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それでもオフィスに行く理由(5/7 ①)

1.集合した方が効果的な仕事がある
2.「図書館の勉強」効果
3.時間管理の効率化
4.組織活動を可視化する
5.孤独・孤立を解消する 1/22/2
6.帰属意識の醸成
7.会社の顔(象徴)となる
7+1.似て非なる「デジタルツイン」オフィス

5.孤独・孤立を解消する 1/2

テレワークの普及で、ワーカーには働く時間と場所の「選択の自由」が与えられつつあります。仕事と生活のバランスも自らコントロールできるようになるなど、仕事の環境は一変しました。
しかし、この自由について、二つの課題があります。

孤立の問題

一つは「孤立」の問題です。
テレワークの普及によって、仕事も人もオフィスから自宅へ分散しました。分散したまま、仲間と交流が希薄になることで生まれる孤独や孤立。
自由論では、個人は自由を獲得しただけでは孤独なままで、孤独に耐えきれずに、再び自ら自由を捨てていくと指摘します。テレワークで生まれた孤独や孤立も、放置してしまうと同じ問題が起こります。

パーソル研究所が20年に実施した「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」によると、テレワーカで「孤立していると思う」と回答した人は28.8%。テレワークの頻度が高いほど孤独感は高くなる結果がでています。また、不安の種類も、相手の気持ちがわからない、サボっていると思われてといないか不安など様々です。

孤立の問題は、他人と交流することが最大の解決策です。
物理的空間での相対の交流が孤立の問題を解消し、その点でオフィスの役割は重要です。

WeWork調査においても、コロナ禍以降最も悪化した業務としてあげられた「出会い・コミュニケーション機会確保」に対して、「ワークスペース環境整備」、つまりオフィスが問題解決策として期待されていました。

オフィスは、もはや毎日出社する場所ではなく、目的的に活用される場所に変わりつつあります。
ただ、それだけではなく、街歩きを楽しみながら偶然の出会いや、交流、発見があるように、オフィスには未知な可能性が潜む空間になることが求められています。
空間設計上も、例えば、動線(廊下)に接してフリースペースを配置して偶発的な交流を促すなど、さまざまな工夫が施されています。

可視化ツール(デジタルオフィス)が有効

一方、「可視化ツール」も、孤立問題の解決に有効です。
ワーカーがどこにいても、可視化ツールを使えば、同僚・上司・部下が「どこ」で「何」をしているのかリアルタイムで把握可能です。物理的な空間で分散していても、デジタル空間では見通しが利く。

デジタル空間を活用して組織活動の気配を感じること、そしてそれを確認しようと思えばいつでも確認できる環境を手に入れることは、孤立問題の新たな解決方法になります。


次は、「5.孤独・孤立を解消する」の続きで、もう一つの自由の課題「責任の問題」を考える予定です。
どうぞよろしく。

(丸田一如)

<参考>
パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」2020年
WeWork Japan 「コロナ禍長期化における働き方意識調査」2022年

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