【日記】2月1日〜2月7日
2月1日
セール明け、月初の月曜日。が、静かな日。まだまだ敢えて出荷しない商品がある。いずれ一気に出すとしたらなかなか恐ろしい。果たして。
都市とカンタータの新しいシングル「僕の部屋に朝がきた」は本当に素晴らしい作品だと思う。都市カンの音楽はいつだって美しい。そして眩しいくらいにキラキラしている。
2月2日
朝、上司が神妙な顔をしながら近づいてきた。
「あのさ、今年年男だよね?」
「はい」
「悪いんだけど、豆まきしてほしいんだ」
「えっ」
毎年節分になると年男・年女の人間は会社のほぼ全ての部署を周り、「鬼は〜外!福は〜内!!」と声出しをしながら豆を撒くイベントがあったことを忘れていた。確か去年は開催されなかったはずだ。
今年は先日入社したばかりの女性の新人さんと自分しか該当者がいないため、二人で豆を撒いてほしいとのこと。豆まきの立会人として自分の上司が同行するらしい。
夕方になり、翌日のガレージセールの準備に追われていると内線が鳴った。豆まきの準備が整ったとのこと。上司と近くにある本社ビルに行き、それから元気良く二人揃って「鬼は〜外!福は〜内!!」の掛け声をあげながら豆を撒きまくった。社長から「"コロナ〜外!"って言いなさい!」と檄が飛ぶ。ある部署では撒き終わると盛大な拍手をいただいた。
もちろん、ガレージセールの準備でピリつく自分の部署でも同じように豆を撒いた。その際、心の中でひたすら謝罪の言葉を繰り返していたのは言うまでもない。
2月3日
ガレージセール前日準備。前回に引き続きコロナ対策を万全にしなければならないので、その分手間が増え会場設営に4時間かかる。激しい疲労とともに帰宅。
2月4日
ガレージセール初日。階下のセール会場で安室奈美恵が流れている。ひたすらニットをハンガーにかける地道な作業をする日。
記念すべき第40回となる今週のカタカナ配信は、コロナ禍によって肥大化してしまったミツビシテツロウ氏にメンバーさんそれぞれが考える最適なダイエット法をプレゼンする、という企画。神回。
ピッチピチのトレーナー姿や画面でもはっきり分かるくらいに大きくなったお腹周りに驚愕。在宅作業で毎食ウーバーイーツ生活だとここまで太るのか。メンバーさんのプレゼンを見ながら世の中には様々なダイエット法があることを知る。その中でもセイヤさんが紹介していた"アーマパーチャマ"が特に気になるもなかなか難解。さあて、これからミツビシさんはどれくらい痩せるのか。
2月5日
セール2日目。昨日は安室奈美恵縛りだったセール会場の音楽が最近のヒット曲に変わっていた。「a walk in the park」が流れてくるたびにふと口ずさむのが楽しかったのだけど。
昨日に引き続きハンガーかけの作業に終始。とても静かな金曜日。
夜、ピンク・フロイド「狂気」を聴く。思えばこの作品を聴くきっかけは向井秀徳氏の日記だった。
ピンクフロイドのアルバムをいっぱい聞く。
「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」は、73年に発表以来、ロングセラーを続け、3000万枚以上のセールスがあるという。
たしかにこの作品は、人を惹き付ける特別な何かがあると思う。
曲は他のフロイドのアルバムと比べて、ピンクフロイドらしい「地味」なもんだ。が、何故かこの作品の曲、音色、演奏を、アルバム通して聴いていると、その一音一音に心を揺り動かされる。そしてえらく落ち着く。俺は音楽にリラックスを求めない。静かな曲調でも胸をかき乱されるような、扇情的な音楽が好きなのだが、ピンクフロイドは気持をいい具合に落ち着かせてくれ、それがとてもいい。安らぎである。この安らぎを求めて、多くの人がこの作品を聞くのだろう。
「向井秀徳日記」2006年7月3日分より
2月6日
ビル・エヴァンス「タイム・リメンバード」を聴く。自分はビル・エヴァンスのピアノを聴くととても落ち着く。
井伏鱒二「太宰治」を読む。井伏鱒二から見た太宰治の姿が自分はとても好きだ。筍狩でのエピソードを読んで太宰治のことがさらに好きになった。
巻末に収められた井伏鱒二の奥さんのインタビューで「太宰さんの葬儀のとき、自分の子どもが死んでも泣かなかった井伏が声を上げて泣いた(中略)私にとって井伏を思うことは太宰さんを思うことでもあります」と話していて、それが何とも切ない余韻を残した。
ところで太宰治の小説「ダス・ゲマイネ」のタイトルはドイツ語ではなく、津軽弁の「ン・ダスケ・マイネ(だから駄目)」をもじったもの、と書かれているけれど本当なのかな。
取り寄せていたマイルス・デイヴィスのCDを受け取るべく夕暮れの街を歩く。居酒屋の客引きの男性がマスクを着けずに道行く人に大声で話しかけているのを見て思わず憤る。
2月7日
素麺を茹で上げ素早く食べる。冬の終わりに食べる素麺もまた美味しかった。
マイルス・デイヴィス「イン・コンサート」を聴く。1972年9月のある夜、ニューヨークのフィルハーモニックホールで行われたマイルスバンドのライヴ音源。ジャズ、ファンク、インド音楽、ロックを攪拌機に入れてぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたものにマイルスのトランペットが複雑に絡む、そんな内容。混沌の心地良さに酔う。当時はまだ「オン・ザ・コーナー」もリリースされていなかった。このライヴを体感した人達はどう受け止めたのだろう。
太宰治「新樹の言葉」を読む。新潮文庫。
「I can speak」はbloodthirsty butchers"kocorono 最終盤"のブックレットに全文掲載されているので再読。「八十八夜」を読みながら思わず主人公に共感してしまった。
夕方、明日からの慌ただしい日々に備えて少し長めの散歩に出る。人混みを避けながら。
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