幸せ招く吉祥のサイン 仁徳天皇三一 神話は今も生きている ことの葉綴り七〇九
幸せの種まきしよう!
おはようございます。先週は、暦の節目と吉祥日続きでした。
朝の太陽の光も、凍てつく寒さの中で、清く凛とした強さが、日に日に増しているような美しさでした。
皆さん、お参りされましたか?
二月七日(月)の暦は、六曜は「先勝」で、午前が吉。先んじることで幸を勝ち取るとされ、急ぎものがるなら、この日こなしてよさそう。十二直は「除」で、障害を取り除く日。医師へかかりはじめ、薬の飲み始めにいい日。種まきも吉。二十八宿は「張」で、祭祀、お参り、婚礼、お祝いごと、就職に吉。種まきは大吉。
種まきに吉と大吉! 春に向けて花の種を植えたり、なにかものごとの“種まき”的な準備をするのも良さそうですね。
そして、ご神事に関することによい「神吉日」です。
皆さん、今週もお元気でお過ごしくださいね。
さて、早速、神話の物語に入ります。
老賢人建内宿禰の歌
第十六代、仁徳天皇さまは、あるとき幸行なさった日女島で、渡り鳥の雁が卵を産んでいるのをお見かけになりました。
宮中にお戻りになると、長寿で知恵者で、歴代の天皇に仕えてきた老賢者の建内宿禰をお呼びになります。
こちらは皇后石之日売命にとって、おじいちゃん。
もっとも信頼する建内宿禰に、
「これまでに、この大和の国で雁が卵を産むという話を聞いたことはあるか?」と、御歌でといかけられました。
もう高齢となっていた建内宿禰も、次のような歌を返します。
高光る 日の御子
諾しこそ 問ひたまへ
まこそに 問ひたまへ
吾こそは 世の長人
そらみつ 倭の國に
雁卵生むと 未だ聞かず
天高く光輝く 日の御子よ
あなたが、お尋ねになるのは、
それはもっともなことにござりまする。
まことによいご質問でございます。
はい、ご存じのように私めは
この世に長く、長く生きているものでございますが、
私の知る限り、この大和の国で
渡り鳥の雁が、卵を産んだなどということは
まだ一度も聞いたことがございません。
喜ばしいサイン祥瑞
すでに、仁徳天皇さまは、もう御子ではなく天皇にご即位されていますが、建内宿禰さまにとっては、可愛い孫、曾孫のような存在でしょう。
なにせ、仁徳天皇さまの父君応神天皇さまの幼きころ、共に「禊の旅」にも出たのですから。
こちらをご覧くださいね。
大君さま、私は、御琴をお借りしとう申します。
建内宿禰は、かつて、仲哀天皇さまが御琴をお弾きになられ、神功皇后さまに神さまのご神霊を降ろす神よせをし、建内宿禰は、この神が聖か邪か、どの神か、その神のご神託を、伝える役目の「審神者」をつとめていたのです。
そして、老賢人の建内宿禰は、御琴を弾きはじめると、歌を詠んでいきました。
汝が御子や
終に知らむと
雁は卵生らし
♪私の敬愛いたします日の御子さま
あなたさまが、そしてあなたの御子さまが
どこまでも、どこまでも末永く
天下を治める、吉兆のおめでたい印として
雁が卵を生んだのでございましょう♪
この歌は、おめでたいことを寿ぐ「寿ぎ歌」の片歌と呼ばれています。
長寿で知恵者の建内宿禰は、神さまのご神意を感じられる人です。
天皇さまがご覧になった雁が卵を生む姿は、おめでたく、喜ばしい吉祥の印だったとお知らせしたのですね。
老賢人、ここに在り! って感じですね(^^)
私たちも、ちょっとした、“不思議”なことや、“変化”から、運の節目、吉祥のお知らせを受けとることがありますよね。
たとえば、ぞろ目を見たり。偶然、人と出会ったり……。
五感を磨いて、おめでたい吉祥のサインも受け取っていきたいですね。
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