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◆創作ジャンル 現代/ホラー/オカルト/コメディー/ミリタリー/ファンタジー/アクション/ハードボイルド/バイオレンス/恋愛 noto出戻りです。更新頻度は今度は気まぐれ。 フォロー・リフォローご自由に。

マガジン

  • 短編集

    読み切りを中心とした短編集。

  • Road to the Sky

    レッドスピネル空軍基地にスクランブル発進の要請。第一戦闘配備に備えていた第一飛行戦隊・デスサーカスは即時応答していた。不穏な奇襲を仕掛けるローレンツ空軍の未確認機体。夜間戦闘となったその時、カイザーは…… 一方オーカースピネル基地・エリア54所属ジル・リュシドール中尉は、パイロットとして伸び悩んでいた。そんな時に司令官に持ちかけられたテストプログラムとは……

  • Set Freeter 2

    セットフリーターの仕事なんて、絶対にお断りだ! 僕は平和に平凡な生活を満喫するんだ。そう言い張って美佐子さんに抵抗した僕だけど、その平和の象徴である学校で僕は事件に巻き込まれてしまい……!

  • Four Cities

    地下都市エイキンは無法地帯。そんな地下都市で週末のみトラブルシューターをしているセシリアは、女嫌いで有名なマフィア・ガウトのナンバー3のロニーと出会うが……地下都市エイキンを舞台とした、バイオレンスアクションが始まる。

  • 幻想夜話

    師匠の音色の呪縛から解き放たれたい。目指すべき頂点にある越えたい壁、越えられない壁。焦るあまりに道を見失う男は、その音を忘れることを願う。そして艶やかな質屋女主人・月乃井ユメは微笑む。「特別な品と引き換えに、その願い叶えてやろうじゃないか?」と……

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◆創作ジャンル  現代/ホラー/オカルト/コメディー/ミリタリー/ファンタジー/アクション/ハードボイルド/バイオレンス/恋愛/SFなどなど……   noto出戻りです。去年毎日更新100日やって一度辞めました。今度は有料記事も載せるかもしれませんが、また辞めるかもしれません。更新頻度は今度は気まぐれ。 フォロー・リフォローご自由に。 創作傾向としては、バイオレンスな展開を好むために殺傷表現が過多な部分があるかもしれません。苦手な方への気遣いゼロ。書きたいように書くので読み

    • 痛み

       少々やり過ぎたかなと思ったが、依頼なのだから仕方がない。  高額な料金を請求しているのだから、こちらはクライアントが望むように最高のレベルで仕上げるしかない。  より残虐に。より残酷に。  或いはゴミのようにあっさりと。  クライアントの望むがままに殺す。それが仕事だからだ。  目の前の男はすでに虫の息だ。腫れ上がった目蓋を必死でこじ開け、涙を流しながらこちらを見上げる。じりじりと蠢いているのはそれでも私から逃げようと必死なのだろう。 「痛いか? あぁ、私も痛い。溺愛してき

      • 46 スカイ・ロード

         オペレーション室を出て数歩歩いた後、ジルは振り返って扉を見つめた。  あの様子はただ事じゃない。恐らくカイザーの元恋人か何かだったのだろう。  勢いに飲まれただけか、それとも女の尻に敷かれるタイプなのか、いつもの冷然とした態度はなりを潜め、しどろもどろになっていた。なんか意外な一面を見た気がする。  ばたばたとした足音に気付いて視線を廊下に戻すと、前方からポルヴィ大尉が走ってくるところだった。 「おい! な、い、お、い?」 「どうしたんすか? 何言っているかわからないっす」

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        • 45 スカイ・ロード

           一年もたっていないはずだが、あまりにも久しぶりに見る。かつての部下だった、オリアーナ・オトウェイ大尉だった。 「団…長……団長!」  オリアーナは駆け寄ると、机代わりのテーブル越しにカイザーの顔を両手で掴んだ。 「フォックスバッ! ん!」  どうしてここにいるんだ? という質問をする前に、両手でがっちり顔を掴まれたまま唇を塞がれる。ちょっと待てと言いたいが、頭が混乱する上に、オリアーナがあまりにも積極的過ぎて呼吸すらままならない。 「あー、えーっと、俺、なんか邪魔みたいなん

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        マガジン

        • 短編集
          7本
        • Road to the Sky
          45本
        • Set Freeter 2
          37本
        • Four Cities
          21本
        • 幻想夜話
          12本
        • Road to the Sky
          15本

        記事

          44 スカイ・ロード

           朝のトレーニングにあたる時間ではあったが、昨日注文していた参考書とデータ資料が届いたため、カイザーはジルを呼び出していた。勉強をするなら早い方がいい。 「失礼します」 「入れ」  ジルはトレーニングを終えた直後だったようだ。首からタオルを下げている。 「気温もだいぶ高くなってきたことだし、走る時間は調整しろよ。熱中症になる」  小言は嫌われるとわかってはいるが、ジルは時々ムキになって行動することがある。短い付き合いながらわかってきたことなので注意をすると、ジルは少しむっとし

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          44 スカイ・ロード

          43 スカイ・ロード

           絶対に忘れられない人がいる。  空に恋して、空に愛され、空に奪われた人。  今、その消息を知る者はいない。  好きで好きでたまらなくて、振り向いて欲しくて、でもできなくて、都合のいい女でもいいからと、仲間であることを利用してでも傍にいたかった。  唐突に姿を消し、連絡が途絶えてから激しく後悔した。  好きだと告げればよかった。愛していると言えばよかった。例えそれが迷惑だと言われても、小さな棘となってあの人の心に刻まれるなら、それでもよかった。  何一つ言えないまま、別れを迎

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          43 スカイ・ロード

          42 スカイ・ロード

           失敗は許されない。  すでに左エンジンが停止しており、右エンジンだけでは浮力が足りない。中途半端な浮力では、前方にある遮蔽物に突っ込む可能性があった。 「こんなところに開発設計局ってあったんだ……」  そんな場合ではないと知りながら、もしかしたらこれが今生で最後に見る光景かもしれないと思った。茶褐色の大地にぽつんとある砂漠の飛行場が見える。ギアダウンし、スピードを徐々に落とす。予想以上に早くスピードが落ちるのは、右だけで飛んでいるせいだろう。  街は随分遠いところにあるんだ

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          36 さよなら、僕の平和な日々よ

          「だから言いたくなかったんだよ……」  ぼそりと呟く僕の肩を、稲元が揺さぶった。僕は揺さぶられるままに、焼きそばロールに齧りついた。 「ど、どうして言わなかったんだよ!」  稲元の視線が僕を責める。僕は視線の非難を受け止めたまま、ウンザリとしたように深い溜め息をもらした。 「言っただろ、三十過ぎていて高校生の子供がいるってさ……」  僕は一気に疲れた。僕は動揺を隠せない稲元を無視して、焼きそばロールも平らげた。欲を言えばまだまだ食べられそうだったが、稲元も食ってないんだ。後は

          36 さよなら、僕の平和な日々よ

          35 さよなら、僕の平和な日々よ

          「誰?」 「誰に向かってそんな口聞いているのよ?」  こんな憎まれ口叩くのは美佐子さんしかいない。僕はドアのロックを外してドアを開けた。 「ほら、ご褒美よ」  美佐子さんが僕に手渡した物は、コンビニの白いビニールに入った食料だ。見た途端に猛烈に腹が減ってきた。そうだ、僕夕飯も食べてないんだった。 「珍しく気が利くじゃん」  つい本音を漏らしたのは、疲労で僕の注意力が散漫になっていたせい。おかげで後頭部を叩かれた。 「ったいな!」  後頭部を押さえて振り返る。美佐子さんは不機嫌

          35 さよなら、僕の平和な日々よ

          34 さよなら、僕の平和な日々よ

           時刻は午前三時。まだ暗いが、東の空にやや明かりが射して来ていた。疲労困憊の僕と稲元は、それぞれホテルのツインルームのベッドに大の字になって寝転んでいた。  眠気は確かにあったけれど、あんなことがあった後じゃ、素直に睡魔に身を委ねられない。微妙な空気に満たされていて、僕としては肩身が狭い。 「助かってよかったじゃん、じゃ、だめだよなぁ……」  疲れきっていてもう言い訳すら、僕には思いつかない。 「……まぁな」  あれから大林さんは犯人を拘束した。携帯で大林さんは仲間を呼び、こ

          34 さよなら、僕の平和な日々よ

          41 スカイ・ロード

          「そのエースを今俺たちは独り占めしているんだぜ。それも複座に載っているみたいにさ、機体をガンガン動かしてくれる。エースがどんな風に飛ぶのか自分の体で体験できる。またおまえがFCOSに載っている時は、俺は中佐と戦える。本当にこの時期にここにいてよかったよ。フランツの悪いところは、そういう貴重な体験を自分の反発心で棒に振るってところだな。いつでもやれると思ったか? このテスト自体が最初で最後かもしれないんだぜ」 「え?」  思わず声を上げると、オラーシオは苦笑しながらビールのジョ

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          41 スカイ・ロード

          40 スカイ・ロード

           三杯目のビールを飲み干したジルは、ジョッキをカウンターに叩きつけるようにしておいた。 「もう一杯!」 「はいよ」  カウンターにいるマスターが苦笑いを浮かべつつ、ジョッキを下げて新しいジョッキにビールを注ぐ。  ジルは新しいビールが来るまでに小皿のナッツを口に放り込んで噛み砕いた。  確かにカイザーはすごいパイロットだったと思うし、今現在も努力をしている。その姿は確かに称賛に値するものだろうし、自分でもすごいと思った。  見習って努力したいと思ったから煙草だってやめた。  

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          33 さよなら、僕の平和な日々よ

           僕は稲元目がけてネジを投げつけた。頼む、外れるな! 「誰だ!」  犯人が今の物音に対して警戒するように叫んだ。稲元もつられたように物音の方向に目を向けていた。その横顔にネジがヒット! 稲元は驚いたように僕のいる方向を見た! (騒ぐな!)  僕は口もとに指を当てて、稲元に声を出さないように指示する。稲元は危うく声を出すところだったらしく、口をあんぐりとあけた後、慌てて口をつぐんだ。 「こっちか!」  まっずーい! 僕のほうに顔を向けた!  僕は機械の山に身を隠したが、逃げ場が

          33 さよなら、僕の平和な日々よ

          32 さよなら、僕の平和な日々よ

           大林さんが歩き出したので、僕もそれに続いて歩く。廃工場地帯の廃れた陰鬱とした空気が、肌にねっとりと絡みつくような気がした。  しばらく行くと大林さんは立ち止まり、僕の方を見ながら建物を指さした。ここなのだろう。  ガラスというガラスが割れている。どこかの暇な悪ガキどもが、いい気になって憂さ晴らしでもしたのだろう。中は当然真っ暗だ。  大林さんが足もとを指さした。一瞬ここにいろっていうこと? と思ったが、どうやらガラスが落ちているので、足音を立てるなということらしい。  気を

          32 さよなら、僕の平和な日々よ

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           一日の業務が終わると、レポートを書かねばならない。FCOS自体が試作を兼ねたプロジェクトである以上、データ解析を必要とするためだ。  もちろん、カイザーもジルも毎日書いている。階級上カイザーが上になるため、カイザーが受け取り、自分のレポートと合わせて開発部へ提出している。  カイザーには個別に与えられたオフィスがないため、オペレーションルームの一画にテーブルを持ち込んで代用していた。他の部屋は扉の工事がされておらず、車椅子のカイザーでは開閉に時間がかかる。この部屋が丁度良か

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          38 スカイ・ロード

           あの日……カイザーが泳いでいる姿を見かけた日。ジルは禁煙をした。  それまでなんとなく煙草を吸っていた。特に吸いたかったものではなかったけれど、周囲が吸っていたのでなんとなくはじめた喫煙だったが、喫煙により心肺機能が低下するのは空軍兵士じゃなくてもわかっていることだった。  自分はなぜ空軍にいる? なぜパイロットになった?  それこそただ空を飛びたいだけなら、民間の航空会社でもいい。そうしなかったのは、この国を守りたいという気持ちが少なからずともあったからだ。  現状に甘ん

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