母の強い呪術 応神天皇さま三四 神話は今も生きている ことの葉綴り六五八
納めの観音+一粒万倍日+神吉日
おはようございます。今日は今年最後の観音さまのご縁日の「納めの観音」さまです。浅草の浅草寺のご本尊も「観世音菩薩」さまなので、週末の羽子板市も賑わうでしょうね。
十二月十八日(土)の暦は、六曜は「先勝」午前が吉。先んじることで幸を勝ち取るとされる日。十二直は、万物を立て生じる日の「建」で、物事を始めるのによい日。神仏の祭祀、お参り、婚礼、開店開業、棟上げ、引っ越し、旅行、衣服の着始めもよし。年末の大掃除はじめもいいかもですね。
二十八宿は「氐」で婚礼、開店開業に吉。
そして、一粒が万倍に実る「一粒万倍日」&「神吉日」で、ご神事、祭祀、お参り、墓参、供養にいい日。
お近くの観音さまへのお参りもいいですね。
<これまでの「秋山の下氷壮夫と春山の霞壮夫」兄弟>
美しい伊豆志袁登賣神を娶った、弟の春山の霞壮夫。そこには、母が、息子の装束に藤の蔓を縫いつけ、比売に会うときに藤の花が咲くという知恵の助けがありました。
一方、「弟が伊豆志袁登賣神を妻にしたら祝いの品を贈る」と、約束しておきながら、その約束の言葉を反故にした兄の秋山の下氷壮夫に対して、「人の悪いところを真似するとはとんでもない」と、怒り狂います。
そして一筋の竹で荒い網目の竹かごを網み、塩でもんだ石を竹の葉でくるみました。
呪術で、兄を呪う
母は、竹かごの中に、竹の葉で包んだ石をいれます。
それを前にすると、母は、次のような弟に兄を呪わせる呪文を唱えはじめたのです。
秋山の下氷壮夫よ
この竹の葉の靑むが如く
この竹の葉の萎ゆるが如く、
靑み萎えよ。
またこの鹽の盈ち乾るが如く、
盈ち乾よ。
またこの石の沈むが如く、
沈む臥せ。
兄に対する母の呪文は……
この竹の葉が青み萎えしなえるがごとく、
生気をなくし萎えてしなえよ。
海に潮の満ち引きがあるが如く
体が満ち引き、体がしなびよ。
そして、この石が沈んでいくように
衰弱してくたばり病に臥せよ。
こう呪文を唱えると、この石の入った竹かごの呪いの品を、かまどの上に置きました。
びっくりしません?(苦笑)
母の呪いは強かったようで、兄の秋山の下氷壮夫は、直後から、苦しみだして、なんと八年間もの間、体は萎えて衰えていき、重い病にあえぎ臥せったのです。
呪いをとき……「神うれづく」
兄の秋山の下氷壮夫は、やがて、憂い泣いて、
「母上、私が間違っておりました」
と、自分の過ちを認めて、母に許しを請いました。
母は、兄の改心を認めます。
そして、かまどから呪いを品を取り除かせました。
すると、嘘のように、兄の秋山の下氷壮夫の体は回復し、元の健康に安らかに平かに戻ったのです。
こは 神うれづくの言の本なり
これは、「神うれづく」という、神に誓う言葉、という言葉の由来であります。(終わり)
ちゃんちゃん……。
この兄弟の母、すごいですよね
弟には、藤の花で美しい比売を娶り、
神に誓った言葉を反故にした兄には、呪術をかけて苦しめて、改心をさせて……。
なんだか、つい、今、大人気の二作品の名前が浮かんだのは、私だけでしょうか? そう、『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』(笑)。
では次回へ。楽しい週末をお過ごしくださいね。
いつもありがとうございます。
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