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全国建具展示会に向けて、っていう話

こんにちは

まずはお知らせをさせてください。
11月11日(金)−12日(土)に全国建具展示会が開催されます。
※現在は終了となりました。

名前そのままの通り、建具がズラッと並んだ展示会です。
組子細工が組み込まれたモノから加工技術が押し出されたモノ、またはちょっと変わった木工製品や木製家具など各地の建具屋さんが製作した木製品が多く展示される催し物です。(入場は無料)

お時間または興味がございましたらぜひお越しください。

その展示会にボクも出展します。
ボクも、と言ってしまうと語弊がありますが、いち事業所(倉島木工所)として出展です。
詳細に言うと展示物や展示スペースの設計をボクが担当し、職人さんが製作したモノを展示する「チーム倉島」という建付けになっています。

ということで現在、出展作品を作っている最中で慌ただしくさせていただいております。
全国建具展示会の運営の都合上、作品を事前に公開するのは難しいのが心苦しいのですが、こんな方向性で展示する予定だよ、ということをお話していこうかなと思います。

展示公開後に改めてお話しますが、その時の内容と今回の内容を見ていただくと、そういうことね、っていうところに着地出来たらいいなって風に思っております。

それでは少し耳を傾けてもらえたら嬉しいです。


■建具っぽい、を目指して

今回の展示作品は
建具っぽいモノ、を展示します。
「ぽい」ということで襖や障子や組子が入った、いわゆる建具ではなく、建具の特性を取り入れた道具、という意味です。

なんでそう考えたの?という点については
この先、建具を活かすにはどうしたら良いか?という問いがベースにあります。

背景には、昭和の頃まで見られた和室と言われた日本的な部屋。
そこには襖や障子や欄間があり、建具職人の技術を活かせる場所がありました。

しかし、現在では生活様式も変化して和室を求める人も少なくなり、間を仕切る建具も少なくなりました
その結果、建具を作る職人さんも減ってなかなか厳しい状況、というのが「今」です。

じゃあ、どうするの?、このままでいいの?
という先ほどの問いになります。

その問い掛けの解を見つけるために、ボクはまず歴史を知ることから始めました。
何回かnoteでもお話させていただいている「建具というものを考えてみた」シリーズがそれです。

▼お時間が許す時にのぞいてみてください。

■作品を出す背景

建具の歴史と言っても、造り方の変化、を追うだけではなくて、時代毎の暮らし振りで建具はどのような使われ方をされていたのか?という建具目線で日本の歴史・文化を見てみた、という感じです。

伝わりますかね?

で、その時に暮らしの中で建具はどのような役割、意味を持っていたのかを自分なりに追っていきました。

こうして見てきた中でひとつ思うのは、四角い枠の中で動く建具(「戸」や「扉」)は仕切る道具という大きな種類のうちの一つであること。
では、枠の外に出たら存在しなくなるのだろうか?
いやそうではない、
歴史から見れば几帳や屏風や蚊帳など単体の道具はある、ということに気づきます。

だとすると、四方の木枠に依存せずに建具の特性を落し込み、木組みの構造体と覆う素材で作れば、それは「場を作る道具」になるのでは?という仮説が浮かんできます。

この仮説を元にして、建具のような性質を持った道具、を今回の全国建具展示会で展示してみようというところに行き着きました。
そして、その道具(作品)が、まだまだ建具って活かせるね、と一握りでも可能性を感じてもらえたのならボクの中での目的を果たせたと言えるところです。

と、ここまでが展示会に出す作品の背景になります。

今回の展示会に向けて設計していると、これまで建具や建築の歴史・文化を見てきた、読んできた、調べてきた、「点」が少しずつ「線」になる瞬間があることに気づきます。

そう、ここ数ヶ月で言えば観覧したジャン・プルーヴェやクリスト&ジャンヌ・クロードなど一つ一つ展覧会(点)が自分の中では線のように結ばれていく不思議があります。

次回はその辺りのお話をしていこうと思います。
ひとまず、今回はここで失礼します。

※追記
▼実際の展示はこちらからご覧いただけます。

お付き合いくださりありがとうございました。

ではまた。


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