学級平均90点を実現する!どの子もできるようになる「わり算」の教え方
子どもを学校に迎えに行くと、学校の廊下の寒さに震えます‼️
なんで学校の廊下って、あんなに寒いんでしょうか?😂
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
小学校の算数で鬼門となるのはどこでしょうか。
これは幾つかあります。
1つは先日、記事にした九九。
もう1つは、4年生で習うわり算筆算でしょう。
なぜなら、5年生になった時点で、算数耐性の高い、低いの開きは大分固定されており、それ以降はその差が埋まることは珍しいからです。
差が縮まることはあります。
ただ、完全に埋めるということは難しい。
そして、2年生の九九と4年生のわり算筆算のかけ橋となるのが、3年生のわり算。
ある年の筆者が受け持った3年生では、年間を通しての算数テストの平均点が90点ほどだったことがあります。
つまり、LDの子どもでも点数を取れているということ。
今回は、3年生のわり算の攻略方法を紹介すると共に、筆者がどのような指導方法で授業を行っていたのか、
どのようなLD支援の要素を盛り込みながら授業を組み立てていたのか、
を紹介します。
算数の攻略ポイント3点
筆者の算数の授業で、計算技能を身に付けるという点に関して大事にしていることは主に下の3つです。
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❶アルゴリズムを身に付けさせる
❷計算手順を可視化
❸補助計算/補助具
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順々に解説していきます。
❶アルゴリズムを身に付けさせる
ここで言う「アルゴリズム」というのは、一定の順序の元で繰り返される計算手順のことです。
筆者の場合は、それを一言一句ブレずに言えるように、文言を確定しておきます。
例えば、わり算のアルゴリズムの場合は以下のようになります。
このアルゴリズムを声を揃えて一人一人が言えるようにする。
それを以下のような手順で行っていきます。
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①先生の後に続いて繰り返す
②念のため1.2倍速でもう一度繰り返す
③教師が言う割合を減らしていく
④自分一人でチャレンジさせる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて計算のやり方を習うのですから、まずは教えることが大事。
よって、①、②のような手順で計算の仕方を唱えさせていく。
そのようにしてインプットをしたら、教師が手順を言わずとも自分たちで気付くように促していきます。
例えば以下のようなやり取りです。
(太字が教師)
これだけのやり取りだと大体30秒ぐらい。
かなり速いテンポでやり取りを行っていることが分かると思います。
なぜなら速いテンポの方がノルアドレナリンが出て、ほどよい緊張感が生まれ、集中力が増すから。
このようにして慣れてくると、段々と指名が入るようになります。
「次に何をしますか?○○さん。」
と言った具合にです。
最初は算数が得意な子に当てていくのですが、時数を重ねるうちに、段々と算数が不得手だと思っている子どもにも当てていきます。
このアルゴリズムのよいところは、一言一句言い方が決まっており、それを単元を通してずっと行うので、ワーキングメモリへの負荷が非常に少ないということです。
そして、全員で声に出しながらやり取りをするので、毎回同じフレーズが音声で聴覚から入ることになります。
これは歌を覚える感覚に似ているのですが、リズムよくアルゴリズムを唱えていくことで、段々と脳に刷り込まれていき、歌と同じように滅多なことでは忘れなくなります。
そして、音読が黙読になるように、段々と声に出さなくても脳内で音声が再生されるように内言語化していくのです。
❷計算手順を可視化
❶の時に例としてあげた「12÷3」。
九九が瞬発的に出てくる子どもは、答えが4であることがパッと浮かびます。
しかし、ワーキングメモリの中でも、エピソードバッファという長期記憶から適切な情報を検索して引っ張り出す能力が低い子どもは、それができません。
そして、思い出そうとしている内に、
「次に何やるんだっけ?」
「さっき出した途中計算の答えは何だったっけ?」
と、他の重要な情報が抜け落ちてしまうことになり、足踏みしてしまうのです。
だからこそ、途中の計算もノートに書いていく。
すると忘れたとしてもノートを見てすぐに思い出すことができる。
この「3の段」の答えを「6、9、12」と書き出して言っているのは、そのような意味があります。
脳内で1個しか情報を保持できない人は、その1個をメモに書く。
そして次のことを聞く。
という形でなければ、必ずや忘れてしまうでしょう。
子どもも同じ。
だからこそ、計算手順を可視化していきます。
❸補助計算/補助具
補助計算も、計算手順の可視化と大体同じ。
これも、教師なら思ってしまいがちな
「そんな計算は暗算でできるでしょ」
というものをきちんとノートに書くということです。
なぜなら暗算が難しい子どもがいるから。
もしくは暗算で頭を一杯にすると、次の手順を忘れてしまうから。
例えば、「あまりのあるわり算」の単元の場合。
多くの手順はわり算と同じなのですが、あまりを出さなくてはいけません。
そのあまりを出す手順をきちんと書き出します。
以下のような感じです。
「13ー12」を筆算のような形にしてきちんとあまりを計算できるようにする。
このように脳内に保持する情報を極限まで減らすことによって、目の前の計算に集中力を注ぐことができるのです。
ちなみに、この計算の方法やアルゴリズムがのっているこの紙を、ほしい人には渡すようにしていました。
すると、自分一人で練習問題を解くときに、忘れてしまった場合は、手順表を見て思い出すことができます。
このような補助具があると、
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ワーキングメモリが極端に低い子
失敗に対する心理的不安が強い子
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が助かります。
安心して取り組むことができるため、計算スピードもずっと上昇していく。
加えて、九九表も必要な子どもにはもたせるようにします。
九九がすぐに浮かんでこないが故に、そこにエネルギーを割いてしまい、新しく習う単元の内容が全く入って来なくなれば本末転倒。
だから授業中でも、テスト中でも、九九表は持っていてOKとしておくのです。
算数が得意な子どもに対しての支援
筆者がこれまで解説してきた方法は、どうしても算数が不得手と感じてしまう子どもに対してアプローチする側面が強いので、算数が得意な子どもに対しては退屈しがちです。
だからこそ、算数が得意な子どもには、「クラスを引っ張っていく」というリーダーとしての役割を与えます。
筆者の授業では、早く問題を解くことができた人が、計算手順や答えを黒板に書いていっていました。
子どもというのは、黒板に書くと言う機会を好みます。
そうやって、早く解けた分、みんなに向けた解説を書かせ、迷っている人がチラッと見て、ヒントを得ることができるようにしてもらうという役目を担わせていました。
他にも、問題の解き方の説明をしてもらい、モデルを示してもらったり、ミニ先生になってもらい、仲間のヘルプに行ってもらったりと様々です。
ただ、それだけでは算数の純粋な面白さを伝える機会が十分ではないので、「難問」といった解けそうで解けない問題や、算数関連の知的な授業などを行い、
好奇心を忘れさせないようにしていたことも、算数の意欲を高めるための大事な支援の1つだったと思います。
難問に関する内容は以下の記事にまとめてありますので、まだ、目にしたことがない方はご覧になってみてください。
まとめ
筆者はLD傾向の子どもの支援をすることが好きです。
今まで様々努力をしても、工夫をこらしてきても、どうしても分からない。見失ってしまう。
そんな歴史を積み重ねてきた子どもたちは、皆、勉強に対して意欲を失いかけています。
しかし、適切な支援を行うことで、「自分でもできるかも」と思い始めた途端に、目が活き活きとし始め、勉強の面白さに目覚め始めるのです。
その瞬間がたまらない。
ただ、この記事で紹介したことだけで上手くいくわけではなく、45分の授業の中で、様々な工夫を散りばめ尽くす必要があります。
そのような方法は、少しずつ発信していく予定ですので、それが積み重なって、点と点が線としてつながり始めた時に、支援の効果はより倍増するはずです。
筆者もまだまだ、自分のまだ知り得ない方法を探究していきたいです。
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いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!
明日の記事は、
なぜあの人の話は分かりやすいのか?「話す」を磨くために意識したいこと
です。
話し方はトレーニング次第で上達できる。そして、話の分かりやすさを追究するには、人間の脳についてフォーカスすることが必須です。
是非、楽しみにしていてください🎵
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