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葛城山の一言主大神様 雄略天皇十七 神話は今も生きている ことの葉綴り八一一

大安吉日

おはようございます。五月二十日(金)は、大安吉日!万事に吉日。特に婚礼よし。引っ越し、建築、旅行すべて良し。十二直も「さだん」で、物事の善悪が決まる日。婚礼の取り決め、建築、引っ越し、種まきも吉。二十八宿は、「ろう」で、縁談、婚礼、設備の工事、契約や相談、旅行に吉。
そして「神吉日」で、ご神事やお参り、ご先祖供養もよしです。
明日は、二十四節気「小満」! 皆さん、楽しい週末をお過ごしくださいね。
さて、神話の物語の続きに入ります。

第二十一代、雄略ゆうりゃく天皇さまの物語。
ご即位での波乱の物語はこちらをご覧ください。


鏡のように似た一行

あるとき、葛城山に登られた雄略ゆうりゃく天皇さま。
随行させた百官もものつかさの官人たちは、天皇さまがお与えになった、紅い紐をつけた青摺りあおずの藍色をしたお揃いの衣服を身にまとい列をつくり登っていました。

すると、山の向こうの尾根に、同じような集団が目に入ってきたのです。
よく見てみると向こうの行列する人の数も、集団の衣服も、自分たちと同じです。
鏡で映したかのように同じです。

あまりの不思議な光景に、天皇さまは驚かれました。
同時に、なんと不敬なことか! と思われて、こう尾根の向こうの行列に問われました。

この大和の国に、私をのぞいて天皇はいないはずである。
そなたらの行列はいったい誰のものか? 何者なのだ?!

尾根の向こうからも、声がかえってきます。

それがなんと、天皇さまが仰ったことと同じ言葉が返ってくるではありませんか?

なんと無礼な!!決して許すことはできぬ!!

天皇の言葉と同じ言葉を返してきたことに、たいそうお怒りになり、百官もものつかさたちに弓に矢をつがえさせました。

すると、向こうも従者たちが、弓に矢をつがえるではありませんか。


不思議な一行の正体は……

一発触発 

このままでは、すぐに戦が始まってしまいます。

互いの尾根で緊張感が高まっていました。

このままでは、戦は避けられぬ……。

雄略天皇さまは、そこでこう声をかけられます。

それならば、そちらの名を名乗れ! 互いに名を名乗ったその上で、互いに矢を放とう

天皇さまの申し出に、向こうの尾根から返事が返ってきました。

では、吾が先に問われたので吾から名乗ろう。

“吾は悪事まがごと一言ひとこと善事よごと一言ひとこと、言ひ離つ神、
葛城の一言主ひとことぬしの大神ぞ“

吾は、凶事も吉事でも一言で言い放つ神
葛城の一言主大神であるぞ!

な、な、なんと……

不思議な現象の正体、尾根の向こうにいらしたのは、一言主ひとことぬしの大神さまだったのです。

―次回へ

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