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黄色とピンク色を混ぜると、オレンジ色ができるとしったとき。
それは私が大人に近づいたとき。
小学一年生。
図工の時間に校庭にある遊具の絵を描くことになった。私は黄色とピンク色をパレットに出して、それぞれを単色で塗ろうとしていた。
しかし筆に水をつけて絵の具に触れようとしたとき、その2色は混ざり合った。
私は其れを大発見だと思った。クラスでこの秘密を知っているのは、自分だけなのではないかと言う高揚感に包まれた。
きっと、誰かは知っていた。
けれどそれで
君の部屋の埃になりたい
君の本の栞になりたい
私は君を通して、君じゃない誰かに心火を燃やしていたのだ
交差点で君を見つけることすら出来ない(2)
私の愛した君たちはと言うと、私の住む街にはもう居ない。最初から居なかったひともいるし、居なくなってしまったひともいる。
だから街中ですれ違うことも、思い出の公園の前を通り過ぎるなんてことも、信号待ちが同じタイミングになることも 絶対に有り得ないのだ。山崎まさよしの「One more time,One more chance」を聴いても全く共感することが出来ない自分の境遇を呪いがちになる。
諸行無
call my name
私には姉がふたりいる。末っ子の私はいつも名前を間違えられていた。
私のことを呼ぶとき、母は決まって長女の名前を呼び、「あっ間違った。」続いて次女の名前を呼び、「じゃなくてー」最後に私の名前を呼ぶ。
私は名前を間違えられることがなによりも嫌だった。
だからきっと、「恋人」という存在が出来る度、その人は名前を間違うことはないから 大好きになる。私は私の名前を正しくいつも、呼んで欲しい。
不自由を知らなければ
真の自由を知ることは出来ない。
あの頃の私は死んでしまった
赦せなかったことが総て赦せてしまったとき、あの頃の私というものが失われてしまったかの様で哀しかった。決して、「赦せない」というのが哀しかったのではないのだ。あの頃抱いていた、たったひとつの赦せない事項について時間が見事に解決してしまったという感じがして悔しかった。
あれほど燃え上がるように赦せなかったあの人を、あの事を、ずっとずっと抱えて生きていけたなら良かったのに。
結局貴方の髪は、私が当時して欲しかった 一番好きな髪型になっていた。 もう貴方は「君」ではないのだけれど。