種をあやす 在来種野菜と暮らした40年の言葉
今年読んだ本の中で、一番感動した本。
野菜作りには関係ないという方も、在来種の価値は既に知っているという方も、この本が目に留まったすべての方に読んでほしい本です。
どこに感動したのか。それはこの本すべてに渡るので、とても書ききれません。
そこで一つだけ、私が意外で印象に残ったことを引用させていただきます。
種を採るための母本(野菜)を出来の良し悪しで厳しく選抜していくと、見栄えのいい野菜が採れるようになっていった反面、種の採れる量が毎年減っていったというお話。
私もてっきり、より理想的な個体を選んでいくこと=野菜作りを極めていく道だと思っていました。
そして以前、生殖医療の未来に関して、より理想的な子供をカスタマイズ(性別、体型、髪の色、目の色、IQ etc.)できる方向へというニュースに強い違和感を感じたことを思い出しました。「それはいけない」と生き物としての本能的な危機感だったのかもしれません。このことに限らず、私自身の経験からも、不自然なことは行き詰まると感じています。
美醜や存在価値のある人/ない人だなんて、私たちの狭い判断でしかなく、一人一人個体のすべてが掛け替えのない存在。
「それが綺麗事ではなく真実なんだよ」と、あたたかかく包まれたような気持ちになりました。
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