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人懐っこいハチ「針なしミツバチ」のお家にお邪魔しました

こんにちは。ボルネオ島の手工芸品店を営んでおりますラヤンラヤンと申します。毎週金曜日にマレーシア・ボルネオ島に関することを紹介させて頂いております。

ボルネオ島の田舎に暮らしていると、よく腕に止まってくる小さな虫に出会います。刺したり噛んだりはせず、痛くも痒くもない・・・ただただ腕に止まったり離れたりを繰り返すだけ。

ハリナシミツバチ

そんな人懐っこい虫とは、「ハリナシミツバチ」です。名前の通り針を持たず、体長は1センチほどの小さなハチです。腕に止まっているのを見ていると可愛らしいので、はらわずにいつもそのままにしています。

ボルネオ島の森の中でよく出会うハリナシミツバチですが、彼らの巣を見たことがなかったので、養蜂場で見学させて頂くことにしました。

ゴンビザウ養蜂場

ボルネオ島の最北に位置するマレーシア領サバ州。州都コタキナバルから北へ約140km進んだところにあるクダット地区のゴンビザウ養蜂場(Gombizau honey bee farm)を訪れました。

実はこの養蜂場に行くのは2度目です。10年ほど前に訪れたことがありましたが、その時は別のミツバチについて見学させて頂きました。以前とは養蜂箱の設置場所は変わっていて、少し上ったところにありました。養蜂場の受付までは、普通車で行くことができます。

養蜂場の中へ

受付を済ませ、中へ入るとすぐ右側に養蜂箱が並んでいました。こちらはハリナシミツバチではなく、現地の言葉でポモスオン(pomosuon)と呼ばれるトウヨウミツバチの巣箱です。

燻煙器

養蜂箱から巣枠を取り出して、煙で一時的におとなしくさせています。燃やしているのは、ココヤシの外皮だそうです。

ハニカム

この時期はまだ蜜がありませんでした。気候によりますが、1ヶ月くらいで熟成し、採蜜できるそうです。

ハリナシミツバチの養蜂箱

さらに奥へ進むと、あちこちにハリナシミツバチの養蜂箱が点在していました。ハリナシミツバチはマレー語で「kelulut(クルルッ)」、現地の言葉で「tantadan(タンタダン)」と呼ばれています。

木の巣箱と巣門
竹の巣箱と巣門

これらは木や竹に作られた自然巣を切断し、養蜂場に移動させたものです。

ハリナシミツバチの巣箱

木に作られた自然巣の上に、穴を開けた長方形の養蜂箱を設置しています。養蜂箱は雨に濡れないように、また蟻が入ってこないように何重にも覆われています。養蜂箱の上にはビニールシートを被せ、その上に木製の蓋、板、トタン板、そして一番上に重しを乗せています。

ビニールカバーを開けて、いよいよハリナシミツバチの巣と対面です。蟻が入ってくるといけないので、少しだけのぞかせて頂きました。

ハリナシミツバチの巣

こちらがハリナシミツバチの巣です。不規則に並んだ巣穴。ハリナシミツバチの巣は複雑なため、蜜蓋を割って一つ一つスポイトのようなもので吸い取ります。手間がかかり採取量も少ないので、現地ではトウヨウミツバチのはちみつよりは高く売られています。

はちみつを試飲

蜜蓋を割ってその場で試飲をさせて頂きました。ハリナシミツバチのはちみつは酸味があるのが特徴です。熟成には約3ヶ月かかるそうで、蜜蓋が茶色いのは甘味が強く、黒い方は古く、酸味が強いそうです。

養蜂場のお土産店

養蜂場にあるお土産店では、はちみつを購入できます。この日はハリナシミツバチのはちみつがありませんでしたので、トウヨウミツバチのものを買って帰りました。この地域に暮らす先住民ルングス人はビーズ細工を得意としているので、地元の方が制作したハチのキーホルダーも売られていました。

古くから先住民の薬とされてきたハリナシミツバチのはちみつ。マレーシア・ボルネオ島サバ州を訪れたらお土産の一つに選んでみてください。



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