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その建築は静かな佇まいで自然を受入れる「器」のようだった:法隆寺宝物館
こんにちは
東京・上野にある東京国立博物館。
その内の一つに「法隆寺宝物館」という建物があります。
その建物は建築家 谷口吉生氏が手掛けた建築です。
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個人的なことなのですが、(建築にのめり込むキッカケとなった)特に好きな建築家の方で、各地にある谷口建築をよく見に行っています。
(キッカケは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
建築家谷口吉生氏の建築は垂直、水平線が際立つとてもキレイさ(整ったプロポーション)を感じる建築です。
その多くがガラス、鋼材、コンクリート、などどちらかというと無機質な素材が多く、石や水(水盤)を適度に取り入れながら、静けさのある佇まい、という印象を受けます。
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「レストハウス(クリスタルビュー)」
谷口吉生設計
ということで、
今回は法隆寺宝物館と谷口建築のお話をしていこうと思います。
前回の法隆寺のお話と繋げている、
というわけでもなく、たまたまです。
日々の合間にのぞいてもらえたら嬉しいです。
では続けますね。
|法隆寺宝物館
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法隆寺宝物館は東京国立博物館の敷地内にある施設の一つ。
法隆寺献納宝物という皇室に献納された文化財を展示保管している建物が法隆寺宝物館とされています。
展示保管されている品々は奈良県の法隆寺に伝来したもので、聖徳太子ゆかりの文化財もあり、大変貴重な作品であることを知ります。
法隆寺宝物館は、当館所管の法隆寺献納宝物すべてをまとめて保存・展示する建物として、昭和39年(1964)に開館しました。この旧宝物館では作品の保存上、公開は週1日に限られていました。そこで、保存機能をさらに高めながらも作品を広く一般に公開することを目的とし、平成11年(1999)に谷口吉生設計による新宝物館が開館しました。現在は、他の展示館と同様、週6日公開されるようになりました。緑に囲まれ、人工池を配した明るい外観と、静寂な展示室は、平成13(2001)年度の建築学会賞を受賞しました。1階にはレストランがあります。
法隆寺宝物館は冒頭でお話した素材が使用された建築。
入口に向かうと見える水盤のあるテラス、ステンレスの門構えと柱、ガラスと格子で覆われたエントランスホールはとても印象的です。
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エントランスホールに入ると明るい空間が広がりますが、展示室は一転して適度な暗さで、展示品に意識が向くように構成されています。
数々の仏像が並ぶ姿は圧巻で、スポットを浴び一つ一つが浮かび上がるような姿は仏像や他の展示品の重厚さを感じさせてくれます。
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各展示室を巡った先にまたエントランスホールに戻ってくるのですが、薄暗い中で展示に集中していた時間から明るいホールに出るとちょっとした開放感と気持ちが柔らぐような感じを受けます。
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空間として、明→暗→明、のリズムが柔らぎと集中を作り出しているようにも思えてきます。
|建築は器
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さて、ここからはボクが、キレイだなぁ、って感じたことについてお話ししていきます。
谷口吉生氏の建築はその多くの作品はとてもシンプルで直線的なキレイさが際立ちます。
装飾的なデザインがあるわけでもないので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
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水盤の上を渡る橋のよう
でも、ボクはこのくらいシンプルで洗練された佇まいが良いと思っています。
なぜかと言うと、豊かさが詰まった空間だからです。
そう、水盤の静かさと風に揺れる姿、水に反射された光が建物内に差込む、光を浴びた格子が影となり映り込む、、、
それら外で起きている自然の現象が建築空間に取り込まれ、まるで建物の面(屋根、天井、壁、床)が何かを映し出すためのスクリーンのようにも見えてきます。
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静けさを感じる
建物だけ見たら素材や質感が質素な仕上がりに感じるかもしれません。
しかし、主張を抑えたように感じる空間だからこそ、建物のあちこちで自然が織りなす美しい現象が引き立ち、法隆寺宝物館全体の空間が豊かさで包まれます。
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水盤を眺められるように椅子が配置されている
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壁面に光と影が映り込む
谷口建築のシンプルさの背景には、豊かさを最大限に引き出す「器」のような建築なのではないか、そんな風に思います。
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法隆寺宝物館は外観からは見えてこない彩りを感じ、発見する面白みを展示品の鑑賞と合わせて体験できる建築です。
上野公園や博物館に行った際は法隆寺宝物館にも立ち寄ってみてもらえたらなぁと思います。
ということで、
今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
ではまた
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コルビュジエのソファにも座れる
館内の椅子にも注目です。
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