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それでもオフィスに行く理由(2/7)

1.集合した方が効果的な仕事がある
2.「図書館の勉強」効果
3.時間管理の効率化
4.組織活動を可視化する
5.孤独・孤立を解消する 1/22/2
6.帰属意識の醸成
7.会社の顔(象徴)となる
7+1.似て非なる「デジタルツイン」オフィス

2.「図書館の勉強」効果

自室で勉強できるのに、わざわざ図書館やカフェに出かけていって勉強した経験をもつ人は多いのではないでしょうか。

オフィスでの仕事も、図書館で勉強するのと似たような効果がみられます。これを「"図書館の勉強" 効果」と呼んでいます。図書館はもともと書籍を探して借りたり、その場で読んだりする場所ですが、勉強するための環境が揃っています。

物理的な快適環境

良いか・悪いかはおくとして、図書館で勉強する理由の一つは、外部の喧噪を遮断した静かな環境、適切な照明、快適な温湿度といった、物理的な環境が整っていることがあげられます。

物理的な環境という点で付け加えれば、天井が高く、総じてお金がかかった建物で、とにかく膨大な書籍に囲まれているという、自宅とはまったく異なる環境が用意されている点も大きいといえます。これが自宅や自室を離れ場所を変える大きな理由になります。

同じ目的をもつ人が集まることで集中できる

また、別の理由として、同じような目的を持つ人たちが集まっていることがあげられます。

例えば、おしゃべりをする人がいて集中が削がれたとしても、おしゃべりの動機がある程度、理解できるので、やり過ごすことができる。
同じ行動目的を持つ人が集まる場所。これが、集中して勉強に取り組むために最も優れた条件になります。

リラックス・リチャージする場所を併設

さらに、図書館には、適度にリラックスしたり、リチャージしたりする場所が併設されています。
勉強に疲れたら、個人的に関心ある趣味の雑誌を読んでも、自動販売機でコヒーを呑んでも、ロビーで往来する人たちを眺めても、職員さんと友達になってもいい。自宅にはこのような場所や環境はありません。

このように図書館では、自室で決して得られない特別な環境が手に入るので、勉強で利用する人が多いといえます。

オフィスも、図書館と同様に、仕事に集中できる環境が用意されています。日常生活と切り分けが難しい在宅勤務と比べ、集中して仕事する様々な条件が揃っているだけでなく、最近のオフィスにはアメニティスペースが作られるなどリラックス・リチャージする場所も設けられています。

反復が新しい日常を作る

そして、重要なのは、図書館にせよ、オフィスにせよ、お気に入りの場所として日常に組み込まれることです。
例えば、図書館という場所に足を踏み入れた途端、ある種の「スイッチ」が入る。そのスイッチを入れるために図書館に通うようになる。こうして生活の一部に図書館が組み込まれます。
そして、自宅、学校、塾といった居場所に図書館が組み込まれると、そのことで生活リズムが変わり、生活の質が変化し(高まり)ます。

現在、オフィスは「全員毎日出社」という慣習でなく、目的を持っていく場所として再定義されつつあります。
ワーカーが、ある種の「スイッチ」を入れる場所として、自宅ではなくオフィスでの仕事を選択する。そして、それを反復していくことで、個々のオフィス利用パターンが生まれる。同時に、それぞれの仕事や生活の質が向上する。

このように、アフターコロナのニューノーマルは、ワーカーの日常から立ち上がっていきます。

次は、「それでもオフィスに行く理由」の続きで「3.時間管理の効率化」を上げる予定です。

(丸田一如)

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