する限り、尊敬に値する神よりも胡散臭い神に行き着くほうがはるかに容易である。(E.M.シオラン『悪しき造物主』p.5)  生誕という強迫観念は、私たちを自分の過去以前へと拉し去っていく。おかげで私たちは、未

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グノーシス主義ノート

ホームページがなくなってしまったのでこちらに移植しました。

『ヨハネのアポクリュフォン』のアルコンテス

アヒルの頭をしたアルコンテス(執政官) 『ヨハネのアポクリュフォン』のアルコンテス 【造物主・偽りの神】 00.ヤルダバオート 【黄道十二宮(獣帯)の支配者】 01.白羊宮 ハオート[ヤオート、アトート] Haōth,Iaōth,Athōth 02.金牛宮 ハルマス[ヘルマス] Harmas,Hermas 03.双子宮 ガリラ[カリラ・オイムブリ] Galila,Kalila Oimbri 04.巨蟹宮 イョーベール[イアベール] Iōbēl,Iabēl 05.獅

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ヨハネのアポクリュフォンのアイオーネス

『ヨハネのアポクリュフォン』におけるプレーローマ最深部のイメージ図 00.至高神(=完全なる人間、第一の人間、見えざる処女なる霊) 【§6~11において語られる至高神】 (ナグ・ハマディ写本Ⅱよりの引用)  単一性は単独支配のことであるから、更にその上には何ものも存在しない。それは真の神、万物の父、見えざる霊であり、万物の上に在る。不滅性の中に在るものであり、純粋なる光-すなわち、いかなる視力でも見つめることができない光-の中に在るものである。  彼は見えざる霊であ

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YHWH-私は在って在るものである-

ヘブル文字で記されている神聖四文字(テトラグラマトン) 「YAH、万軍の主、生けるエロヒーム、宇宙の王、万能の君、慈悲深い寛大な神、至高主導の存在、永遠に宮居(みやい)する天にまします、崇高にして最も神聖な父は、三十二の神秘的な智恵の道の中にその名を刻み、宇宙を形作り、創造した。その時主は、3つのセファリム、すなわち“数”と“文字”と“音”を用いた。この三者は主の中にあってはひとつの、同じものである」(『イェツィラーの書』より) 【概要】 (1)エロヒーム אֱלוֹ

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プトレマイオス派グノーシス主義の教説②

超越的世界プレーローマと中間界のイメージ図 上:十字架(スタウロス)によって境界線で覆われたプレーローマ 左下:ソーテールとアンゲロス 右下:アカモート(下のソフィア) 【中間界の主要的存在の詳細】 ・アカモート《智慧》  =上天のソフィアの娘(分身)  =境界のソフィア  =下のソフィア  =エンテュメーシス《思い》  =聖霊  =娼婦性をもったもの  =オグドアス(八つのもの)  ≒エルサレム  ≒ゲー(大地) ・ソーテール《救い主》  =全き美  =プレーローマ

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『放課後のプレアデス』第九話「プラネタリウムランデブー」-オルバースのパラドクスを正確に解いたE.A.ポオ-

-端本昴さん(@h_subaru)に-  「星が多すぎて、宇宙が黒く見えない。宇宙は、どこまで広がっているのかな?いつまで続くのかな?[…]あてがなくて、少し怖い気もする…」(すばる) 本ノートはアニメ『放課後のプレアデス』第九話「プラネタリウムランデブー」で取り上げられた天文物理ネタ「オルバースのパラドックス」について端的にまとめたものです。  上記のすばるの問いは「オルバースのパラドックス」に関わる問いです。「オルバースのパラドックス」というのは、「宇宙の恒星の分布が

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アーレント『活動的生』試訳②7節(改稿)

ハンナ・アーレント『活動的生』を独語原文から第二章「公的なものの空間と、私的なものの領域」7節「公的空間:共通なもの」を試訳しました(アップデート:2017/5/15)。誤訳や誤字、誤った解釈等がありましたらご指摘ください。随時更新いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 Die öffentliche Raum: Das Gemeinsame 7節 公的空間:共通なもの Das Wort „öffentlich“ bezeichnet zwei eng mitei

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アーレント『活動的生』試訳①

ハンナ・アーレント『活動的生』を独語原文から面白い個所を拾い読み、試訳してみました。第二章「公的なものの空間と、私的なものの領域」第六節「社会の成立」に相当します(六節完結しました:2017/3/24現在)。誤訳や誤字等がありましたらご指摘ください。随時更新いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 Zu der immer kleinen Zahl der „Gleichen“ zu gehören bedeutete dort, daß man unter Ebenb

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