#21『ロブスター』
アルコールを飲まずに眠ろうとすると、名前のない不安が僕に肩を組んでくる。
今この瞬間ではない、遠い未来のような、近い過去のような、雲を掴む物事が僕を寝かせようとしない。
この街を流れる川は耐えきれない臭いがする、何もかもが垂れ流され、ぷくぷくと有毒なガスを放ち、隣の部屋に住む学生は一晩中咳をしている。
小学生の頃、肺に水が溜まって入院した病室の上の階の患者がO157で、一晩中トイレを流す音が定期的に響き、毎夜睡眠を妨げられた。
つまり、精神がキリキリと歯ぎしりをして、思考が