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悦びと光満ちるお祝いの祭「三節祭」 元伊勢一四七 神話は今も生きている ことの葉綴り四七九

伊勢の神宮「三節祭」

こんにちは。夕方とはいえまだまだ明るいですね。
皆さん、お元気でしょうか?
私は朝からのお仕事の一区切りで、「ことの葉綴り。」に向かいます。
今日も早速、倭姫命さまのお話に入ります!

といいつつ、伊勢の神宮で、もっとも重要なお祭りってご存じでしょうか?
最近、六月十五日の「月次祭(つきなみさい)」でもご紹介した、「三節祭(さんせつさい)」です。

十月の「神嘗祭(かんなめさい)」と、六月と十二月の「月次祭(つきなみさい)」とを合わせて、「三節祭(さんせつさい)」といいます。
こちらも、今から約二千年前に、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、天照大御神さまを伊勢の五十鈴の宮でお祀り申し上げたときに、お定めになられたのです。
三節祭(さんせつさい)」のお祭りと、年中行事も遥か古から、幾星霜の時を超えて、連綿と受け継がれてきているのですね。

そこを少し見てみます。

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亦、年中雜神態(くさぐさのかむわざ)、三節(みとき)祭定賜ふ。

御贄(おほみにへ)の嶋に神主等(かむむしたち)罷(まかり)、御贄漁(おほみにへあさ)りて、嶋の国(しまのくに)の国前(くにさき)の潜女(かづきめ)が取り奉る玉貫(たまぬき)の鮑(あわび)、鵜倉(うくら)・慥柄(たしから)の嶋の神戸(かむべ)の進(たてまつ)る堅魚等(かつをども)の御贄(おほみにへ)、国国処処寄奉れる神戸の人民(おおみたから)の奉る大神酒(おほみき)・御贄(おほみにへ)・荷前等(のさきども)を、海山の如く置足(おきた)らはして、神主部(かむぬしべ)・物忌等(ものいみら)慎みて、聖朝(みかど)の大御寿(おほみいのち)を、手長(たなが)の太寿(おほいのち)と、湯津の石村(いはむら=岩群)の如くに、常盤堅磐(ときはかきは)に、天津告刀(あまつのりと)の太告言(ふとのりとごと)を以(も)ちて称(たたえ)申(まを)す。


終夜(よもすがら)に宴楽(とよのあかり)舞詠(まひうたひ)、歌の音の巨(ふと)く細く大少(おほきにちいさく)長短(ながくみじかく)、国保伎(=寿ぎ)奉る。<十二詠(とをあまりふたつうた)は別巻在(ほかのまきにあり)。『年中行事記』具也(つまびらかなり)云云(といふとしかいふ)。

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倭姫命さまご巡幸の努力の賜物!

この段落を勢いで書いてしまいました(笑)

倭姫命さまは、伊勢の五十鈴の宮の一年のいろいろなご神事、三つの節目となるお祭りをお定めになられました

ここからは、倭姫命さまが、天照大御神さまをお喜び申し上げるためのご馳走(御贄みにえ)のお供えもの探し求めて志摩国へとご巡幸なさったときのふりかえりのようですね。

覚えていますか?
志摩国で、海女のご先祖となる女性との出会い。
そこから、熨斗鰒(のしあわび)が誕生した物語もありましたね。
海に潜る女性が取ってきた、玉貫の鮑。
神社に租税を納める民を、神戸といいますが、鵜倉や慥柄(たしから)の島の神戸の人らが献上する堅魚(かつお)などのお供えもの。
さらには、国々やあちこりの地方の方が、ご寄進なさった初物や貢物を、海や山のようにたくさんお置きしましょう。


ご神事に奉仕する人々の神主部(かんぬしぶ)や、ご神事に奉仕する童の子供の男女たちの物忌み(ものいみ)たちは、ご神事あたり、身を清めて、心も慎んで天上界の立派な祝詞によって、天皇のご寿命を、長いご寿命として、神聖で清浄な岩のように、永久不変にと、褒め称え申し上げます。

そして、夜もすがら、一晩中、顔が赤くなるまでの楽しい酒宴を開いて、皆で歌い舞いをして、歌声も大きいものや細かったり、大小があったり、長い歌、短いうたとさまざまな形で、国の繁栄をお祝いし、褒め称え申し上げるのです。
<このときの十二首の歌は別巻に、『年中行事記』に具体的に記してある、といいます>

一気に、来ました!!
これまでの倭姫命さまの、ご巡幸でなさってきたことが、すごく凝縮されている感じがします。

物忌み……懐かしい~。倭姫命さまが、天照大御神さまの御杖代(みつえしろ)として、この長きご巡幸の旅のはじまりに、出会った童、大宇祢奈(おおうねな)さん。


身も心もお浄めされて、慎まれて望まれるご神事
そして、五十鈴の宮に天照大御神さまをお鎮めになられたときの、あまりにも目出度い、夜もすがらのお祝いの宴


このくだり一気に綴ってしましましたが、なんだか、お祝いと喜びに溢れている気がしました。皆さん、いかがでしょう?

伊勢の神宮で、もっとも重要とされる「三節祭」は
さらに尊く重要な、天照大御神さまに、その時の新穀を捧げて、感謝をする十月「神嘗祭(かんなめさい)」
六月十五日~と十二月十五日からの「月次祭(つきなみさい)」です。

この重要なご神事の大元にあるのは、喜びとお祝いと感謝と、人々の清らかさと慎みと、そして志摩のご馳走!
幸せな光に満ちていますね。

そこには、長きに渡る倭姫命さまの全身全霊での天照大御神さまへご奉仕するひたむきさ、努力、真摯さがあるように思いました。

いつも、ありがとうございます。
ではまた次回!

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―次回へ
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