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ツエーゲン金沢 補強診断〜チーム別補強診断#33〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから半年以上が経ち、すでにシーズンが終わりに近づき、来季の補強も考え出す頃でしょう。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第33回となる今回は、ツエーゲン金沢編です。
なお、すべての情報は10月21日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフのツエーゲン金沢の補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#34 ~ツエーゲン金沢編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
 孫大河 ←サガン鳥栖(期限付き移籍)
【OUT】
 杉浦力斗 →おこしやす京都(期限付き移籍)

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J2リーグ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①三浦基瑛(←SC相模原)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨年は、J2のSC相模原でプレーしていた選手であり、シーズンを通してではありませんが、一部期間においては、主力に定着しておりJ2での経験を積みました。チームは、J3に降格をしてしまいましたが、金沢へ移籍することで個人残留を果たしており、今季より金沢でプレーします。
 守護神の白井選手がいるため、いきなり主力というわけではないと思いますが、白井選手の年齢が高齢ということもあり、控えGKの位置から虎視眈々と主力の座を狙うことが期待されているでしょう。

考察

 開幕から、セカンドGKの地位を確固たるものにしました。
 天皇杯ではフル出場し、J2リーグでもチャンスを掴んだものの、その大分戦では3失点を喫するなど、なかなかアピールはできず、その後はセカンドGKに逆戻りしてしまっています

評価

評価は『B』としました。
 セカンドGKに定着するということで、期待値を大きく下回っているわけではないでしょう。そのため、現段階での評価は『B』ですが、来季はさらに多くの試合に絡むことが求められます。

②毛利駿也(←湘南ベルマーレ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 2019シーズンの前半戦は、期限付き移籍で金沢に所属しており、ほとんどの試合で左右のサイドバックで先発し、主軸として定着しました。夏の移籍市場で、所属元の湘南ベルマーレに復帰しましたが、その後は継続的な出場機会をえることができず、今季より金沢に移籍しました。
 監督が当時から変わっていないチームで、戦い方も大きく変化しているわけではないということもあり、多くの試合で出場あるいは先発することが想定されていると言えます。

考察

 開幕スタメンこそ飾ったものの、その後は、主力になり切ることができず、最近は途中出場が多くなっています。
 攻撃面に特徴のある選手で、守備面での課題があまり治らないこともあり、一列前でプレーすることも多いですし、スタメン出場にはつながっていません

評価

評価は『C』としました。
 昔、在籍していた時が主力であったということを踏まえると、少し淋しい結果です。選手としても、27歳と脂の乗っている年代ですので、もう少し出場機会を掴みたいところです。

③庄司朋乃也(←セレッソ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 セレッソ大阪の下部組織出身の選手で、2017年後半と2018年、そして2021年には期限付き移籍で金沢に在籍していました。
 他の年も、セレッソの選手層の中でチャンスを掴めず、大分や長崎などへ期限付き移籍をしており、キャリアの大半をJ2で過ごしてきた選手です。そして、昨季の金沢では主力として活躍していた選手ですので、完全移籍へ移行した今季は、「守備の要」として貢献することが期待されているでしょう。

考察

 開幕スタメンを掴むと、その後もほとんどの試合でスタメン出場を果たしており、セットプレーなどから得点も挙げています。
 先発出場した全試合でフル出場を果たしており、しっかりと守備の要となっていると言えます

評価

評価は『A』としました。
 期待値が高い状態での加入でしたが、しっかりと期待されたパフォーマンスを見せており、評価は『A』としました。

④松本大輔(←サガン鳥栖)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季、大卒ルーキーとしてJ1のサガン鳥栖へ加入すると、いきなり主力になると予想するメディアもありましたが、8試合の出場にとどまりました。
 今季の鳥栖は、守備の要であったエドゥアルド選手が退団したものの、まずは出場機会を得るために、J2の金沢に期限付き移籍しました。「出場機会をえる」というのが今年のテーマであるため、多くの試合で出場することが求められているでしょう。

考察

 開幕スタメンを掴むと、パフォーマンスの波があるため、常に主力というわけではありませんが、多くの試合に出場しました。
 しかし、後半戦になるにつれ、出場機会を大きく減らしており、最近はベンチ入りもままならない状態になっています

評価

評価は『B』としました。
 シーズンを通してのパフォーマンスは『B』ではないでしょうか。前半戦は『A』後半戦は『C』というのが率直な感想で、それを平均して『B』にしました。

⑤孫大河(←サガン鳥栖)

試合スタッツ

・Jリーグ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 今季、鳥栖に加入した大卒ルーキーで、エドゥアルド選手退団もあったため、いきなり主力候補とも言われましたが、J1の舞台ではベンチ入りすることもできず、全く試合に絡めていませんでした。
 夏の移籍市場で、J2の金沢へ移籍するというのは、狙いは明確で「出場機会を得る」ということで、金沢にとっても守備力が課題でもあったため、新たなDF候補としての獲得でしょう。

考察

 加入直後は、試合から離れていたこともあり、ベンチ外が続きましたが、第28節の熊本戦でスタメン出場すると、その後は全試合にスタメン出場しており、いきなり主力に定着しました。

評価

評価は『S』としました。
 夏の加入という、非常に難しい状況での加入ではありましたが、主力に完全に定着しており、期待値を大きく上回っていると言えるでしょう。

⑥黒木謙吾(←拓殖大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 拓殖大学より加入したセンターバックで、185cmと決して大柄なCBではありませんが、堅実なプレーができる選手です。
 金沢の守備陣は非常に若い選手が多いので、1年目から与えられるであろうチャンスをものにすることができるかが勝負の分け目でしょう。

考察

 開幕からしばらくは、全く試合に絡めておらず、プロの厳しさを痛感させられているイメージでしたが、徐々に試合に絡んでくると、孫選手加入の影響もあり、主力にはなっていないものの、松本選手より序列が上になっていると言えるでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 大卒ルーキーということで、結果が求められます。前半戦は非常に厳しい展開でしたが、後半戦になるにつれ徐々に試合に絡むようになってきており、総じて期待値通りといえるでしょう。

⑦長峰祐斗(←拓殖大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 先ほどの、黒木選手と同様、拓殖大学より加入した選手で、サイドでのオーバーラップなどの果敢な攻撃参加や豊富な運動量が持ち味の選手です。
 まずは、毛利選手(←湘南)とのポジション争いが繰り広げられると思います

考察

 開幕から数試合は試合に絡めませんでしたが、プロ入り初スタメンとなった第6節以降は、ほとんどの試合でスタメン出場しており、完全に左サイドバックの一番手に定着していると言えます。

評価

評価は『S』としました。
 大卒ルーキーでありながら、一年目から主力として活躍しており、自身の目標である「3得点7アシスト」という目標の達成は厳しいですが、それでもしっかりと持ち味は発揮しています。

⑧波本頼(←ツエーゲン金沢U18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 下部組織から昇格した選手です。
 188cmという身長や、年代別日本代表経験もあるセンターバックで、非常にスケールの大きい選手です。積極的なコーチングに定評がある選手ですが、一年目から主力になるのは厳しく、少しでもおおくの試合に絡むことが目標でしょう。

考察

 リーグ戦でのメンバー入りは2回。出場は天野杯の1分のみとあまり多くの試合に絡むことはできていません。しかし、高卒一年目ということも踏まえると、これだけで、「期待値を下回っている」というのは酷でしょう。

評価

評価は『B』としました。
 高卒一年目ということもあり、あまり多くの試合に出場できているわけではありませんが、評価はBとしました。

⑨嶋田慎太郎(←大宮アルディージャ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 大宮では、主力になることができず昨季は、期限付き移籍で金沢に加入すると、いきなり背番号10を背負い、主力選手として活躍しました。その後、今季は、完全移籍へ移行し、名実ともに「攻撃の要」としてサイドからたくさんの攻撃を創出することが期待されているでしょう。

考察

 開幕からしっかりとポジションを掴むと、多くの試合でスタメン出場をしており、欠かせない戦力になっています。
 一方で、得点やアシストはポジションの割に少なく、そこに関してはもう少し目に見える結果が欲しいところです。

評価

評価は『B』としました。
 期待値が高い中で、しっかりとポジションを掴んでいることはポジティブな要素ですが、目に見える得点やアシストといった結果が若干少ないため、『B』にしました。

⑩小野原和哉(←UDオリヴェイレンセ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ルーキーとして加入した山口では、15試合に出場し主力にはなれませんでしたが、ポルトガルリーグへの移籍を決断しました。
 なかなか、ポルトガル2部の舞台で主力になり切ることができず、今季よりJ2の金沢に加入しました。「逆輸入選手」ということもあり、実力は未知数ですが、海外での経験もあるため、「準主力」程度が期待されていると見ていいでしょう。

考察

 開幕から数試合はベンチ外となりましたが、その後は交代出場を中心に多くの試合に出場すると、その後はスタメン出場を継続しており、ポジションを掴んでいると言えます。

評価

評価は『A』としました。
 多くの試合に出場しており、シーズンが進むにつれ、明確に序列を上げてきているということもあり、『A』にしました。

⑪松本大弥(←サンフレッチェ広島)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 所属元の広島には、青山選手をはじめ、多くの実績・実力がある選手が所属しており、なかなかチャンスを掴むのが難しい状態です。
 昨季の大宮では、半分程度の試合に出場していましたが、今季はシーズンを通じて主力として活躍するために、金沢に活躍の場を移したと言えるでしょう。

考察

 開幕スタメンを果たすと、いきなり守備的MFとして主力に定着しました。一時は、大腿二頭筋の負傷により離脱しましたが、その後復帰後は、スタメンで試合に出場しており、ここまでに8得点と得点能力も開花した印象です。

評価

評価は『S』としました。
 一時は、離脱したもののその他の機関では、基本的にスタメンとして主力になっており、加えて8得点と攻撃面でも大きく貢献していることを見ると、『S』評価にしました。

⑫須藤直輝(←鹿島アントラーズ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 獲得理由・移籍理由に関しての大枠は、先ほどの松本選手と同じでしょう。所属元の鹿島の選手層を考えると、鹿島よりもJ2のチームで出場機会を掴むべきだと考えるのは至って自然です。

考察

 開幕からベンチ外が続くと、途中出場が続くフェーズと試合に絡めないフェーズを繰り返しているのが、現状で多くの出場機会を掴んでいるとは言えません。

評価

評価は『C』としました。
 多くの試合にメンバー入りすることが、『B』評価の最低条件でしょう。まとまった期間でメンバー外というのが複数回あることが『C』評価の要因です。

⑬林誠道(←モンテディオ山形)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 J3での実績が豊富な選手でしたが、J2の山形ではなかなか出場すること。結果を残すことができておらず、金沢に移籍しました。瀬沼選手が退団したということもあり、得点源となることが期待されているでしょう。

考察

 開幕からスタメン出場をすると、ここまでにリーグ戦全て41試合に出場しており、チームトップの13得点としっかりと結果を残しています
 期待値を大きく上回っていおり、J2でも十分に通用することをアピールしています。

評価

評価は『S』としました。
 新加入でありながら、完全にエースストライカーの座を抑えており、期待値を大きく上回っていると言えます。

⑭豊田陽平(←栃木SC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 サガン鳥栖で長らくエースとして活躍してきた選手で、昨夏のJ2の栃木に活躍の場を求めましたが、今季より金沢へ移籍しました。
 豊田選手は元々石川県の出身ということもあり、加入時のコメントに以下のように書いています。

18歳で石川県を離れプロサッカー選手となり18年のキャリアをこれまで積ませていただきました。
この度、故郷に恩返しするチャンスを与えてくださったツエーゲンに骨を埋める覚悟でまいりました。
石川県人としての誇りとプライドをもち、謙虚にリスペクトを欠くことなく、大切な仲間と共に戦い抜きます。
クラブを更なるステージに押し上げられるようこれからも変わらず誠実に地域に寄り添い精進いたします。
伝統文化で彩られた県民の皆さまにも、鮮やかでこだわりのユニフォームをご着用いただき、雨が降ろうと、雪が降ろうとも、共に戦い共に喜びを分かち合い、新たな歴史を一緒に一体となって掴み取りましょう。
赤黒に染まる本拠地、西部緑地公園陸上競技場にてお会いできることを楽しみにしております。

考察

 開幕から林選手と共にスタメンで多くの試合に出場しています。
 林選手とはタイプが異なる選手であり、うまくバランスが取れていると言えますし、ここまでに得点は6得点(天皇杯では2得点)としっかり結果をのこしています

評価

評価は『B』としました。
 地元出身ということもあり、非常に話題になった選手です。
 しっかりと最低限の結果は残しており、期待値を上回ってなければ、下回ってもないでしょう。

⑮塚本大(←ガンバ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

メンバー入りなし。

・天皇杯

メンバー入りなし。

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ガンバの下部組織出身の選手で、ガンバのセカンドチームでJ3で50試合程度でプレーしていましたが、J1ではチャンスを掴めず、J2で経験を積むというのがねらいの移籍でしょう。

考察

 夏前までは、普通にメンバー外となっており期待はずれと言えます。その後は、負傷を負ってしまい、今季中の復帰はなく、金沢での出場はなく終わりそうです。

評価

評価は『D』としました。
 全く試合に絡めておらず、期待値は大きく下回っていると言えます。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

三浦基瑛 B
毛利駿也 C
庄司朋乃也
 A
松本大輔 B
孫大河 S
黒木謙吾 B
長峰祐斗 S
波本頼 B
嶋田慎太郎 B
小野原和哉 A
松本大弥 S
須藤直輝 C
林誠道 S
豊田陽平 B
塚本大 D

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「B」としました。
 一部の選手が大成功している中で、多くの選手は及第点とよべる活躍を見せています。そのため、総合で見ても及第点と言えるでしょう。

最後に

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