頭の中の演奏家
いつか、ある老人が、
僕にこんな話をしてくれた。
その老人の頭の中には演奏家がいるのだという・・・
老人はこう言った。
頭の中の彼は、どんな楽器でも弾くことができて、
わたしの可笑しくも切ない人生劇場を
いつも最高に盛り上げてくれるのだ。
わたしがやらかしてしまった時、
彼は、とても切ないチェロを奏でて、
どこまでも、わたしを落ち込ませてくれる。
わたしが恋をした時、
彼は、とても軽やかなピアノを弾いて、
まるで、春が来たかのような勘違いに、
ひたらせてくれるのだ。
そんな演奏家の彼は、
わたしの一番の親友でもある。
わたしが深く悲しむ時・・・
彼は演奏を止め、
いつもわたしに寄り添ってくれるのだ・・・
あなたの中に
寄り添ってくれる親友はいますか?
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