マガジンのカバー画像

趣味は新聞コラムを読むこと

235
新聞各紙のコラムについて書いたものをまとめています。
運営しているクリエイター

#朝日新聞

ツネ様

ツネ様

 新聞の何が好きかといえば、興味のない記事があることである。普段自らは知ろうとしない情報に近づくことができるのは近頃得難い魅力だ。インターネットは気を利かせすぎる。先回りしてくれるのは有り難いが才気ばしったところがどうも好きになれない。三国志で曹操が楊脩を嫌っていたのと多分同じ感情だと思う。鶏肋鶏肋。
 インターネットは寄り道をさせてくれない。ネットサーフィンなんて寄り道の極みではないかと思われる

もっとみる
4月14日の新聞1面コラムチェック

4月14日の新聞1面コラムチェック

 日に日に存在感が大きくなるチャットGPT。毎日どこかでこれに関する記事を見かけます。読売新聞『編集手帳』も今日はチャットGPTの話題でした。いわく、「利便向上を止められないのは文明の法則だろう。著作権侵害や子供たちの学びへの影響など懸念は無尽蔵にある。」AIの持つ情報量並みに無尽蔵な懸念を一つ一つ丁寧に解決していかねばなりません。
 AIは膨大な情報量を持ち、その中から所定の情報を取り出してくる

もっとみる
8月17日の新聞1面のコラムたち

8月17日の新聞1面のコラムたち

 「変化球がくると読み、直球がきて見逃し三振に倒れても、根拠があれば選手を責めることはない」ノムさんこと野村克也さんの言葉です。読売新聞『編集手帳』で知りました。そんなことを言いながら、チャンスで凡退したらネチネチネチネチ文句を言ってそうですが。

 気象庁が6月に開始した線状降水帯の半日前予測は、なかなか的中が難しいようで、東北に発生した線状降水帯は発表できませんでした。7月に2回出た九州の発生

もっとみる
8月13日の新聞1面のコラムたち

8月13日の新聞1面のコラムたち

 読売新聞『編集手帳』によると、うまくいっているときに邪魔をするという意味の「水を差す」は「お湯や料理に水を注いで、ぬるくしたり味を薄めたり」して台無しにされることから来ているそうです。「一説によれば」と書いてあるので他にも説はあるのだと思いますが、この水を注いだ人にもおそらく悪気は無いのでしょう。むしろ、よかれと思ってやったのではないでしょうか。「悪気はなかった」というのは免罪符にはならないので

もっとみる
8月12日の新聞1面のコラムたち

8月12日の新聞1面のコラムたち

 読売新聞『編集手帳』で「黙れ事件」なるものを知りました。日本が戦時体制に向かっていた1938年のこと。政府による人的・物的資源の統制を可能にする国家総動員法案の衆院での審議中、長広舌をふるっていた陸軍の説明員がヤジを飛ばした議員を「黙れ」と一喝した事件。どなられたのは陸軍出身でありながら軍の政治介入に批判的だった宮脇長吉でした。軍による議会軽視の象徴として歴史に残る事件です。軍によるものではない

もっとみる
8月11日の新聞1面のコラムたち

8月11日の新聞1面のコラムたち

 読売新聞『編集手帳』が甲子園の応援席で掲げられたタオルに記された言葉に注目していました。「勝ち登れ」。「勝ち上がれ」ではありません。「勝ち登る」という言葉はありませんが、特別な思いの込められた造語なのです。今年の夏に急逝した愛工大名電3年生野球部員、瀬戸勝登さんの名前にちなんでいるそうです。こういう事情を知らなければ「勝ち登れなんていう言葉はない。勝手に言葉を作るんじゃない」などという批判をして

もっとみる
8月3日の新聞1面のコラムたち

8月3日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。読売新聞『編集手帳』には、きのう(つまり、おととい。ややこしくてごめんね)埼玉県熊谷市に、気温が41度に達するとの予報が出たと書いてありました。これまで2度観測された国内最高気温の41.1度を更新するのではないかと注目されましたが、そこには至りませんでした。暑いのは嫌だ嫌だと言っておきながら記録を更新するかもしれないとなれば、ややテンションが上が

もっとみる
8月2日の新聞1面のコラムたち

8月2日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。話題が実に多岐に渡り、知らないことを知ることができるからです。読売新聞『編集手帳』は世界的バイオリニストの佐藤陽子さんの訃報について書いていました。二刀流といえば、いまは大谷翔平の代名詞のようになっていますが、佐藤さんも二十代の頃、バイオリニストとして以外にもオペラ歌手として、ヨーロッパの舞台で「蝶々夫人」を演じたこともあったそうです。バイオリン

もっとみる
8月1日の新聞1面のコラムたち

8月1日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。谷崎潤一郎です。安易な造語が嫌いです。はい。谷崎潤一郎ちゃんは著書『文章読本』で「勝手に新奇な言葉を拵えることは慎むべきだ」と述べていると読売新聞『編集手帳』で知りました。たぶん谷崎潤一郎ちゃんの『文章読本』は我が家の本棚のどこかにあるはずなんですが、ストレス発散のために古本を買うものですから読んでいない本がどんどん本棚の奥へ埋もれていってしまう

もっとみる
7月31日の新聞1面のコラムたち

7月31日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。読売新聞『編集手帳』は高校野球のお話。3500チームが挑んだ地方大会は代表が出そろいました。※昨日の時点ではまだ出そろってはいませんでした。祇園祭の山鉾巡行、五山送り火、今年の行事には「3年ぶりに」という枕詞が付きがちです。これはどういうことかといえば、今年の3年生が1年の頃からずっとコロナ禍であったということです。対戦相手以外にも厄介な敵が居続

もっとみる
7月30日の新聞1面のコラムたち

7月30日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。読売新聞『編集手帳』は子供たちの理科離れの理由について書いていました。生物学者の福岡伸一ちゃんが絵本作家のかこさとしちゃんとの対談で「私から見ると、理由は明々白々です。大人たち自身が「理科離れ」しているからです。ゴキブリやクモを見たらすぐに叩き潰したり・・大人が自然に関心を示せば気づくはずなのです。そこに精妙さや美しさやデザインの奇抜さがあること

もっとみる
7月29日の新聞1面のコラムたち

7月29日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。読売新聞『編集手帳』は「へそ天」について書いていました。猫や犬、パンダなどがおなかを上にして寝転ぶ姿のことを「へそ天」と言うそうですが、気象予報官の間では古くから、「へそを出して寝ていても間違いなしという天気」のことを「へそ天」と呼ぶらしい。医療の現場にも別の「へそ天」があります。腸に異常が出るとへその形が微妙に変わるそうですが、これに対して、丸

もっとみる
7月28日の新聞1面のコラムたち

7月28日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。知ってる時事問題を扱っていることもあれば、コラムを読んで「そんなことがあったのか」と知ることもあります。なんにせよ、読み物として実にありがたい存在です。タイトルに「7月28日の新聞1面のコラムたち」って書いているので日付はもう本文では書かないことにします。

 読売新聞『編集手帳』は「ブックマッチ」の話題でした。ブックマッチって何?プロレスラーが

もっとみる
7月27日の新聞1面のコラムたち

7月27日の新聞1面のコラムたち

 涌井慎です。趣味は新聞1面のコラムを読むことです。7月27日の読売新聞『編集手帳』に江戸時代の狂歌が紹介されていました。

世の中は金と女が仇なり

 考えてみたら仇に嫌われてばかりの人生です。仇にならないように避けているのかもしれません。金に関していえば、あればあるほど幸せということは無いような気がしています。持たざる者の僻み根性がそうさせるのでしょうか。こちとら、一回の飲み代5千円ばかりが惜

もっとみる