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歌に現れし心の声 仁徳天皇十四 神話は今も生きている ことの葉綴り六九一

大寒+大安+成

おはようございます。小寒から半月。一年でもっとも寒い大寒だいかん。寒くなりそうですね。
水道の水も冷たいですが、「寒の水」は、寒さ厳しく雑菌も少なく、昔から清らかだとされていたようです。
この日、産まれた卵を食べると、健康運、金運招来になるといわれます。寒い中で産まれる卵には栄養があり、黄身の黄色が濃いそうです。そこから健康運・金運に結び付いたのですね。
暦も、六曜が、万事に吉の「大安」。十二直も、物事が成就する「なる」。新たなことをスタートするのもいい日です。
二十八宿の「」も、新規のことをするのにいい日。種まきもよし!そして、ご神事に関することの吉日の「神吉日」です。
二十四節気の季節の変わり目で、お参りにいい日。
皆さん、お参り日和ですが、厳しい寒さですので、温かくして、マフラー、手袋、マスクもしっかりとしてお出かけくださいね。

<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を、神代から神さまごとに20の「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。

最新は「神話20 八幡大神さまこと応神天皇さまの物語 」です。

さて、神話の物語に入ります。

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皇后、“家出”する

仁徳にんとく天皇さまの嫉妬深いといわれた皇后石之日売命いわのひめのみことさま。
繰り返される夫の恋に、怒りの炎はメラメラと燃えていました。
皇后さまが、御船で木(紀)の国(和歌山)で幸行されている間に、異母妹の皇女、八田若郎女やたのわきいらつめさまを娶り寵愛しているとお知りになると、もう堪忍袋の緒が切れてしまいます。

もう~大君のもとには絶対に戻らない!!!

宮中へは戻らずに、ご実家のある葛城かつらきへと御船を向かわせました。

淀川の上流へと向かい、風に吹かれて山城の国へと上っていきます。
風が心地よく吹いていきます。

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川風に吹かれて

ふう~

御船から川のほとりの草、花、緑の木々、山……美しい自然が目に入ってきます。鳥の鳴き声も聞こえてきます。
皇后さまは、ようやく、息ができるようになった気がしていました。

そして、次のような歌を詠まれたのです。

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本音の好きが歌に出て

つぎふねや
山代河やましろがはを 河上り
我が上れば 河の
てる 
鳥草樹さしぶを 鳥草樹さしぶをの木
が下に 生ひ立てる 葉廣はびろ
五百箇眞椿ゆつまつばき 
が花の 照りいま
が葉の ひろいますは、
大君ろかも

山代川(淀川と、上流の木津川)を、私が川上りして上っていくと
河辺には、鳥草樹さしぶしゃくなげ科の常緑灌木が生えている。
そしてその木の下には、広い葉がたくさん茂っている
生き生きとした神聖な椿が。
その神聖な椿の花が、照り輝いているように、顔色もよく
その椿の葉が生き生きと広がっているように、ゆるりとお坐りになっていらっしゃるのは、ああ、我が大君なのです。

あれ?
私、二度と戻らないと大君のことを許さないはずだったのに。
自然を感じて、それを歌に詠んでいるうちに
夫である大君のことばかり、浮かんできているなんて……。

皇后石之日売命いわのひめのみことさまは、歌を詠まれることで、怒り、恨みの心をお鎮めになったのです。
本音では、やっぱり好き💛、な女心ですね。

、自然の力って偉大!(^^)ですね。
私たちも元気のないときに、緑や花を目にすることで、気力をもらえますよね。
皇后さまのこの物語って、噴火するような怒りで、家出も決意して、ちょっと距離をとって旅をして、川の風に吹かれ、緑や花を目にしているうちに、心が静まっていった様子が、すごくよく描かれていますよね~。

心が落ち着かれた皇后さま。どうされるでしょう?

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