見出し画像

ベガルタ仙台 補強診断〜チーム別補強診断#20〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから数ヶ月が経ち、すでに後半戦が始まり、チーム状況を見直しての目標の再設定が行われています。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第20回となる今回は、ベガルタ仙台編です。
なお、すべての情報は8月12日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフのベガルタ仙台の補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#21 ~ベガルタ仙台編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。

【IN】
 佐藤揺太 ←ガンバ大阪(期限付き移籍)
 中島元彦 ←セレッソ大阪(期限付き移籍)
【OUT】
 長倉颯 →ラインメール青森(完全移籍)
 照山颯人 →FC今治(期限付き移籍)
 赤崎秀平 →南葛SC(契約解除→移籍)

*なお、佐藤揺太選手は加入直後ですので言及しません。

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J2リーグ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①杉本大地(←ジュビロ磐田)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 横浜Fマリノスでのプレー経験もある選手で今年、ジュビロ磐田より加入した選手です。
 187cmの身長で、年代別の日本代表の常連であった選手ですが、1シーズンを通じてレギュラーで活躍した経験はありませんが、これまでにJ1で4試合に出場、J2でも22試合に出場した経験がある選手です。
 将来が嘱望される小畑選手や実力は確かなストイシッチ選手も所属しており、激しいポジション争いが予想されます。

考察

 昨年までの守護神であったヤクブ・スウォヴィク選手がFC東京に移籍しており、横一線のメンバー争いが始まった中で、開幕スタメンを掴みました。が、中盤戦ではベンチが続き2番手に下がると、ベンチ外が続き3番手に序列が下がることもありましたが、最近はまた主力になっています。

評価

評価は『B』としました。
 横一線のスタメン争いで開幕スタメンを掴んだことは非常にポジティブですが、それでも今年の仙台はスタメンのGKが全く定まっていない中で、半分程度の試合に出場している面では期待通りではないでしょうか。

②若狭大志(←東京ヴェルディ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 2018シーズンより3シーズンプレーした東京ヴェルディでは、ユース卒の若い選手が多い中で114試合に出場し、絶対的なレギュラーになっていました。
 センターバックと右サイドバックをハイレベルにこなすことができる選手ですが、今年のオフを見ると、大卒2年目で守備の要になっていたアピアタウィア久選手がJ1の京都サンガF.C.に移籍しており、経験に培われた落ち着きで若狭選手が新たなDFリーダーとなることが期待されていると言えるでしょう。

考察

 開幕スタメンを勝ち取ると7試合連続スタメン出場を果たしますが、その後は途中出場が増えたり、右サイドバックでの起用が続いたりしています
 なかなか、仙台のDFリーダーになっているかと言えばそうではなく、若干、厳しいシーズンを送っている印象です。先日の試合で膝を負傷してしまい、9月下旬までは離脱する予定です。

評価

評価は『C』としました。
 新たな、ディフェンスリーダーとして期待されての獲得ではありましたが、なかなか厳しい状態が続いており、完全に期待値を裏切っているわけではありませんが、『C』評価にしました。

③内田裕斗(←サガン鳥栖)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、J1のサガン鳥栖でプレーし、FC東京戦では素晴らしい得点を記録した攻撃的な左サイドバックで、攻撃面に特徴を持つ左サイドバックという面では、昨季のレギュラーでもある石原選手と似ています。
 今季は、仙台一筋の石原選手とJ1での経験もある内田選手という二人でハイレベルなポジション争いを繰り広げることが想定されているでしょう。

考察

 開幕スタメンを果たし、そこから3試合は連続でスタメン出場を果たしましたが、そのご8試合の間はスタメン出場はありませんでした。
 しかし、第12節で再びスタメン出場を果たすと、その後はほとんどの試合で左サイドバックとしてスタメン出場しており、完全に左サイドバックの一番手になっていると言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 当初は、ポジション争いが想定されていたと思いますが、ポジションを完全に掴んだということを考えると『A』評価なのではないでしょうか。

④キム・テヒョン(←蔚山現代)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 韓国の各年代別代表に継続的に選出されている将来が有望視される年代別韓国代表のDFで、所属する名門・蔚山現代では主力になることが難しく、レギュラー格のアピアタウィア選手が抜けた仙台に加入し、若狭選手とポジションを争うことが想定されていると言えるでしょう。

考察

 開幕当初はポジション争いに敗れた感がでてしまっていましたが、第8節のヴァンフォーレ甲府戦で日本初スタメンを達成すると、その後はほとんどの試合でスタメン出場を果たしており、完全に守備の軸に定着したと言えそうです。

評価

評価は『A』としました。
 若狭選手とのポジション争いに勝利し、仙台の守備に欠かせない選手にまで成長しました。これは、期待値を上回っていると考え、『A』にしました。

⑤レアンドロ・デサバト(←ロサリオ・セントラル)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 セレッソ大阪時代には、中盤のレギュラーや準主力として活躍し、Jリーグで53試合に出場した選手で、無所属の期間などもありましたが、今季よりベガルタ仙台に加入しました。
 上原選手、秋山選手が退団しているため、ボランチの選手層は薄くなっており、Jリーグでの実績がることも踏まえると主力となることが期待されているのではないでしょうか。

考察

 開幕から出遅れると、第9節に途中出場から仙台デビューを果たしましたが、その後は、3試合連続スタメンになることもありましたが、ポジション奪取はできていないと言えます
 負傷などのリリースもない中でこの成績ですので、かなり厳しい状態と言わざるを得ません。

評価

評価は『C』としました。
 主力候補としての獲得であったと思いますので、この状態は期待はずれと言えます。一方、10試合には出場しているので最低評価は避けました。

⑥梁勇基(←サガン鳥栖)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 かつての仙台のレジェンドは契約満了で退団し鳥栖にプレーするフィールドを移していましたが、J2におちた古巣に帰ってきました。
 経験値は申し分なく、年齢的にフルで出場することは難しいとは思いますが、それでも要所要所でチームを支える役割が期待されているでしょう。コーチ的な立ち位置として若手の育成面でも期待されている部分は大きいと思います。

考察

 開幕当初はスタメン出場が続き、キャプテンマークを巻く試合も多くあるなど、早速レジェンドたる姿をファン・サポーターに見せていましたが、負傷離脱もありリーグ戦では、第8節を最後に出場していません。
 年齢的にフルは難しいとは思いますが、もう少し試合に絡んでほしいとはおもwざるを得ない成績であると言えます。

評価

評価は『C』としました。
 開幕当初は非常に良いスタートダッシュを切ったかのように思えましたが、ここのところは厳しいシーズンを過ごしています。現在は、負傷離脱中ですのでまずは復帰が最優先課題となるでしょう。

⑦遠藤康(←鹿島アントラーズ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 高卒で鹿島アントラーズに入り、鹿島一筋で活躍していたアタッカーが生まれ故郷である仙台の地に帰ってきたと言えます。
 降格してしまった仙台をJ1に復帰させるために仙台に帰還した遠藤選手は、実績・実力両面で申し分のない選手で、主力となることが期待されているでしょう。持ち前のプレースキックの精度やシュートの精度を活かし、多くの得点を生み出すことが期待されていると言えます。

考察

 開幕から、右サイドハーフでスタメン出場を続けると、ベンチ外となるような試合もたまにありますが、多くの試合でスタメン出場を果たし、ここまでに4得点を記録しています。
 攻撃の軸として期待された役割を全うできていると言えるのではないでしょうか。

評価

評価は『B』としました。
 どのような試合であってもスタメン出場をする「絶対的な主力」ではありませんが、それでも多くの試合でスタメン出場しており攻撃の軸となっていることを見ると、期待値通りと言えるでしょう。

⑧鎌田大夢(←福島ユナイテッド)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 兄はフランクフルトに所属している日本代表・鎌田大地選手で、弟の大夢選手も昌平高校出身の中盤のテクニシャンです。J3の福島ユナイテッドで完全に攻撃の軸にまで成長し、今季よりJ2のベガルタ仙台に移籍しました。
 タイプとしては、長崎から加入した名倉選手と似ているイメージはあり、この二人を同時に起用するというよりは使い分けるというイメージではないでしょうか。また、ボランチでもプレー可能な選手で、ボランチでも守備時よりは攻撃時に強みを発揮する選手です。

考察

 開幕スタートダッシュには失敗をしてしまいましたが、第6節で仙台デビューを果たすと、スタメン出場はわずか4試合ですが途中出場で多くの試合に出場しています。
 貴重な交代カードとして、攻撃にリズムを生み出してはいますが、現状、リーグ戦では得点もアシストもなくなかなじゃ期待に応えているとは言えないでしょう。

評価

評価は『C』としました。
 福島でのパフォーマンスを見ると、もう少しスタメンで出場し得点やアシストを記録してほしいところで、目に見える結果が欲しいでしょう。

⑨名倉巧(←Vファーレン長崎)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 國學院久我山高校出身の選手で、身長は168cmと小柄ですが、テクニックやドリブルに定評のあるサイドアタッカーです。
 長崎でも71試合に出場するなど、完全な主力ではありませんでしたが、貴重な戦力ではありました。今季より、仙台に加入しました。
 遠藤選手なども加入している中で、交代カードとして起用されることもあるでしょうし、スタメンの地位を掴む可能性も十分にありそうです。

考察

 開幕当初は、本職ではない左サイドハーフでの起用もありましたが、右サイドハーフで起用されていた遠藤選手がセカンドトップの位置に定着したため、シーズン途中からは右サイドハーフでのスタメンの座を完全に掴みました。
 たまにスタメンを外れる試合もありますが、「交代カード」という立場と比べると、だいぶ序列が上昇しているイメージです。

評価

評価は『S』としました。
 正直、ここまで完全に主力になるとは想像しにくかったのが事実でしょう。完全に、攻撃の軸になっており、J1昇格を目指す今年の仙台に欠かせない選手になりました。

⑩中島元彦(←セレッソ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 今シーズンの開幕は、本所属元であるセレッソ大阪で迎えました。しかし、全くメンバー入りが出来ず、ベガルタ仙台に期限付き移籍をしました。
 デサバト選手がなかなかフィットしなかったので、そのポジションに入るのが自然であると思いますし、多くの試合に出場することが期待されているでしょう。

考察

 第9節に移籍後初出場すると、その後は、第26節を除く全試合で出場しており、スタメン出場も19試合あり中盤の軸になっています。
 元々、攻撃的な選手でしたが、ボランチで起用される試合もあり、そのような経験を通じて守備強度も上がってきており、非常に成長が見ることができるシーズンであると思います。

評価

評価は『S』としました。
 加入直後より、スタメンに定着すると、完全に欠かせない選手になっており、期待値を大きく上回る大成功の補強になったと言えます。

⑪大曽根広汰(←日本体育大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 日本体育大学出身のサイドアタッカーで身長は167cmと小柄な選手です。U13からU18までは川崎フロンターレのアカデミーで育った選手であり、緩急をつけたドリブルが特徴のドリブラーです。
 タイプとしては、FC東京の紺野選手のような選手で、1年目はスーパーサブ的な立ち位置が目標になるでしょう。

考察

 開幕戦から途中出場を果たし、序盤戦に4試合連続出場(うち、先発1試合)を果たすなど非常に良いスタートダッシュを切ったかに思えましたが、その5試合に出場した後のリーグ戦ではベンチ入りすらできておらず厳しい状況です。
 まずは、再びメンバー入りすることが目標でしょう。

評価

評価は『C』としました。
 大卒ルーキーという決して若くない年齢の中で、序盤戦のみの5試合出場というのは若干期待値を下回っていると言えます。

⑫中山仁斗(←水戸ホーリーホック)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 中山選手は、ジュビロ磐田でJ1に挑戦したこともある選手で、その時は成績は奮いませんでしたが、J2での実績は十分な選手です。
 仙台としては分かりやすく、点取屋の西村選手が横浜Fマリノスに完全移籍で退団してしまったので、その穴を埋める新エース候補としての獲得と言えるでしょう。

考察

 負傷離脱をして、12試合離脱していたにも関わらず、ここまでにリーグ戦17試合に出場し12得点を挙げているのは、エース候補としては十分な結果を言えるでしょう。
 負傷離脱は仕方がないとは言え、稼働率さえ高ければ得点王も狙うことができる成績です。

評価

評価は『S』としました。
 出場試合数が決して多いわけではありませんが、出場した試合ではほとんどの試合で得点を決めてくれるというエースとして頼りになりすぎる成績です。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

杉本大地 B
若狭大志 C
内田裕斗 A
キム・テヒョン A
レアンドロ・デサバト C
梁勇基 C
遠藤康 B
鎌田大夢 C
名倉巧 S
中島元彦 S
大曽根広汰 C
中山仁斗 S

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「B」としました。
 久しぶりのJ2に挑む今季は、派手な補強というよりは堅実的な補強を敢行したイメージで、主力になりうるべき人は主力になっています。一方で、サプライズが少ないとは言え、及第点と言えるでしょう。

最後に

 記事を見つけてくださりありがとうございました。
 よろしければ、フォロー・Likeもお願いします。
 コメントでご意見、感想もお聞かせください。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

528,911件

よろしければサポートお願いします!より、質の高いnoteをかけるよう、日々精進します!