魚津で新たな魅力を発見 ~富山県~
二日目の朝。
富山駅へ。ひとり朝散歩です。
前回の記事はこちら
────────
今日はレンタカーで出かけます。
お世話になるのは、くろしお旅ではお馴染みのJR駅レンタカーです。
宿泊したホテルは、JALシティでした。下記地図に記しておきます。
今回は早得きっぷを提示すれば割引が受けられるプランがあったので、そちらを利用しました。
詳しく知りたい方はこちら。
さて、今日向かうのは魚津市です。
魚津市にある 「東山円筒分水槽」 へ。
名称だけでは、なにそれ?って感じですね。
ここは、とやまビューポイントに指定されています。
それぐらい、とても珍しい建造物と美しい景観が待っていますよ。
こちらです。
この地域の農業用水を公平に分配するためのシステムで、サイフォンの原理を利用した、電力がかからない自然の力だけで水が溢れ出ている水槽なんです。
周りはとても静かで山と田畑が広がっているだけ。
勢いよく溢れ出てくる水はものすごい音がするのですが、全く雑音には聞こえません。むしろ心地良さを感じます。見た目も美しく、不思議な感覚に包まれますので現地へ行かれて豊かな水量の音を聞いてほしいと思います。
ここは国の登録有形文化財にも指定されています。
周りは綺麗に整備されていて数台ですが、駐車スペースもありますよ。
その他のアクセスは魚津駅からバスが運行されていますが、少し注意が必要。
上記にアクセスしたら、「天神ルート」の「PDF形式」をクリック。そうするとバスの時刻表が出てきます。こちらの路線バスは、前日までに予約をしないと運行されないようなので、予定を立てた上で、行きと帰りのバスを予約して下さい。
気候がよければ側にベンチがあるので、水の音を聞きながら1時間は見ていられるかな。ボーッとしているだけで心がピュアになります。
ただ、見学だけなら10分~20分もあれば充分です。周りに何もないので、バスの時刻はしっかり調べてから行くようにして下さいね。
もうひとつは自転車。魚津駅観光案内所でレンタルできます。
東山円筒分水槽は、「田園サイクリングコース」になっているので、レンタサイクルをする際に尋ねてみるといいと思います。
このあたりの路線は、あいの風とやま鉄道と富山地方鉄道がほぼ並走するように走っています。検索に入れているのは、あいの風とやま鉄道の魚津駅です。
あいの風とやま鉄道の魚津駅と隣接しているのは、富山地方鉄道の新魚津駅なので、地鉄で行かれる場合の下車駅は気をつけて下さいね。
アクセスを色々紹介しましたが、それだけみなさんにも行ってもらいたい “とやまビューポイント” のひとつです。
───────
では、次のスポットへ。海の駅 蜃気楼に向かいます。
母は何を頼んでいたかなぁ?
写真はこの2枚しかありませんでした。(汗)
食事のあとは、海の駅 蜃気楼を出るとすぐに見渡せる海の方へ行ってみましょう。
さて、ここから歩いて行けるのが、さきほど道路標識にもあった
「魚津埋没林博物館」です。
正面口まで回らなくても裏口のような通りから入っていけます。ちゃんと案内板もあるので安心して進んで下さい。(冬季は閉鎖されている場合あり)
最初にお伝えしておきます。
ホームページによりますと下記の期間は休館のようです。お気をつけください。
そもそも埋没林とはなんでしょうか?
簡単に言えば、埋もれた林です。
2000年ほど前、このあたりは杉を中心とした原生林だったそうです。しかし片貝川の氾濫によって流れてきた土砂で原生林は埋もれてしまい、地上にあった木々は枯れてしまいます。
遠いむかしは、今よりも気温が低かったため海面が今より低い位置にあり、原生林の木の根部分も同じく低い位置にありました。しかし気温変動による海面の上昇などで、土砂に埋もれた木の根はさらに海の底へと潜ってしまったのです。
海面の上昇だけで原生林が沈んでしまっていたら、木の根も腐って無くなっていたかもしれませんが、河川の氾濫により運ばれてきた土砂で埋まっていたため、そのおかげで酸素が入り込むことなく微生物やプランクトンなどが繁殖しにくい環境が保たれました。
その結果、木の根を食い荒らされることもなく、さらに地下からの湧水があったおかげで、その当時の姿のまま地中にあり続けることができたのではないかと言われています。
土砂の上にのしかかった海面が漬物石のような役割をしたのかもしれませんね。土砂はものすごい圧力を受け、木の根の部分は真空状態のようになっていたのかも。
ではなぜ、こんなにも地下深く潜ってしまった木の根が、今こうして人目に触れることができているのでしょうか。
それは昭和初期に魚津に港をつくる開拓工事のため掘削作業が行われ、その時にたくさんの木の根が姿を現したのだそうです。
そのひとつである巨大な木の根は見つかった場所から移動させることなく、このような状態で展示されています。
さきほどお話したとおり、この木の根はここで見つかったもの。
と言うことは、この博物館は後付けなんです。木の根に合わせた水槽をつくり、そして建物を建てて誕生したのが 「魚津埋没林博物館」 です。
なので、この水は地下水をポンプで汲み上げて満たしているのだそうです。実際に、水槽をじっと見ていると所々で空気の泡が上がってくるのがわかります。すごい施設ですよね。本来の姿をいつまでも守りたい思いで地面ごと保管しているのですよ。
この博物館一帯には、まだまだたくさんの埋没林が埋まっているのだそう。
この埋没林の木の根は天然記念物に指定されていると書かれていることが多いのですが、調べてみると木の根ではなく埋没林が埋まっている土地に対して天然記念物と指定されているのだそうです。
ってことは、、、
水の中にある巨大な埋没林は水槽の側面からも見れるように、階段で降りていくことができます。
水族館のような視点でも見学できるので、木の根を近くで観察でき、水の泡が地面から水面に上がっていく様子も良く見えます。
2000年以上前のものが、このような立派な姿で今世に残されている地球の壮大な物語をご自身の目で確かめて欲しいと思います。
まだまだ展示物はたくさんあります。蜃気楼のことも学べたり、この辺りは江戸時代まで金が採掘できていたそうで、それらの歴史もわかりやすく展示されています。
あと、ここに来たなら、ぜひ食べて欲しいスイーツがあります!
それは博物館の正面入り口にあります。海の駅蜃気楼側から来た場合は、博物館の入場ゲートを逆走する形で正面玄関の方へ歩いて行って下さい。(そんなに大きな博物館ではないので、通路は一本しかなく分かりやすいと思います。)
ほんとうに、フルーツなのかケーキなのか、食べてもキニナルスイーツです。
フルーツ本来のジューシーさや甘さとのバランスを考えた控えめな風味のカスタードや、ちょっとダークなチョコレート。フルーツとの相性抜群な組み合わせで、隙のない美味しさ。
食べる!って決めたなら、博物館に入場する前にいただきましょう。こちらのレシートを提示すると入場料金が割引されますよ。
穏やかながらも奥の深さが計り知れない地球規模の歴史を見ることができ、時間の経過がワープ級でした。もうそろそろ魚津とはお別れの時、富山駅に戻ります。
魚津は港町の雰囲気と下町感が鉄道の線路を境に、こじんまりと広がっている印象を受けました。小さいながらも歴史の背景には大きなエネルギーを地中に蓄え、富山の “縁の下の力持ち” がここ魚津なのかなと思いました。
どこに行っても新たな発見に心躍る富山。
いつもありがとう。
1泊2日だったけれど、母も楽しんでくれたようです。高齢の母にとって、新幹線+特急は乗車時間も適切で到着まで座席も快適なので、身体に負担がかからずよかったみたい。鉄道の速達化は物足りない気持ちもある反面、旅をする人の幅が広がるキッカケにもなるのですね。
これからも、上手に使い分けて旅ができたらいいな。
最後に、どうでもいいプチ情報をひとつ(笑)
北陸新幹線には車内メロディが2種類あるのをご存知でしょうか?
これは、JR東日本の車両(E7系)とJR西日本の車両(W7系)があるから。車体や車内仕様は全くといっていいほど同じなのですが、それぞれで車内メロディ※だけは違うのです。
※新幹線や特急に乗車してしばらくすると、「今日もJR○○をご乗車いただきありがとうございます。この電車は~」の前に流れるメロディのことです。
JR東日本(E7系)は上越新幹線でも使われているメロディで関東の方は馴染みがあるかもしれませんね。
JR西日本(W7系)は特急サンダーバードにも使われている谷村新司さんの北陸ロマンというメロディです。
私はやっぱり、北陸ロマン派!
乗換案内でもE7系、W7系と表記されているので事前にわかるのですが、ホームに入線してきた新幹線の車体からも確認ができます。
車体の下の方の車両形式ナンバーの頭文字を見てみる。
行きと帰りで、違う車両に乗れたらメロディの聴き比べをしてみてくださいね。
北陸新幹線で行く北陵旅の楽しみ方のひとつにしてもらえたら嬉しいです。
では、またね。
くろしお
富山駅で購入した駅弁が美味しかった!おすすめです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?