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算数の相談は大体コレ「うちの子、文章題が苦手なんです」

昨日の悪い予感が的中・・・

完全に花粉症到来😱😱

筆者は20代後半で花粉症になったので、
ここ数年で花粉症のつらさが分かるようになりました。

花粉対策の準備・・・始動!!


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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「算数が苦手で・・・特に文章題が苦手なんです」

小学校3年生になってくると、
そのような相談がポツポツと出始めるようになります。

実際は、
小学1年生の頃から苦手と感じている子どももいるのですが、

「まだ文字を習い始めている段階だからかな?」

と思い、
様子を見るという選択をすることもある。

しかし、
長期的に様子を見ても、
一向に理解度が上がっていくようには思えない

もしくは、

文章題が複雑になり始める3年生ぐらいから、
苦手意識が芽生え始める。

というパターンもあり得る。

現代の子どもたちは、
活字に触れる機会そのものが減っていますから、
文章題を苦手とする子どもは増加していると言えるでしょう。

正直、
基礎的な計算技能を高めるよりも、
文章題を解く力を高める方が、
簡単ではない。

ここには、
国語力も問われるからです。

この記事では、

「算数の文章題を解く力を高めるためにできる支援」

というテーマでまとめていきます。

全ての教育に言えることですが、
支援方法に万能薬はありません。

難易度が高い文章題は特に。

それでも、
より適した方法を探し、
自分に合った方法で学ぶことによって、
文章題に対する苦手意識を軽減することはできます。

答えを探すのではなく、
取り入れたい工夫点のヒントを見つけるつもりで、
読んでもらえればと思います。



文章題支援4選

ここでは、
文章題支援を大きく4つに分けて紹介をします。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

🟦文章の提示方法の工夫
🟦イメージ力を高める
🟦キーワードで判断
🟦パターン認識

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

1つ1つ、解説していきますね。


🟦文章の提示方法の工夫

まず、
文章そのものを読むことにに苦手意識があったり、
時間やエネルギーがかかってしまうパターン。

その場合は、
発達性読み書き症であったり、
視機能・視知覚認知機能に問題があったり、
ワーキングメモリの機能に流動性がなかったりするパターンが当てはまります。

その場合に、
提示できる選択肢は2つ。

それは、

「大人が読む」

「読みやすい工夫をする」

かのどちらかです。

そもそも、まず、
大人が範読して読み方を提示する。

その上で本人も音読をさせる。

ということを普段からやっていなければ、
教室全体の子どもの不得手をカバーしていることにはなりません。

本人の読みの力を付けてあげることも大事ですが、
「読み」そのものに困難を抱えている場合は、
大人が常に手本を見せ続けていくことが大切です。

ITツールを使って、
写真に撮った文章を読み上げるといった機能を使いこなせるようになることも、自立した学習者になるためには、大切なことでしょう。

次は、読みやすい工夫をするということ。

これは、
以前のLD児の変化の記事でもまとめたことですが、

文章の文節に区切りをつけて、
分かち書きをしたり、

行と行の間を空けて
文字同士が近すぎないようにしたり、

単純に文字を拡大コピーして大きくするだけでも、
見やすくなるケースがあります。

「カラーバールーペ」

といったツールを使い、
文字を拡大し、
蛍光カラーで読むところが分かるようにすることで見やすくなる子どももいる。

これは、
固定視といった、
目を一か所に留めて視ることが不得手な子に有効。

こういった子どもは、
そもそも黒板と自分の手元との視点の行き来が苦手なので、
読んでいるところを見失いやすいのです。

ただ、
蛍光カラーで読むところが強調されて入れば、
見失ってもすぐに戻ってくることができます。

ルーペを動かす作業が入るので、
集中力も持続しやすい。

また、
算数支援の専用的な支援として、
意味で区切って行を分けるという工夫もできます。

例えば、以下の文章です

リンゴが12こありました。4こもらいました。あわせるとなんこありますか。

続けて書いてあると、
これが1つの意味をもつ文章のように思えます。

だから、
意味ごとに区切って提示してしまう。

このように、
区切りや境というものがあると、
グレーな境界線という感覚が苦手な子どもにとって、はっきりとした基準が見えるので、3つの意味の文章なのだと認識しやすいのです。

これを応用すれば、
以下のような問題にも対応できます。

こうえんにハトが5わいます。そこに7わ、ハトがとんできました。しばらくすると、3わどこかへいってしまいました。のこっているのはなんわですか。

このように、
番号ごとに式を立てる枠組みを作ることで、
やることが明確になります。


🟦イメージ力を高める

このイメージ力を高めることが、
おそらく最も簡単ではないことです。

なぜならば、
これは脳の構造上の問題もからむから。

ただ、
少しずつトレーニングしていくという視点は大事。

そもそも、
算数の教科書というものは、
このようなイメージ力を養う構造になっています。

1年生の教科書を見ると顕著です。

必ず冒頭に、
その時間の目標となる問題のストーリーが絵で表されています。

そして、
それをブロックに変換する図があり、

最終的に、
数字を使った式に変換するという流れになっているのです。

これを

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

具体物 ⇒ 半具体物 ⇒ 数字

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と表現します。

また、別の記事で、
1年生への算数の教え方といったテーマを設けようと思いますが、授業でこういった手順を日頃から踏んでいくことは重要です。

その上で、
図を描かせるという作業を行っていきます。

先ほどの枠組みの中に、
「絵や図」という項目がありました。

このように、
毎回図をかかせるという行程を踏ませるのです。

筆者は、
基本的に授業ではノートを使います。

そのノートにも、
図をかくことを初期であればあるほど繰り返し行います。

身体を通して、
染み込ませる
といった感じで。

また、
かけ算、わり算になってくると、
イメージがしづらい場合が生じ得ます。

そうなったら、
授業にアニメーションなどを使って、
提示してあげてもいいでしょう。

このように、
イラスト化の冒頭のヒントを提示し、

「後は自分で絵や図にしてごらん」

とトレーニングをしていく。

国語的な視点でも、

「文章を絵に変換することで読解力を高める」

という手法はあるのですが、
それはまた、
国語の読解力の記事でまとめることができたらと思います。


🟦キーワードで判断

これはもう、シンプルに、

「このキーワードのときは〇〇算だ」

といったように、
暗記して覚えてしまう方法です。

シンプルですが、
強力です。

「文章題が苦手」

という子どもは、
これだけでかなり助かる子どもがいます。

ただ、
この方法の注意点は、
絶対ではないということ。

このような、
キーワードが存在しない応用問題が出てくることがあります。

ただ、
キーワード認識ができていれば、
6割ぐらいは負担が軽減されるはず。

特に低学年のうちは、
文章題がシンプルなので、
覚えさせておきたいことです。

このような一覧表を横において、
問題を解かせていくうちに、
勝手に覚えていきます。


🟦パターン認識

これまで様々な方法を述べてきましたが、
結局、筆者が最も活用しているのが、
この「パターン認識」です。

さて、
あなたに問題です。

この文章題の式は何でしょうか。

この問題を読んで、
瞬間的にパッと式が思い浮かぶ人は、
算数が得意な人でしょうね。

筆者は、
算数が嫌いではなかったですが、
高校数学はほとんどパターンによって解法を暗記していたタイプです。

よって、
この問題を読んだ時に、
パッと式が浮かんできません。

大人でさえ迷うような問題を、
2・3年生の文章題ですらつまずきがある子どもたちに、自分で解かせていく必要がある
のです。

しかも、
小学生というのは、
教師が説明すればするほど分からなくなります

ワーキングメモリの多寡に差があるわけですから、
長い情報は頭に入りませんし、
重要な内容だと判断した部分に、
注意を集中させるという選択ができない子どももいます。

そんな子どもを山ほど見てきた筆者は、
説明というものを一切しません

ひたすら、
パターンに落とし込みます。

例えば、以下のようにです。

まずは、
問題文に書き込みをする。

書き込みの手順も、
毎回一言一句変わらないフレーズに厳選しながら。

全国でも、
学力が向上するエビデンスがあるものをピックアップしています。

それを、
数直線と面積図というものをミックスしたものに落とし込む。

教科書は、
数直線だけなのですが、
そこに面積図を加えます。

手順は毎回同じになるように確定してある上で。

「長方形をかぶせる」

と面積の問題になります。

面積の外に▢がある場合は、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

面積の中にある数字÷面積の外にある数字

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

面積の中に▢がある場合は、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

面積の外にある数字×もう一方の外にある数字

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

で求めることができる。

文章ではなかなか伝わりづらいところがありますが、
これを長期的に教えていくので、
一人残らず習得していきます。

これを説明せずに教えていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①教師が1つ指示をして1つ作業させる。
②完成したら手順ごとに繰り返させる。
③慣れてきたら「まず何する?」「次は?」と子どもに答えさせていく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

全体授業でこれを行うには、
授業の腕が必要です。

リズムとテンポを崩さずに、
ほどよい緊張感を保ちながら、
且つ、やる気を高めつつ、
全員が本当にできているのかをチェックしながら進める。

ただ、1対1で行う場合は、
このような表を横に置きながらで大丈夫。

この、

「数直線+面積図」

の解き方は、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・小数×小数
・小数÷小数
・単位量あたりの計算
・割合
・速さ
・分数×分数
・分数÷分数
・比

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

といった単元の8割程度の文章題で使えます。

学年をまたいで、
長期的に使える
ので、
次第に子どもたちも、

「便利だ」
「大丈夫!図にすればいいんでしょ?」

と耐性がついていく。

もちろん、
中学以降でも使えるでしょう。

そして、
単元ごとに解き方のパターンを一覧にしておき、
子どもにも渡しておく
のです。

正直、
算数が得意な子には必要ありません。

苦手な子に対しての支援です。

「これがあると家でも安心して宿題ができる!」

と喜んで持って帰る子もいます。


まとめ

筆者は、
算数はかなり「暗記要素が多い」と捉えています。

初期の頃の文章をイメージする力は大切です。

ただ、
高学年になればなるほど、
イメージ化しずらい問題が増えていきます。

そうなった場合は、
解き方のパターンを把握させ、
1つ1つの解き方を習熟し、
問題に出会ったときに、

「あ!〇〇のパターンだ!」

と認識できれば、
鉛筆が動き出すのです。

算数で思考することが好きな子どももいます。

それは算数が得意な子ども。

そうった子どもには、
難問といった高度な問題で楽しませつつ、

本来授業でウェイトを置くべき、
単元の学習がまだ理解できていない子どもに、
フォーカスをすることが、
公立の学校においては大切なことかなと思っています。

これからの教育の在り方によって、
まだまだ変わっていくかもしれませんが、
これらの支援方法が、
何かのヒントになったのならば幸いです。

算数が得意な子どもを楽しませる。
他の支援方法を知る。

といった算数に関する記事を以下に貼っておくので、興味のある方はご覧になってみてください。


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