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【4分で把握】IETLSスピーキングの構造と性質、準備戦略。

こんにちは、ゆうです。

一回3万円を超えるIETLS。失敗を避けるには、敵の構造と性質を知り尽くし、それに沿うように準備をすること。

本記事では、スピーキングテストの各パートの構造と性質をについてまとめた上で、その弱点を突くような準備戦略についてお話します。

スピーキングテストは全15分で、この中に3パートが組み込まれています。この3パートの性質がそれぞれ異なるので、対策法も異なってきます。

要約すれば、Part 1とPart 2は就職の面接を意識して回答し、Part 3は評論家になった気分で回答することです。

このことを念頭に置いて、Part1から順に詳しく分析してきましょう。


【Part 1】自己紹介的内容

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【質問例1:現在のステータス】
Are you a student or are you working?
(学生ですか、お仕事なされていますか?)
【質問例2:出身に関して】
What is your hometown like ?
(出身地はどのような場所ですか?)
*私は先月の試験でこれを聞かれました。
【質問例3:住居に関して】
What is your home like ?
(お住まいのお家はどんなところですか?)
*先月の試験でこれも聞かれました

以上がPart 1の質問例です。このような自己紹介的な質問を3つ4つほど矢継ぎ早に回答するのがPart 1です。

さて、とても重要な点なのですが、それぞれのパートには答え方のルールがあります。ここを理解しておかないと失敗に繋がります。特に、注意が必要なのが解答の長さです。Part 1ではどのような解答を心がけたら良いのでしょうか?

  ・2~3文程度で回答すること

Part 1では長文解答は求められていません。なぜなら、Part 1では初対面で出会うような状況を想定した会話ができるかどうかが試されているからです。初対面なのに、「どんな家に住まわれていますか?」と聞かれて5分話されたら引きますよね。つまり、長文解答は不適切ということになります。

Part1の感覚を例えるなら、就職活動の面接です。

短すぎす、適度なプラスα情報を乗せるのが解答のコツで、文の数で言うなら2-3文程度です。


  ・プラスαの情報を乗せる

プラスαとはどういう情報を指すのか?

初対面の会話を思い浮かべてみてください。相手がツッコむことで会話が持続し広がるように、情報を小出しにしていきませんか?つまりそのような性質の情報を出していくわけです。

Are you a student or are you working?
(学生ですか、お仕事なされていますか?)

故に上のように聞かれて、「I'm a student」で終わってしまったら話に膨らみを期待することができませんよね?そこで、例えば「It's my second year in my university.」という情報を追加することによって加点を狙うことができるわけです。


  ・語彙をひけらかさなない

Part 1はあくまでも初対面の会話、就活の面接の心構えで挑むものですから、英語力の証明をしなければと焦って難しい語彙を解答の中に散布するのはオススメできません。

日本語で考えてみましょう?

Q:「あなたの出身は?」
A:「私は東京で生れ、東京で育てられた、謂いわば純粋の江戸ッ子である。」

解答に使われている単語のレベルは高いですが、高確率で相手はドン引きです。不自然です。いくら英語の試験とは言え、不自然さを出したら点は上がりません。ちなみに、手持ちの語彙力を最大限に押し出しても良いのがPart 3で、それまでは固くて難しい言葉は温存しておきましょう。

  ★準備のコツは「決め打ち」

そんなPart 1の対策はどうしたら良いのでしょうか?

出る質問はほぼ決まっており、「学生か働いているか」「故郷」の2テーマに関しては事前に解答を作っておき暗記しておくのが良いでしょう。

就職の面接のとき、「志望動機」「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」はほぼ100%聞かれますよね?そういった確定系の質問には丸暗記が効果的です。

「住居」や「好きな音楽」「好きな映画」など、その他の自己紹介トピックは余裕があったら暗記しておきましょう。

    →Part 1まとめ

・求められるスキルは、初対面の会話で自然な受け答えをする能力
・難解な語彙や長文解答は不自然
・カジュアルな文、2-3個で対応
・決まって出るトピックは決め打ちで対応


【Part 2】自分語り2分間

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【質問例1:決断】
Describe a major decision you have made in your life
・What the decison was
・What other choices were available to you.
・Why you made the decision you made
・and explain if you think the decision was a good one

日本語訳
人生でした一大決断についてお話ください。
・その決断とは?
・他の選択肢は何であったか?
・どうしてその決断を下したのか?
・結果、その決断は良きものであったか?

例が長くなるので2つにとどめておきます。

【質問例2:語学】
Describe a language you would like to learn.
You should say:
– What the language is
– Where it is spoken
– Will you ever actually have the chance to learn it.

日本語訳
今後学習したい言語についてお話ください。
・その言語とは?
・そこでその言葉は話されているか?
・どうしてその言語に興味があるのか?
・その言語を実際に学ぶ機会は訪れるだろうか?

Part 2は、最初1分間考えるための時間が与えられ、その後2分間止まらず話し続けなければなりません。その際、4つの箇条書きにされているポイントを含まなければならないという制限が付きます。2分間ノンストップで話し続けられるかどうかは、1分間の自由時間の使い方に鍵があります。

  ・メモは箇条書き

メモ用紙はA6サイズ程度の非常に小さい紙です。その紙に、たった1分間で、次の2分間で話の一言一句を書くのは間違いなく不可能で、そのような時間の使い方はもったいなさすぎて歯がゆすぎます。

メモ用紙の使い方は話の要点を箇条書きで書くことです。試験本番は極度に緊張し、次に何を話すかを忘れてしまうのは日常茶飯事です。それを防ぐためのメモ用紙だと思ってください。一言一句を書くためのものではなく。


  ・止まらず話し続ける

Part 2で試されている英語の能力は「持続力」です。

したがって止まったら負けです。止まってしまう最大の原因は、ネタ切れです。動画を見る2分は短いのに、英語で話し続ける2分間は長いことに驚くのは試験前にしておくべきです。2分が実際にどのくらいの長さであるのか?試験前に何度も練習して、2分の長さを体に叩き込んでおきましょう。


  ・語彙をひけらかさない

  Part 1同様、ここでも難解な語彙の連発は避けるべきです。なぜなら、Part 2も就職活動の面接のノリだからで、人事の人が受験者の人となりについてもっと知りたいという状況でどんな回答をしたら不適切になるのだろう?と考えたら失点を避けることができます。

繰り返しになりますが、難解な語彙を披露するのはPart 3の専売特許です。そのため、下のようなPart2の日本語シュミレーションは圧倒的に変です。

Q:人生でした一大決断についてお話ください。
A:英語をマスターするという夢を遂げるべく、英語の勉強に我武者羅で、無我夢中で、身を入れるという決断を下したことです。

こういう回答はNGです。就職の面接で使わないだろうなと言う単語は避けたほうが懸命です。しかも「無我夢中」と「身を入れる」の意味がかぶっているというようなカッコ悪いミスで逆に失点してしまいます。

Part 3なら、このような奇怪な使い方も多少はOKです。多少は。先取りになるのですが、Part 3は「評論家の気分」で回答するパートだからです。評論からなら、多少言葉のユニークな使い方をしても許されます。

   →Part 2まとめ

・求められるスキルは、面接でする適度な自分語り
・難解な語彙や奇抜な言葉の使い方は不自然
・メモ用紙にはトピックの箇条書きをするだけ
・2分間の長さをあらかじめ体に叩き込む


【Part 3】評論家気取りで高尚な解答を

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【質問例1旅行について:】
-Why do some people prefer to travel abroad rather than in their own country ?
-Do you think traveling to another country can change the way people think ?
- Do you think it is safer to travel now than in the past?

【日本語訳】
・なぜ国内旅行よりも海外旅行が好まれるのだろうか?
・海外旅行をすると目を開かれるというが、そうだろうか?
・現在よりも一昔まえのほうが旅行しやすかっただろうか?
【質問例2:環境問題】
-What are the main environmental problems in your country ?
-Why should people be concerned about the environment?
-Do you think money should be spent on protecting animals ?

【日本語訳】
・貴方の国で主要な環境問題は何でしょうか?
・人々は環境について気をかけるべきでしょうか?
・動物保護に対して予算が組まれるべきだと思いますか?

Part 3はこのような抽象的・倫理的な問題が出てきます。お昼の討論番組で取り扱われそうなトピックが出るため、いかにも評論家たちが言いそうな解答をするのがコツです。

  ・3-4文程度で解答

IETLSのスピーキングテストの一人あたりの持ち時間は合計で15分以下であることをお忘れなく。世の評論家は何時間も話していそうなイメージが強いですが、IETLSでは文章3つか4つくらいのプチ評論家の気分で回答しましょう。長いすぎる解答をすると途中で遮られ、次の質問に進まれてしまいます。

  ・最大火力の高尚な語彙で

Part 1やPart 2で封印してきたレベルの高い語彙達を解き放つならPart 3です。逆に言えば、中学英語のような幼稚な語彙群しか見られないような解答では得点を稼げません。

もちろん幼稚な発想の解答もNG。
理由を言わない解答もNG。
考えぬかれた痕跡があるような解答をしなければなりません。


  ・対策法は入試の論説文にあり

なんだか読んでいると途方のなさに絶望したくなるかもしれませんが、出るトピックはほぼ決まっているので対策はしやすいです。一例を挙げると、環境問題、都市開発、建築、テクノロジー、条例など。

センター入試の国語や英語で出る評論文の範囲と実はいい感じで被っているので、大学入試のテキストをめくるだけで実は良い対策になってしまいます。

いきなり都市開発の話をしろと要求されたらテンパりますが、背景知識があれば攻略可能です。事実、私自身も過去に「英会話は文法や単語よりも背景知識のほうが大切」という内容で記事を書いておりますのでもしよかったら一読くださいませ。

評論家になりきるのです。日頃から出題されるトピックの背景知識を蓄えておくことがpart 3攻略の決め手です。


   →Part 3まとめ

・求められるスキルは、評論家になりきることができるかどうか
・難解な語彙や奇抜な言葉の使い方が大いに推奨
・日頃から背景知識を蓄えておく
・大学入試の論説文に出てくるようなトピックが主に出題

終わりに&アクションマニュアル

本記事ではIETLSスピーキングテストの構造と性質、対策法について概観しました。絶対おさえてほしいことは、Part 1と2のノリは面接のノリで。Part 3のノリは評論家気取りで。各パートのより詳しい対策法は需要があればまた記事にしようかなと思いますが、本記事を読んだだけでもすぐに行動に移せます。

    ・Part 1攻略のため今日からすること

出身地の解答と学生か会社員かの質問の解答を作成して暗記する。

    ・Part 2攻略のため今日からすること

模擬練習を通して、2分間の長さを体に叩き込むこと。

    ・Part 3攻略のため今日からすること

大学入試の論説文に触れIETLSで出題されるトピックの背景知識を積む。


本記事が皆様の英語学習の糧になったことを祈って、

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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