横浜FC 補強診断〜チーム別補強診断#30〜
こんにちは。
Jリーグも開幕してから半年以上が経ち、すでにシーズンが終わりに近づき、来季の補強も考え出す頃でしょう。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第30回となる今回は、横浜FC編です。
なお、すべての情報は10月14日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。
補強動向
改めて、今オフの横浜FCの補強動向を振り返っていきましょう。
なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#31 ~横浜FC編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
マテウス・モラエス ←ECヴィトーリア(期限付き移籍加入)
山根永遠 ←ザスパクサツ群馬(完全移籍)
マルセロ・ヒアン ←ECバイーア(完全移籍)
石井快征 ←サガン鳥栖(期限付き移籍)
【OUT】
大内一生 →AC長野パルセイロ(期限付き移籍)
韓浩康 →全南ドラゴンズ(完全移籍)
高木友也 →ザスパクサツ群馬(期限付き移籍)
中塩大貴 →ギラヴァンツ北九州(期限付き移籍)
手塚康平 →サガン鳥栖(完全移籍)
安永玲央 →水戸ホーリーホック(期限付き移籍)
フェリペ・ヴィゼウ →ウディネーゼ・カルチョ(復帰)
小川慶治朗 →FCソウル(期限付き移籍)
試合結果
選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。
J2リーグ
天皇杯
個人スタッツ
それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。
①和田拓也(←横浜Fマリノス)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
Jリーグの強豪、横浜Fマリノスではボランチの他、センターバックやサイドバックなどの守備的なポジションを全部こなせるユーティリティ性が持ち味の選手で、決して派手さはないものの、堅実にプレーをできる選手です。
瀬古選手が退団していることもあり、その穴を埋める存在としても期待されているでしょう。
考察
開幕当初は、なかなか試合に絡めなかったものの、中盤戦以降は全試合でスタメン出場を果たしており、J1への昇格を目指すチームの中で欠かせない選手になっています。
評価
評価は『A』としました。
J1での実績も豊富で期待値も高い選手ですが、中盤戦以降はしっかりとそのパフォーマンスを見せており、評価は『A』にしました。
②亀川諒史(←Vファーレン長崎)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季まで、所属していた長崎では左サイドバックで前半戦は試合にでたものの、中盤戦に負傷離脱をしており、その後は試合に絡めなくなってきてしまいました。
今季より、一年でのJ1復帰を目指す横浜FCに完全移籍し、四方田監督の元、レギュラー争いに絡むことが期待されているでしょう。過密日程になるJ2では、同ポジションにレギュラー級の選手2人がいたほうが良いということもあり、左ウイングバックの準レギュラーとして期待されているでしょう。
考察
開幕から中盤戦までは安定した先発機会はなく、本職でない右サイドやセンターバックでのプレーが多かったです。
中盤戦以降は、左サイドを始め、センターバックでも多くの試合に出場しており、横浜FCの好調に貢献しています。
評価
評価は『A』としました。
中盤戦までは厳しい状況でしたが、最近はレギュラーに定着しており、評価は期待値を少し上回っているでしょう。
③中村拓海(←FC東京)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
東福岡高校より加入したFC東京では、守備強度の低さが課題であり、主力に定着はできませんでした。安定した出場機会を求めてJ2の横浜FCに移籍しました。右サイドバックを本職にしている選手ですので、右ウイングバックやビルドアップ能力を期待されて最後方でプレーすることになるでしょう。
考察
開幕からセンターバックでレギュラーの座を掴むと、課題であった守備強度にも改善の兆しが見られました。簡単なボールロストをするシーンもあるにはありますが、ここまでに4アシストも記録しており、守備的な選手であるものの持ち前の攻撃センスを見せています。
評価
評価は『S』としました。
FC東京から加入し、正直ここまで欠かせない選手になるとは思っていなかったですし、アシストという結果も残しているので「S』評価にしました。
④西山大雅(←横浜Fマリノス)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
横浜Fマリノスの下部組織出身の選手で、昨季はJFLのラインメール青森でプレーしており27試合にプレーしましたが、所属元の横浜Fマリノスとの契約が満了になったこともあり、J2の横浜FCに事実上のステップアップ移籍をしました。
JFLからの移籍ということも含め、主力候補などとしては期待されているわけではないと思います。
考察
開幕からリーグ戦では全くメンバー入りできていませんでした。ローテーションをした天皇杯では、2試合に出場し、ソニー仙台戦では2得点を記録していますが、そこからリーグ戦での出番につなげることはできていません。
評価
評価は『C』としました。
元々の期待値が高くはない選手ですので『D』評価にはしませんでしたが、リーグ戦での出番を掴めていないことからも『C』評価にしました。
⑤イサカ・ゼイン(←川崎フロンターレ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
Jリーグ王者の川崎フロンターレでは、なかなか出場機会を掴むことができていませんでしたが、出場した試合では良いパフォーマンスを見せていました。J2の横浜FCでは、同じく川崎フロンターレからマギーニョ選手が加入していた経緯もあるので、その穴を埋めつつも絶対的な主力になることが期待されているでしょう。
考察
開幕から右ウイングバックでスタメンを掴むと、攻撃的に行きたい時は山下選手、守備力も考えたい時はイサカ選手というような形でしっかりと主力に定着しています。
ここまでに5アシストを記録しており、目に見える結果という意味でも残していると言えます。
評価
評価は『S』にしました。
フロンターレから加入し、瞬く間に定位置を掴むなど、しっかりと主力に定着しており、獲得は大成功といえるのではないでしょうか。
⑥マテウス・モラエス(←ECヴィートリア)
試合スタッツ
・Jリーグ
情報なし
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
夏の移籍市場で獲得した選手で、21歳の選手で身長も188cmと非常に大柄な選手で未来への投資という意味合いもある獲得でしょう。
考察
ここまで、Jリーグでのメンバー入りもなく、試合には全く絡めていません。
評価
評価は『D』としました。
「未来への投資」とは言え、期限付き移籍での加入ですので早めに結果が欲しい立場と言えます。
⑦杉田隼(←横浜FCユース)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
横浜FCの下部組織出身の選手で、U17の年代別代表まで継続的に年代別代表にも選出されてきた選手です。
身長は179cmとCBとしては大柄ではありませんが、ビルドアップ能力にも長けている選手で、四方田監督のサッカーには適応できる選手です。
考察
開幕からリーグ戦では全くメンバー入りできていませんでした。ローテーションをした天皇杯では、2試合に出場し、結果を残していますが、そこからリーグ戦での出番につなげることはできていません。
評価
評価は『C』としました。
ここまででメンバー入りは天皇杯の2試合のみとなっており、高卒一年目とは言え、もう少しメンバーに入ってきて欲しいところです。
⑧長谷川竜也(←川崎フロンターレ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季までは、川崎フロンターレで貴重なサイドアタッカーとしてプレーしており、今季の契約も残していたようですが、主軸としての活躍を求め、J2の横浜FCへ移籍しました。
J1での活躍もできている選手ですので、主軸としての活躍が期待されていると見て間違い無いでしょう。
考察
開幕から主軸として定着し、キャプテンにも任命されています。ジェフ戦では、超ロングシュートを決めるなど、インパクトのある活躍もしており、期待された活躍と言えるでしょう。
評価
評価は『S』としました。
しっかりと、横浜FCで主軸に定着しました。元々の期待値が非常に高い選手であったものの、しっかりと期待値を上回る活躍を見せています。
⑨ハイネル(←トンベンセ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
多くの選手を抱えた上で、期限付き移籍で多くの選手を放出するブラジルのトンベンセというチームから加入した選手で、広島や川崎でのプレー経験もあります。サイドアタッカーやボランチとしてのプレーができる選手で、絶対的な選手であった瀬古選手が退団しているため、和田選手と共に穴を埋めてくれるでしょう。
考察
開幕からベンチ外が続くと、中盤戦では主力になりましたが、その後は途中出場が続いています。主軸には慣れていないものの、しっかりと戦力構想には入っていると言えます。
評価
評価は『C』としました。
準主力になっているとは言え、「期限付き移籍」の「助っ人」という独特な立ち位置を踏まえると、少し物足りない気もします。
⑩田部井涼(←法政大学)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
身長172cmと小柄なボランチの選手ですが、ボール奪取能力に加え、ボールの配給能力の高さに定評のある選手です。横浜FCと言えば、明治大学から加入した瀬古選手が同じポジションで一年目から試合に絡んだという実績もあるので、瀬古選手がモデルケースとなるでしょう。
考察
開幕当初は、ベンチ外が続き、前半戦での出場は2試合にとどまりましたが、後半戦になるにつれ、徐々にメンバー入りの機会を増やしてきています。天皇杯の2回戦ではキャプテンマークを巻くなど、プロとして様々な経験を積んでいる印象です。
評価
評価は『B』としました。
大卒一年目としてサプライズ的な活躍ではありませんが、それでも多くの試合に絡んでおり、及第点と言えるでしょう。
⑪小川航基(←ジュビロ磐田)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季まで、所属していたジュビロ磐田では多くの出場機会は掴んだものの、絶対的エース、ルキアン選手がいたこともあり、そのほとんどが途中出場であったこともあり結果を残せませんでした。
横浜FCは、昨季のJ1で得点力不足に悩まされており、J1再昇格後にその課題を解決するためという意味合いもあっての獲得でしょう。
考察
開幕からすごいペースで得点を量産するなど、才能が一気に開花した印象で、J2の特手脳をほぼほぼ手中に収めています。海外移籍やJ1でのステップアップも噂されていますが、まずは、横浜FCをJ1に導きたいでしょう。
評価
評価は『S』にしました。
文句なしの『S』でしょう。ここまで、得点を量産すると思いませんでしたし、完全にエースの座を手中に収めており、横浜FCのJ1昇格のための欠かせないピースになっています。
⑫山下諒也(←東京ヴェルディ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季までは、東京ヴェルディでプレーしていた選手で個人技での突破や一瞬のスピードに持ち味のある選手です。
サイドハーフやサイドアタッカーとしてプレーしており、攻撃的に行きたい時のウイングバックとしての起用を考えての獲得でしょう。
考察
開幕から、イサカ・ゼイン選手のパフォーマンスが良いこともあり、スタメン出場の機会はかなり少なくなっていますが、それでも多くの試合に途中出場で出場し、守備強度を上げたり、攻撃的なアクセントを加えたりしており、欠かせない戦力になっています。
評価
評価は『B』としました。
スタメン出場の機会こそ少ないものの、ほとんどの試合で途中出場から出場はしており、欠かせない戦力になっているため『B』にしました。
⑬山根永遠(←ザスパクサツ群馬)
試合スタッツ
・Jリーグ
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
夏の移籍市場で、群馬から獲得した選手です。
群馬でも主力としてプレーしていましたが、本格的にJ1昇格を目指す横浜FCに移籍しました。獲得時期を踏まえても、J1に昇格した時だと争奪戦になるということなどを踏まえて、来季を踏まえての補強と言えるでしょう。
考察
加入直後の1試合はベンチ外となりましたが、その後は途中出場やスタメン出場を果たしており、思いのほか早くチームにフィットしている印象で、期待値を上回っていると言えるでしょう。
評価
評価は『A』としました。
シーズン途中の加入ということで非常に難しい状況でしたが、それでもすぐにチームにフィットしており、期待値を上回っているでしょう。
⑭マルセロ・ヒアン(←ECバイーア)
試合スタッツ
・Jリーグ
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
夏の移籍市場で、ブラジルのECバイーアのセカンドチームから獲得した若い選手で、スピードに特徴のある選手で、うらぬけなどが得意な選手です。20歳という年齢を見ても、未来への投資という意味合いもあるでしょう。
考察
加入後直後は、途中出場が続きましたが、最近はスタメン出場を続けています。得点という結果があまり無いことは、残念ですが、それでも多くの出場機会を掴んでいる点は評価できるでしょう。
評価
評価は『B』としました。
加入直後から出場機会を継続的に掴んではいるものの、FWとして必要な得点が少ないので、Bにしました。
⑮山谷侑士(←横浜Fマリノス)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
横浜Fマリノスの下部組織出身で、鹿児島・水戸に期限付き移籍をして経験と積みました。鹿児島や水戸では一定の出場機会をつかんではいたものの、FWとして得点という結果はあまり残せませんでした。
今季より、横浜FCで経験を積むために加入しています。
考察
開幕からあまり試合に絡めずにいると、天皇杯では2試合ともスタメン出場しますが、リーグ戦での先発機会はゼロ。そして、途中出場で出場したリーグ戦でも結果を残しているわけでは無いので厳しい状況です。
評価
評価は『D』にしました。
もうすでに、大卒と同じくらいの年齢になり、そろそろ結果が欲しい中でこの成績は非常に厳しい状況です。
⑯石井快征(←サガン鳥栖)
試合スタッツ
・Jリーグ
メンバー入りなし。
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
夏の移籍市場でJ1のサガン鳥栖から加入した選手で、昨季後半戦もJ2の愛媛FCで期限付き移籍をしており経験を積んでいたので、二年連続の武者修行となります。
考察
加入したものの、負傷もあり出場機会は全く無い状況で厳しい状況と言えます。
評価
評価は『D』としました。
加入したものの、負傷もあり出場機会どころかメンバー入りも全く無い状況で、非常に厳しい戦いです。
⑰伊藤翔(←松本山雅FC)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
松本山雅から復帰した選手で大柄な選手で、前線でターゲットマンになれる選手です。鹿島などでもプレーした経験のある選手で、得点を取ることはもちろん、ポストプレーもできる選手でしょう。
考察
開幕からメンバー入りすると、途中出場たまにスタメン出場とい感じで多くの試合に出場していました。しかし、中盤戦ではベンチ外となっていたり、最近は負傷離脱していたりなど厳しい状況ではあります。
評価
評価は『C』としました。
求められるタスクが大きかった中で、なかなか得点やアシストができていない現状は、決して期待値通りということはできないでしょう。
全体評価
それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。
以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。
全体評価は「B」としました。
DFやMFなどの多くの選手は獲得した期待値以上の活躍を見せていますが、前線の選手に関しては成功と失敗の差が激しく両極端になっているイメージで総合すると、Bでしょう。
最後に
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