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明かり障子:建具というものを考えてみた#04

こんにちは

前回は、kuramoco商品の「紙木折々-しきおりおり-」のコンセプト動画のお話をさせていただきました。
木と和紙の椅子の背景にあるストーリーは、自然の恵みと培われてきた技術が下支えになっていた、そんな内容でした。

よろしければ動画と合わせてご覧ください。


では本題に入っていきます。

今回は障子にまつわるお話しです。
現在、ボクたちは目にすることのある組子に紙が貼ってあるものを「障子」と呼んでいますよね。

けれど、
元を辿っていくと、障子は「(障)さえぎる(子)もの」という意味から始まっていることを知ります。
なので、屏風も幕も衝立などそれらは「さえぎるもの」という仕切る意味での障子として括られていて、屏障具という道具(調度品)に分類されていました。
その一つで、今で言う障子は、明かり障子、衝立は衝立障子なんて分けられていたようです。

ちょっとややこしいと感じるかもしれませんが、元の意味を知っていくのも面白いもので、モノの見方、捉え方に広がりを感じます。

■障子を閉じると一変する

京都、南禅寺の塔頭「金地院」に行った時の話なんですけど、庭園が見える方丈の外廊下があります。
※庭園や茶室は小堀遠州が手掛けたとされています。

そこにある障子を閉じると暗くなると思いきや光が拡散されて意外と明るくなるんです。
そして、方丈の方に目を向けると障子紙から拡散された光に襖絵の金粉が反応し、部屋の奥の奥までが浮かび上がるように輝き出していきます。

その情景は、美しい、の一言。

ぼんやり、だけど襖絵や部屋の一部に柔らかなスポットライトが当たったかのような幻想的な印象を受けます。

障子を閉めた時、空間が一変する

訪れる機会があれば、特別拝観でガイドさんが見せてくれると思います。

そのような体験もあって、
明かり障子って自然光で発光する照明だなぁ、と思うようになりました。
自分でも、明かり障子、という視点からいくつか実験的に作品を作ってみています。

■自分なりの「明かり障子」を探る

やはり障子の明かり、組子の姿はキレイです。

数年前から何かイベント事などがあったときに障子をベースにした設計をさせていただきました。

そのうちの一つは仲間と共同して製作に当たった障子そのものを照明器具っぽくにした障子。
以前に全国建具展示会に出品したものでケンドン式と言って半固定した納め方で仕切りを作った作品です。

表と裏で市松に貼り分け

部屋の一部に演出性を加えることが出来るのかなぁ、と思っています。

もう一つは自然光を浴びて変化する障子。
これはイベントで手掛けた舞台で、太鼓貼り障子を可動させる事で空間が広がる、また日を浴びた障子の光で幻想的な演出を目指した「障子舞台」

江戸里神楽を上演

最後は最近試作したもので、より照明器具として作っています。

木の照明

ライトをつけると組子のシルエットも浮かび上がって、影絵のようになりつつ和紙を透過した柔らかな光に、障子っぽさ、を引き出す。それがまた気持ちも和みにつながれば良いな、で試作してみました。
ゆくゆくkuramoco商品に並べたいです。

まだまだ道半ばではありますが、
これまでの建具や障子にとらわれず
(仕切る道具)に、明かり障子の背景から思い浮かぶ、何かしら、を探って形にしていきたいと思います。

金地院にもぜひ訪ねてみてくださいね。


それではこの辺りで失礼します。
今回もお付き合いくださりありがとうございました。

ではまた。


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