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“旅人”を受け入れた人たち 倭姫命版ヒーローズジャーニー⑥ことの葉綴り九七一

秋冷えに温活を

おはようございます。十月二十七日(木)も秋晴れの気持ちよい朝です。皆さん、お元気でしょうか?
暦は六曜が「赤口しゃっこう」で、お昼前後の正午が吉。十二直は「たいら」で、物事が平らか、平等円満になるとされる。引っ越し、旅行、婚姻、お祝い事障りなし。地固め、柱立て、壁塗り、建築ごともいい。二十八宿は「」で、種まき、土掘り、新規のことに吉。
朝は秋とはいえ冷え込んでいます。腹巻などで温活して元気に過ごしましょうね。

神戸神社さん

未知の場所・人が、大切なところ・人へと「変容」

さて、倭姫命やまとひめのみことさまのご巡幸記を、神話の法則「ヒーローズジャーニー」にあてはめて考察の続きです。

叔母で、崇神すじん天皇の皇女、豊鋤入姫命とよすきいりひめのみことさまから、天照大御神さまの御杖代みつえしろを継承された倭姫命やまとひめのみことさま。
「五大夫」という重臣たちと、天照大御神さまが永久にお鎮まりになられる宮処を探し求める旅に出られます。
1 天命を知る……日常の世界から、冒険への誘い
2 旅のはじまり

3 境界線……旅立ちを決意する主人公 今までの世界と新たな世界との境界で初めての試練に出会い、覚悟する。
会い、覚悟する。

4 守護者(メンター)や、賢者、仲間との出会い

「この道でいいなら、童と出会わせなさい」と、ご神意をうかがう願掛け(誓約うけひ)をして、童女と出会い、そして、(境界を越えて)
初めて訪れる未知の土地で、その地域の人たちと出会い、素晴らしい田や、地域の特産品を献上され、その土地で、四季を通じて、祈り、暮らし、人々と交流をしながら、稲を育て新穀を収穫し、天照大御神さまにお供えし、祀る……。
ご巡幸では、二年、四年と、そこで、天照大御神さまをお祀りされてとどまられます。

境界を越えて訪れた“未知”だったところは、すでに馴染みの人たちがいる、仲間がいるところへと「変容」していきます。

名張川

“旅人”を受け入れた人たちの想いが今も息づく

この時間は、献上された田で、稲を育て新米をご神饌にするまでに必要な「」ですね。
訪れたご巡幸地で費やされた「時」にも、一年、365日の祈り、暮らし、四季の移り変わりがあります。
もう一つ、地域地域の人々との交流や触れ合いも!

そこでの触れ合いがあったからこそ、二千年の時を経ても、元伊勢と呼ばれるご巡幸された各地で、倭姫命さまの伝承が、代々、受け継がれ残っているのだと思います。

ご巡幸される倭姫命さまご一行を、受け入れた側の、人々の想いも大切に残っているのです。

その証がありますよ。

伊賀国「|市守宮《いつもりのみや》」とされる「宇流冨志禰うるふしね」神社さんの近くを流れる名張川には、倭姫命さまがお休みされたという「弁天岩」が残っています。


弁天岩


また四年間、天照大御神さまをお祀りされたとされる伊賀国「穴穂宮あなほのみや」こと、「|神戸《かんべ》神社」さん(三重県伊賀市上神戸)では、今もなおやなで獲れた鮎を干し鮎にして、毎年、伊勢の神宮で六月に執り行われる「月次祭つきなみさい」に、この干し鮎が、大御饌おおみけとして奉納されているのです!!

倭姫命版ヒーローズジャーニーは、神話でありながら、“今も生きている物語”、というのが、すごくないですか? 

―次回へ

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