こうも、ああもしたい 恋の御歌 応神天皇十 神話は今も生きている ことの葉綴り六二九
部分月食の満月
おはようございます。早いもので霜月も残り十日となりますね。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
十一月十九日(金)、夕方十七時五十七分に、満月+部分月食!
もう日は暮れているので、お月さま、見えるといいですね~。
暦は、六曜は「赤口」で昼前後の正午が吉。
十二直は、物事が成就する「成」で、新しいことを始めるのにいい日。旅行、婚礼、開店開業、種まき、引っ越し、建築に吉。
二十八宿の「亢」は、結納、婚礼、種まき、裁縫、物の購入に吉です。
深まる秋の満月タイム、何を願いましょう? 楽しくお過ごしくださいね。
私は、朝からお参り行ってまいりまーす!
<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて読めるようになっています。
「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごとに18のマガジンに分かれています。全体のご紹介は、こちらをどうぞ。
600回の節目に、まとめてみました。
最新のマガジンをつくりました!
神話19 成務天皇・仲哀天皇と神功皇后
<応神天皇さま 運命の出会いの物語>
第十五代応神天皇さまは、宇遅野(京都府の宇治)の木幡村で出会った矢河枝比売さまに一目惚れの恋に墜ちて、その屋敷を訪れて、恋の御歌を詠まれます。
私が、息をつきながら、上り下りの坂道をどんどんと歩いていくと……木幡の道で、一人の乙女に出会ったのだ……。
応神天皇さまは、矢河枝比売さまに酒をつがれながら、御歌の続きを詠まれていきます。
情熱溢れる恋の御歌
小楯ろかも 齒並みは 椎菱如す
櫟井の丸邇坂の土を
初土は 膚赤らけみ
底土は 丹黑き故
三つ栗の その中つ土を
かぶつく 眞火には當てず
眉畫き 濃に畫き垂れ
遇はしし女人 かもがと
我が見し子ら かくもがと 我が見し子に
うたたけだに 對ひ居るかも
い添ひ居るかも
これは、どんなことを詠われたのでしょうか? 見ていきますね。
木幡の道で出会った一人の乙女の、
その後ろ姿は、楯のようにまっすぐで
前から見ると、歯並びは、椎の実や、水草の菱の実のように真っ白で美しい。
名だたる櫟井の丸邇坂の土
上の層の赤い土や、下の層の黒い土ではなく
真ん中のほどよい土を取り、弱い火に当てて焼き、
この焼いた土でつくった眉墨で、
眉を濃く尻下がりに描いた乙女に
私は出会ったのだ。
そして、こうもしたい、と思っていた乙女に
ああもしたいと、私が思い描いていた乙女に
今、思い描いた通りに向かい合っている。
そして、ぴったりと寄りそうことができているのだ……。
皆さま、いかがでしょう?
もう~御歌の通りでございます(^^)
恥ずかしくなるほどの、まっすぐな熱情溢れる求愛の歌!
さて、このように応神天皇さまは、一目惚れをされた|矢河枝比売《やかはえひめ》さまと結ばれました。
そして寵愛されたこの妃との間に誕生した御子が、天皇さまが父としても、“皇位を継承したい”と願われて詔を出された宇遲能和紀郎子さまなのでした……。
―次回へ
#一度は行きたいあの場所
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