循環器内科医が美容皮膚科医になった理由 episode.2
こんにちは、森大です。
前回から「#この仕事を選んだわけ」という
テーマで記事を書いています。
今回はepisode.2です。
僕は現在美容皮膚科といって、
お肌を綺麗にしたりアンチエイジングをする
医療分野で働いています。
しかし実は医師11年目までは、
循環器内科といって心臓治療を行う医師でした。
僕のように循環器内科から美容に転職する医師は
極めて珍しいと言えます。
本シリーズでは僕がそのような選択をした理由、
そこまでにどんな経験や想いをしたのか、
現在の状況や今後の方針などをお話しております。
医師の方
転職を考えている方
医療現場に興味のある方
には面白い記事になると思います！
それでは今回も、よろしくお願いします！
前編はこちら
１．転職という逆境
僕はもともと循環器内科医で、
そこでは命に関わる患者さんばかり。
美容に転職することに関して
周りには冷ややかな目もありました。
どちらが正しいということではありませんが、
それほどまでに「医療」と「美容」の間には
隔たりがあるのです。
それはまた、「美容」の世界に入ってからも
同様でした。
そこそこの年齢なのに新人。
美容業界の方々からすれば
「そんなに簡単なものだと思うなよ。」
といったところです。
出口も入口も、僕には窮屈でした。
決して楽ではありませんでした。
ではなぜ、僕はそれが分かっていながらも
美容に転職したのでしょうか？
その理由を一言で言うなら「夢」であり、
二言で言うなら「過去の夢」と「未来の夢」です。
２．過去の夢
僕は高校生の時、美容師になりたかったのです。
自分が綺麗にした方が自信をもって街を歩いている姿を
想像しては、ワクワクしていました。
その頃の趣味は、デパートの本屋さんで
ヘアカタログを立ち読みすることでした。
「うわ、この髪型いいなぁ…」
「いつかこんな髪型を作れるようになりたい。」
そんなことを考えながら。
でも家族や親戚は、
僕が医師か教師になることを望んでいました。
なぜかというと、僕の１つ上の世代までは
在日韓国人がそれらの職業に就くことが
非常に困難だったからです。
そこには根深いものがあるようです。
「日本人を見返してほしい。」
僕には分からない感情が多くの親戚に内在していました。
そして僕の世代ではそれまでいなかった医者が何人も出ました。
この現象は親以上の世代から見れば快挙であり、
僕たちの世代から見れば過去の歴史の確認です。
私立中学校、学習塾、習い事。
自分の教育にたくさんお金を掛けてもらっていることは
分かっていました。
そして親戚中の悲願を背負っていることも。
結局僕は医師になることを選び、その道に進んだのです。
でも決して美容師になりたいという夢を
忘れたことはありませんでした。
それでも医師を続けた理由は、
貧しい実家へ月々15万円の仕送りをするためでした。
仕送りをしながら美容専門学校に入ることは現実的ではなく、
夢を諦めました。
医師として頑張るしかないんだと心に決めました。
３．未来の夢
医師６年目くらいのある日、病院の部長に聞かれました。
「森、お前今後どうするんだ？」
この質問は循環器(心臓治療)の中で
①虚血性心疾患 (心筋梗塞など)
②心不全
③不整脈
この３つの専門分野のうちどの方向に進むのか、
という意味です。
しかし僕はそれをイメージすることができず、
「美容師になりたいです」という返答をして叱られました。
まぁ冷静に考えて、大人のする返答じゃないですよね笑
その後も僕は日々の仕事には一生懸命になりながらも、
どこか行き当てのない毎日を過ごしていました。
＊＊＊
その後たくさんの経験や知識を経て、
僕の夢は変わりました。
「世の中の、お金が無いことで夢を諦める人を減らしたい。」
それを想った時、きっとこのためにお金に苦労し、
夢を諦めた経験があったんだと思いました。
その人たちの気持ちを理解するために。
夢が変わったのならば
美容師のことを忘れても良さそうですが、
意外な流れでもう一度過去の夢をみることになりました。
その後病院を離れることに決めて転職先を探していた時に
コンサルタントの方から言われました。
「森先生、今内科で転職先を探していますが、
美容師になりたかったと仰っていたので
美容の医師という道はどうですか？」
…
「そうします。」
２つ返事で答えていました。
そして未来の夢を叶えるまでの間に、
過去の夢を叶えることにしたのです。
おわりに
今回はエピソード２ということで、
転職を決めたところまでのお話でした。
次回は最終回で、転職後のお話をさせて頂きます。
良かったら次回も読んで下さい。
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普段はお金のテーマを中心に記事を書いていますが、
時々こんなお話もさせて頂きます。
今後も頑張ります。
＊＊＊
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