自然と童話が共鳴した建築:トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園
こんにちは
今回はボクの地元で(有)倉島木工所の拠点、埼玉県飯能市にある「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」のお話をしようと思います。
「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」の建設当時、倉島木工所は木製建具の製作・工事で関わらさせていただきました。
現在、小規模の修繕工事中で弊社も業者の一つとして木製建具のメンテナンス工事で携わっています。
※現在、修繕工事は終了しており通常通りにご覧いただけます。
あけぼの子どもの森公園はムーミンの作者でもある児童文学作家トーべ・ヤンソンと関わりのある場所であり、またボク個人としても思い入れのある場所です。
それでは本題に入っていきますが、
よろしければお付き合いくださると嬉しいです。
|作者の思想から生まれた公園
さて、まずは「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」とは、どんな公園なのか、を知っていこうと思います。
飯能市には「ムーミンバレーパーク」というテーマパークがあります。
どちらもムーミンやトーべ・ヤンソンの世界観を体験出来ますが、違いを言うのであれば、
・トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園はトーべ・ヤンソンの作品に触れる記念館や美術館的な場所
・ムーミンバレーパークは体験型商業施設
という感じで捉えてもらえたらと思います。
引用部分をご覧なるとわかりますが、児童文学作家トーべ・ヤンソンとの手紙のやり取りから始まり、国の平成記念子どものもり公園事業の指定を受け1997年に開園した市運営の公共施設です。
建築家は故村山雄一氏。
数年前にお亡くなりになり、あけぼの公園の建築群は村山先生の遺作とも言える作品です。
子ども劇場、きのこの家、森の家、トーべ・ヤンソンの思想や作風をモチーフにし、構想を練った建築が公園内に散在しています。
どの建造物も入ってみると、照明が少なくぼんやりしていてちょっと暗い感じはしますが、自然光が差し込む内部はどこか包み込むような温かさのある空間になっています。
こうした柔らかな曲線の外観・空間は村山先生が手掛ける建築の特徴で、トーべ・ヤンソンの世界観と非常にマッチしているのではないかと思っています。
|これからも愛される場所に
あけぼの子どもの森公園にある建築群は全て木造建築です。
外観のイメージから想像できないのですが、どの建築も中に入ってみたときの木構造の姿は圧巻です。
磨き丸太が多く使用された柱や梁、階段など至る所に木の力強さが伝わってくる造りになっていますので、建築を学んでる方、好きな方にはそちらに目が奪われてしまうかもしれません。
建設当時、まだ学生で仕事には携わっていませんでしたが、今改めてこの場所を訪ねてみると、
建築家は作者と作品と思想に向き合い、
大工の棟梁は木という素材に向き合い、
ここに集まった作り手たちの知恵と経験と技術を結集し、具現化させたのがトーべ・ヤンソンあけぼの公園の建築群だと改めて感じます。
で、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園を手掛けた建築家 村山雄一氏は、ボクが建築を学ぶキッカケを与えてくれた方なんです。
『“感動”を大事にしなさい』
これは村山先生からいただいた言葉。
以前に記事にも書いたのですが、日々の活動の中で特に自分に響いたことや心が動いたこと。
それが建築なのか街並み、自然がつくる情景、言葉なのか、どれでも良くて大事なことは、感動したモノゴトをしっかり自分に焼き付けておくこと、そうしたことが巡り巡って自分の作品を作る時のアイデアの源となる、ということを教えていただいたのだと感じています。
これからもこの言葉を大事にしていきます。
「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」が完成してから20年以上が経ちました。
今なお、ここには大人から子供まで沢山の人たちが訪れ続けています。
建築が好きな方、
童話やムーミンの世界観が好きな方、
どのアプローチからでも楽しめる公園です。
今、周囲の木々が新緑となり、とても清々しい風景が広がっています。
気候もちょっと暑いですが、外に出たくなるような気持ちの良さを感じる季節でもあります。
GWのお出掛けの案に一つ加えてみてはいかがでしょうか。
瑞々しい自然と包み込むような建築が皆さんのお越しをお待ちしております。
ということで
今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
ステキなGWをお過ごしください。
ではまた
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