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最新作『インディー・ジョーンズ』は俺が30年前に観た『インディー・ジョーンズ』だった。

『魔宮の伝説』 (1984年)
 最初に観た『インディー・ジョーンズ』シリーズはこれだった。
 いくつの時に観たのかは正直定かではないが、小学生だったか、それ以下だっただろうと思う。
 日曜洋画劇場だったはずだ。

 猿の脳みそを食べたり、洞窟の壁に無数のムカデやコックローチ等が這い回り、人形の呪いで傷付き、ワニの谷で橋が落ちる。
 あまりにショッキングな映像の数々に、トラウマにも似た衝撃を脳に刷り込まれたのを今でも自覚している。

 あの時私は映画に、そして冒険に魅了され、囚われたのだ。

 幼い頃にあんなものに影響を受けたものだから、その後の趣向も偏ってしまったのだと思う。

 行ってみたい国はエジプトやカンボジアやギリシャだし、観たい遺跡はマチュピチュやアステカやマヤだし、好きなゲームは『ランドストーカー』や『アイラブドナルドダック グルジア王の秘宝』や『シャイニング・フォース』だ。

■ランドストーカー

■アイラブドナルドダック グルジア王の秘宝

■シャイニング・フォース 神々の遺産

 
 虫圭の捻じ曲げられた趣味趣向はさておき。
 
 映画『インディー・ジョーンズと運命のダイヤル』を観てきたのだ。

 
 レビューとかを書くつもりは無い。
 感想は一言で済む。


「インディー・ジョーンズだった!」


 これだけで完結する。
 最高にインディー・ジョーンズだったのだ。

 ということでこれ以降に書かれていることは蛇足と言うか、

(蛙・ω・)<『インディー・ジョーンズ』を知らない人とか、観ようか迷ってる人に向けて書くとする。
 

 本作の魅力は、脚本が最高とか映像のざらざら感とか伏線回収とか「インディー✕ヒロイン(相棒)✕男の子」のセットとか良い所を挙げればキリが無くなる。
 とにかく「インディー・ジョーンズ」だった。
 
 だから改めて、観ていない人に言いたいのだ。

『インディー・ジョーンズと運命のダイヤル』を観に行け。


 と。
 出来るならドルビーアトモスとか「音の臨場感が楽しめるシアターの方が良いぞ」とも言いたいのだ。


□知らない人おる?

『インディー・ジョーンズ』シリーズをあまり知らない故に「気になるけどあまり知らないし」と足踏みしている人がたまたまこのnoteを読んでいると仮定して簡単に紹介すると、

考古学者で冒険家のインディが主人公。
歴史を揺るがすようなお宝に惹かれ遺跡や危険な場所に乗り込んだり、街中や鉄道や空でハードなスペクタクルを繰り広げたり、人智では再現し得ない未知の力と遭遇したりする。

 そんなアクションでファンタジーな映画となっている。
 ハリウッド映画よろしくの作品ヒロインとのキスシーンとかも無くはないが、それはけっこうオマケで、大冒険が主軸と言って過言ではないだろう。
 
 あと、現代では到底許されないであろう、倫理観を逸脱した街中でのカーチェイス(その辺の車をパクって最終的に壊す)も醍醐味の1つと言える。
 インディは作中有名な冒険者であるが、たいがいな犯罪者とも言える。(あまり深く考えてはいけない)

 そして今作の『インディー・ジョーンズ』であるが、シリーズ最新作、そして恐らくは最終作であろうという点を踏まえて、学校に、陸に、山に、海に、洞窟に、空に、とにかく目まぐるしく舞台が移り、超冒険する。

 高名な冒険家インディアナ・ジョーンズとは過去の栄光。落ちぶれ老いぼれたインディが、友人であり考古学者仲間である男、の、その娘と、娘の仲間である悪ガキと共に冒険を繰り広げるストーリーとなっている。


□観ようか迷ってる人おる?

 この友人の娘というのが、一筋縄ではいかない女で、一言で言って、

相当ヤバい。


インディの今作の相棒ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)

 本人は自身のことを「自立心のある女」と語るシーンがあるが、自立心のある女と言うか「何がなんでも自分の思い通りにするヤバいヤツ」である。
 ちなみにこれは褒めている。
 登場から終盤まで、ずっと「ヤバいヤツ」を貫き通すもんで、この手のキャラを受け付けない人もいると思うのだけれど、このキャラがヤバいヤツだからこそ、今作は成立していると言える。
 何故なら、インディがヤバくないヤツだからである。
 今作もインディは破茶滅茶な冒険に巻き込まれたり、頭を突っ込んだり、破茶滅茶の最中に居座ろうとするのだが、それはあくまでインディの倫理観に基づいている。
 
それは「いい大人」とか「考古学者」だからである。

 インディは、「こうすべきだ」と言う。
 そしてヘレナは、「こうする」と言う。
 
 だからこそバランスが取れる。
 
 老いさらばえたインディを引っ張るのは、「何がなんでも自分の思い通りにする」倫理観も正義感もぶっ飛んでるヘレナなのだ。

 
 ちなみに冒険に一緒に付いてくる男の子のテディもヤバい。悪ガキは悪ガキでも、ガチで頭の回るタイプのヤバい悪ガキである。

左:テディ(イーサン・イシドール)

 何がヤバいと書くとネタバレになるので伏せておくが、とりあえず、

 この冒険に付いてくる(ヤバい女:ヘレナに付いてくる)度胸がまずヤバい。
 目的は『金』である。

 なんかガッポリ稼げる儲け話をヘレナが持って来たから乗った。
 それだけの理由で冒険に付いてきている。(当初は)
 それだけの理由で危ない橋を渡るのだから、コイツも倫理観と正義感がぶっ壊れている。

 育った環境が違うから、という部分もあるのだろうが、だからと言って命の危険が目に見えて在るインディとヘレナの冒険に最後まで付き合う度胸が本当にヤバい。
 最後の最後までヤバい。

 
 これまで幾度となくヤバい状況に身をおいてきたインディと、そんなインディの冒険を幼い頃から聞いて育った倫理観のヤバいヘレナと、ヘレナと出会った時点で既にヤバかったと思われるテディの、ヤバい3人組の超冒険が最高にヤバかったのが本当に面白かった。


インディ・ジョーンズはヤバくねぇと。


 それでこそ、『インディ・ジョーンズ』だよ。

 
 と、劇中に思ったり観終わって思ったりした。
 
 久しぶりに衝動のまま映画noteを書いた。
 実は『THE FIRST SLAM DUNK』(を2回観た)と『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』 のnoteも書きかけて止まっているのだが、『インディー・ジョーンズ』は書きたいことを最後まで書き切らせてくれるだけの熱量を持っていた。いや、持たせてくれた映画ということになる。
 
 
 気になって、さっさと観に行って本当に良かった。
 万が一、劇場で観なかったら、劇場で観なかったことを一生後悔する所だった(虫圭はジブリの『風立ちぬ』を劇場で観なかったことを一生悔やんでいる)。

 
 てことで。
 

『インディー・ジョーンズと運命のダイヤル』を劇場に観に行こう!!!!!!!!

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